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食物ことわざ事典39

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:下戸の建てた蔵はない いささか酔っぱらって、くだまき気味の上戸の自己弁護のように受け取れます。おそらくこのことわざは、酒
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下戸の建てた蔵はない
 いささか酔っぱらって、くだまき気味の上戸の自己弁護のように受け取れます。おそらくこのことわざは、酒好きの庶民が言い出したものでしょう。通常この句につづけて「御神酒上《おみきあ》がらぬ神《かみ》はなし」と言います。酒も呑まずに酒代を貯めたからといって、蔵を建てるような金持ちになったという話もないじゃありませんか、神様だって大喜びでお酒を召し上がるじゃありませんか。こんなうまいお酒の味も知らないなんて気の毒の極みです──と、上戸は自己弁護をかねて、さかんに下戸をあざけり笑い、大いに気炎をあげます。
これに対し、下戸の方も黙っちゃいません。「上戸《じようご》のつぶした蔵《くら》がある」「上戸《じようご》の蔵《くら》も建《た》ちはせぬ」と、負けずに防戦これつとめますが、世の中には酒呑みの方が多勢で、その上、呑んだ勢いも手伝い、どうも下戸の方は、なんとなく気勢が上がらぬ風情です。
呑ん兵衛の上戸たちは、余勢を駆って、「下戸《げこ》の酒恨《さかうら》み」(下戸は酒を出されてもてなされると恨めしく思う。酒恨みに、恨みに思う人から逆に恨まれることの意の逆恨みをかけています)、「下戸《げこ》の肴荒《さかなあ》らし」(酒を呑めない人は膳の上の肴をかたっぱしから食べ荒らす)、「下戸《げこ》は上戸《じようご》の草履取《ぞうりと》り」(下戸は宴席で、もっぱら介抱役や送り手役にさせられる)などとからかいます。下戸たちも引き下がっちゃおれません。「上戸《じようご》かわいや丸裸《まるはだか》」(衣類を酒代に換えて呑む。酒に財産を使い果たして、すってんてんじゃないか、とあざけっています)、「上戸《じようご》本性違《ほんしようたが》わず」(酔ってくると、本性が現われてきます)と批判しますが、ここでも下戸たちは酔った勢いに、かなわないようです。口争いは果てしがありませんが、「上戸《じようご》は毒《どく》を知《し》らず下戸《げこ》は薬《くすり》を知《し》らず」、酒は呑み過ぎると健康をそこね、財産をなくし、家を滅ぼすものなのに、酒呑みは酒が毒になることに気づかずに酒を呑んでいます。また、酒は血液の循環をよくし、憂いを払い、気分を引き立たせるものなのに、下戸は酒が薬の役をするのも知らずに呑まずにいます。酒はからだをそこなうほど度を過ごすのはいけませんが、ほどよく呑めば、からだのためにもよいものです──どうやら、こんなところに落ち着きそうです。
酒好きの人を上戸、酒の呑めない人を下戸──と、どうして言うのでしょう。一説によれば、そのもとは秦の始皇帝が万里の長城を守る番兵に渡した下給品からきたと言われ、寒い山の上にある長城の門(上戸)を守備する兵には酒を、往来のはげしい平地の門(下戸)の歩哨《ほしよう》には甘い物を渡したところから言われるようになったと言います。一方、同じく始皇帝が作った巨大な建物|咸陽宮《かんようきゆう》の上の方の門を守る人には、寒いので酒呑みを選んで戸を開閉させ、下の方の戸は寒くないので呑まぬ人に守らせたことから、酒呑みを上戸、酒の呑めない者を下戸というようになったとも言われていますが、強《あなが》ちそうでもないようで、一体、酒呑みはその用量の多寡《たか》により、大戸、小戸と言い、それが後世上戸、下戸と変わったもので、おそらく酒呑みが大小の二字を上下に言い換えたものらしいと『酒飯論《しゆはんろん》』には記されています。
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