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食物ことわざ事典29

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:唐墨 親子 平凡な親から非凡な子どもが生まれることの|たとえ《ヽヽヽ》に用いられます。よく知られていることわざに「鳶《と
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唐墨 親子
 平凡な親から非凡な子どもが生まれることの|たとえ《ヽヽヽ》に用いられます。よく知られていることわざに「鳶《とび》が鷹《たか》を生む」がありますが、時代や地方によって、「雉子《きじ》が鷹《たか》を生《う》んだよう」「百舌《もず》が鷹《たか》を生む」「竹《たけ》の子《こ》の親《おや》まさり」「黒鳥《こくちよう》が白《しろ》い卵《たまご》を生《う》む」とも言いました。カラスミは製品の形から「唐墨」の字をあてていますが、実際に唐の墨を見ますと、よくぞ名付けたと思えるほど似ております。ボラの卵巣の塩干品で、作り方は天明のころ(一七八一〜八八)中国から伝えられました。一説には、カラスミの製法は、トルコ、ギリシャ、エジプトに昔から行われていた魚卵の塩干技術から生まれたものとも言われます。長崎県|樺島《かばしま》のカラスミ作りの名人の話によると、
「ボラは鹿児島の甑島《こしきじま》から熊本の牛深を経て、この野母崎《のもさき》から五島へ魚道をとるとです。カラスミに一番いいのは、ここ野母崎を通ったときのボラのマコ(真子)がよかです。十月から十一月にかけて獲れるとです。長さは八〇センチあっですかね」
昔は樺島でもボラ専門に魚道に網(敷き網)をかけて漁船で引き上げたものだそうです。
「野母崎で獲れるのは約一〇〇〇尾。そのうち三割がはらんだ魚です。足りないから、他地区のを買い付けます。カラスミは歯のあいだでとろっとしたような味、粒子の太さがよか、わるかを決します。通の人だとすぐ分るとですが、鹿児島で十月のはじめに獲れたものは、こますぎる。五島で十一月に獲れたものは、あらすぎる。というように粒子の太さで苦労します。他地区のものを買い付けるときは、現地でボラの腹を割《さ》いて、卵巣(真子)をつぶして舌で味わってみるのです。目で見ても、これだけは分らない。今、うちで野母崎以外のもので使ってるのは、十一月の鹿児島野間池産のものです」
と、名人のよい製品作りにかける話はつづきます。
「カラスミは、ひと月ほど塩漬けして、塩出しして、二〇日ぐらい天日で乾燥します。いちばん苦労するのが乾燥させているとき吹く|はえの風《ヽヽヽヽ》(南の風)です。いっぺんで腐ってしまう。今は冷風乾燥機を使いますが、二時間おきにカラスミを返さなければならんとですから、寝られんのです」
苦労して作ったカラスミ何百万円分もが、天候などのせいでフイになってしまうこともあるそうで、おまけに塩を扱ったり、寒い中での作業で、たいへんきついと言います。昔から野母産のものは、品質が優れていることで有名で、「唐墨親子」ということわざも、実は長崎産で、カラスミがあまりおいしく、親のボラの影が薄いので生まれた言葉です。
カラスミは懐石の八寸には欠かせない珍味で、酒好きはカラスミは酒に……と言いますが、ほんとうは玉露によく合います。包丁など金属製のもので切らず、手で割るか、竹で切るのがよい。刃物では味が変わってしまうからです。
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