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食物ことわざ事典24

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:男伊達より小鍋立て 男の面目を立てるために気張るよりは、差し向かいで睦《むつま》じく食事するほうが得である。つまらぬ意地
(单词翻译:双击或拖选)
男伊達より小鍋立て
 男の面目を立てるために気張るよりは、差し向かいで睦《むつま》じく食事するほうが得である。つまらぬ意地を張るのは損であることのたとえに用いられます。
男伊達(男達とも書く)──江戸時代、男気があり、強い者をくじき弱い者を助け、信義を重んじ、義のためには命をも惜しまない気風《きつぷ》を誇りましたが、実際には、腕力の強い者や無法の徒でした。ところで、「男の面目を立て通したり、意地や見栄を張ること」より重んじられた「小鍋立て」は、字義通り小鍋を用いて手軽な飲食物を調理すること、また、その料理を食べることで、雑俳『柳多留』に、
なまにえなうちになくなる小なべだて
と、詠《よ》み込まれています。露地の奥の小鍋立て──などといった使われ方をして、親の意に反し、自分の好きな女《ひと》と、露地の奥に、世をしのんで隠れ棲み、小鍋立て、つまり差し向かいの鍋ものなどを楽しみ、ひっそり生きている、そんな印象で、さしずめ織田作の『夫婦《めおと》善哉《ぜんざい》』に出てくる柳吉と芸者上がりの蝶子の世帯を連想させる風景です。「小鍋立て」には不道徳とまでは言わないまでも、あまりおおっぴらにはできない食事風景の匂いがします。
事実、「小鍋立て」は、一家の正規の食事のほかに、随時、食物を煮炊きして食べることを言い、主人夫妻の管理する家の火から分かれて作った食事をするものとして、近年までは不道徳なものとされていました。「男伊達より小鍋立て」は、どうやら、気ばかりよくて、お調子者で、意志の弱い夫に、気の強いしっかり者の女房が言うときのセリフ──といった感じがします。蝶子のセリフと言っても当てはまるようなイメージです。
昔の「小鍋立て」には、どんな鍋が使われたでしょうか。身を粉にして稼いだことのない道楽息子の手許不如意の暮し向きでは、土鍋あたりが適当でしょう。稼ぎはわるくても、親のすねかじり時代に味わった美食趣味で、いっぱしの食い道楽でもあったでしょうから、現実の暮し向きをよそに、材料の吟味にうるさく、あれこれ口をはさんでは、女房にたしなめられる場面も多々あったでしょう。土鍋はこわれやすいものの、値はやすく、しかも、熱のあたりがやわらかく、一度加熱すると熱が逃げにくく、余熱が大きく、現在でも湯豆腐、鍋焼きうどん、寄せ鍋などに重宝されています。
囲炉裏や七輪の上で、コトコト煮込んだ鍋もの。昔から冬は鍋料理が幅をきかせる季節で、寒さが身に沁《し》みる夜に、湯気の立つ鍋を囲んでの夕食は、身も心も暖まってきます。冬になると、台所仕事がつらくなる主婦も、鍋料理なら、材料を洗って準備しておくだけで済みますし、野菜、肉、魚、貝となんでも入れられ、栄養のバランスもとれます。暖かくて、手軽で、しかもおいしい──三拍子揃った鍋料理が、冬の食卓の主役に選ばれたのも、それなりの理由《わけ》があったわけで、たとえ不道徳と言われようと「小鍋立て」が重宝されたのもムリからぬ話です。
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