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食物ことわざ事典31

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:寒天の煮返し  心太《ところてん》滝みるこゝろすゞやかに 反哺灼《や》けつくような暑さがつづくころになると、食べ物も見る
(单词翻译:双击或拖选)
寒天の煮返し
  心太《ところてん》滝みるこゝろすゞやかに 反哺
灼《や》けつくような暑さがつづくころになると、食べ物も見るからに涼しそうなものがもてはやされます。今の若い人たちにはなじみが薄いかも知れませんが、てん突きと呼ばれる細長い箱の中にすべらせ、ぎゅっと押し出すトコロテンは、江戸時代以来、つい最近まで夏の食べ物として親しまれてきました。
「心太」と書いて、トコロテンと読ませていますが、これは俗字でココロフトと読み、ほんとうは「凝海藻《こるもは》」と書くのだと、平安時代の辞書に見えます。これの食品化はもっと遡《さかのぼ》り、奈良時代には少なくとも僧侶の間では盛んに食べられていましたし、また朝廷でも月々の供御《くご》として用いられていましたので、あるいはトコロテンの食用の歴史は、もっと遡れるかも知れません。
心太はてんぐさと呼ばれる海藻を煮出し、どろっとした液を採って、それを冷やして固めたもので、海藻加工食品として独特のものです。原藻から抽出したものだけに、少し臭味もあり、色もそれほどよくありませんが、江戸時代の風俗を考証、説明した『守貞漫稿《もりさだまんこう》』に、
「心太、ところてんと訓ず、三都とも夏月売[#レ]之、蓋《けだし》京坂心太を晒したるを水飩と号《なづ》く、心太一ケ一文、水飩二文、買て後に砂糖をかけ、或ひは醤油をかけ食[#レ]之。京坂は醤油を用ひず、又哂[#レ]之、乾きたるを寒天と云、煮[#レ]之を水飩と云、江戸は乾物、煮物ともに寒天と云ふ」
とあることからしますと、単なる心太より寒天から製したもののほうが値段が高く、上等のものだったように思われます。原藻から直接煮出し、濾過《ろか》した上澄み液を冷やし固めたトコロテンは、さらに最近まで、少なくとも大正年代くらいまで一部では原始的な手法で行われ、食べられてきましたが、寒天製法の発見は、貯蔵をたやすくし、味覚をいっそうよくし、次第にトコロテンが寒天からつくられるようになりました。
ことわざの「寒天の煮返し」は、見かけだけうまそうで、実際には味がないというたとえに用いられます。トコロテンの九八%は水分で、残りの二%が海藻類の粘液質です。この二%の粘液質だけを残したものが寒天ですから、一〇〇グラムのトコロテンから約二グラムの寒天ができるというわけです。ほとんどが水分で、たんぱく質、糖質は極めて少なく、またほとんど消化しませんので、栄養的価値はまずゼロに等しい──との今日の説は事実であっても、このたとえは寒天の名誉のためにはいささか酷《こく》で、依然として食べ物として珍重されていることは、また別の問題をはらんでいると申せましょう。
寒天は、製法によって天然寒天と化学寒天(工業寒天とも言う)に分けられます。天然寒天は天然の寒気を利用するもので、長野、山梨、岐阜、大阪、京都、神戸などで作られています。
寒天には角寒天のほか、糸寒天、粉末寒天、フレーク状寒天などがあり、一般家庭では角寒天が手に入りやすく、糸寒天は角寒天より弾力性や粘度が強く、値段は多少高くなりますが、腰が強いところから、和菓子屋さんなどでもっぱら利用しています。
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