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食物ことわざ事典25

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:駆けつけ三杯 そろそろ涼風が吹き、夕方、ちょっと肌寒さを覚えるころになると、ほどよくお燗《かん》したお酒の温《ぬく》もり
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駆けつけ三杯
  そろそろ涼風が吹き、夕方、ちょっと肌寒さを覚えるころになると、ほどよくお燗《かん》したお酒の温《ぬく》もりが恋しくなります。ふだん疎遠になっている友の顔を想い出し、ひと晩、銚子を傾けながら、じっくり話してみたい思いに駆《か》られます。
「酒《さけ》は憂《うれ》いを掃《はら》う玉箒《たまははき》」などと、昔の人はうまいことを言っていますが、酒には確かに忘憂の働きがあります。それも心許した友との語らいがあれば、盃をあけるピッチも、おどろくほど早まります。暮から正月にかけて、折に触れ飲む機会が多くなりますが、宴会の席へ、止むを得ぬ打ち合わせや来客などで、遅れて入って行くと、「まあ、駆けつけ三杯」と、お酒を振舞われるのが、日本の酒宴のしきたりになっています。「駆けつけ三杯」というほかに、「今入り三杯」「遅れ三杯」などとも言い、いずれも、酒席に遅れてきたものには、立て続けに三杯飲ませる習慣があり、こうしたときに、このように言って、遅れてきた者に酒を勧めます。こうした習慣にも、調べると、ちゃんとした由緒《ゆいしよ》があります。
武家の酒宴の作法の一つに「式三献《しきさんこん》」という作法がありますが、饗宴で献饌《けんせん》ごとに酒を勧めて乾杯することを三度繰り返します。これは武家の宴には必ず最初につき、これを済ませないと、正式の宴会に入れない約束があります。「駆けつけ三杯」は、この式三献の儀の変型で、式三献は結婚式の三三九度の源流でもあり、主君と家臣の間で肴《さかな》を替えながら三回の盃の応酬をし、その後、食事と酒宴になります。わたしの手許にある『躾方之事《しつけかたのこと》』という有職《ゆうそく》の古書には、式三献の内訳を、次のように記しております。
初献目  引渡
一、初献 梅干 海月《くらげ》 一、二献目 酢 生姜《しようが》 ウチ身 サシミノ事也 一、三献目 塩 生姜 ワタイリ也 右三種ニテ是ヲ一献ト云也
二献目
一、膳部、本膳、二、三、タトヘバ五ツ目迄也、右是ニテ一献
三献目
一、初献目 引渡 一、二献目 餅盛様有 ザフニ 一、三献目 ヒレノ物 吸物
以上、是迄三献ト云、膳部共ニノ事也、物ノ数、九膳有、膳部モ物数イクツ有テモ三膳ニヘウシ、以上、三々九度ノ祝事也
「引渡《ひきわたし》」は、本膳に杯を三つ添えた膳部のこと。「ワタイリ」は腸煎のことで、魚介類のわたにみそまたは塩と酒とを加えて煎り煮にしたもの。江戸時代の有職故実書『貞丈雑記《ていじようざつき》』六に、「腸煎は鯉の腸を煎て盛様《もりよう》は頭と尾ともりて中に腸を盛也。是は料理の時也。内躬《うちみ》には右に生姜左に酢也。腸煎は塩と生姜也」と記されています。想えば、今でもわたくしたちは知らず識らずのうちに、「式三献」そのものではないにしろ、酒宴の儀礼をやっているわけです。
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