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食物ことわざ事典38

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:傾城買いの糠味噌汁 ここに言う「傾城」は、遊女のことですが、本来の語意は美女のことで、「傾国」に同じです。中国前漢時代の
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 傾城買いの糠味噌汁
 ここに言う「傾城」は、遊女のことですが、本来の語意は美女のことで、「傾国」に同じです。中国前漢時代の史書『漢書《かんじよ》』外戚伝上に、
「李延年の歌に曰く、北方に佳人あり。絶世にして独り立つ。一たび顧みれば、人の城を傾け、再び顧みれば、人の国を傾く」
と、言うほどの絶世の美女のことです。美女は君主の心を迷わせ、城を傾けさせ、国を亡ぼすこともあったので、一国の運命を傾ける意からたとえて言ったのです。ところが日本の近世には、「大夫《たゆう》」「天神《てんじん》」と呼ばれる上位の遊女を指すのに「傾城」の語を用いるようになり、やがて「遊女」「女郎」の一般的呼び名となりました。近松の浄瑠璃『冥途《めいど》の飛脚』にも、
「傾城に誠なしと世の人申せども、それは皆|僻言《ひがごと》、わけ知らずの詞ぞや、誠も嘘も本一つ」
という用いられ方をしています。
傾城買いをして豪遊する者は、色香に迷って金をムダ使いしますが、家に帰ると糠味噌汁のような粗末な食事をしていると言うのです。わたしにもいささか覚えがありますが、これは遊び人の心理を鋭く衝《つ》いた言葉で、遊ぶ金は全然惜しくないのに、家で食べるものにはゼニ惜しみをする。価値観がまるっきり違うのです。
ぬかみそは米ぬかと食塩と水を混合して作るもので、その床に乳酸菌を繁殖させて、野菜を漬け、漬けた野菜に一種の風味と酸味を与え、特有のまるみのある味を与えるものです。この場合の糠味噌汁は、ふつうのみそ汁も食えない最低の粗食を象徴しています。これはなにも「傾城買い」にかぎったことではなく、外で奢る者は、内ではまことに始末であること。ムダ使いする者は、必要な金すら出し惜しむ心理を嘲笑し、皮肉を浴びせているのです。同類のことわざに「博奕打《ばくちうち》のちぎれ草履《ぞうり》」があり、大金を賭けて勝ち負けを争う博奕打が日々の暮しに欠かせない草履も買い換えずに、千切れた草履を履いている|ありさま《ヽヽヽヽ》をからかっています。一方、「傾城買《けいせいが》いより紙屑買《かみくずが》い」ということわざもあり、傾城買いの果ては破産ですが、紙屑買いの行く先はお金持ちにもなり得る夢があると、みずから慰めております。
ところで「糠味噌汁」のことですが、ことわざの糠味噌汁がぬかみそ入りの汁か、ぬか入りのみそ汁かによって、大いに違ってきます。もしぬかみそ入りの汁だとしたら、食用には適しませんが、ぬか入りのみそ汁でしたら、まんざら捨てたものではありません。『食道楽』の著者村井弦斎は、すでに脚気治療の健康食として「糠入りの味噌汁」を試みて、効果を挙げています。まず新鮮なぬかを炮烙《ほうろく》でザッと炒《い》り、味噌汁に混ぜるだけのもので、病気の軽重によるものの、
「軽い人なら一回に凡《およ》そ二勺位を一日三回ずつ、計六勺ほど。重い病人なら一合|乃至《ないし》一合五勺位食べてもよい。なるべく椀の中へ糠を入れて置いて、熱い味噌汁を注いだ方が美味しい」(『食道楽』糠料理)と、弦斎先生はすすめております。
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