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食物ことわざ事典47

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:菎蒻と学者は田舎がよい『守貞漫稿《もりさだまんこう》』という随筆本に、「京坂にては一つ二文、江戸にては八文。又京坂の諺《
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菎蒻と学者は田舎がよい

『守貞漫稿《もりさだまんこう》』という随筆本に、
「京坂にては一つ二文、江戸にては八文。又京坂の諺《ことわざ》に『坊主と菎蒻《こんにやく》は田舎に良し』と言ふ事あり、凡《およ》そ三都より他製に美あり」
と見えていますが、「菎蒻と学者は田舎がよい」とも言います。こんにゃく好きは「不器量な物ほど味がある」と、田舎こんにゃくを珍重します。こんにゃくは確かに都会で売られている石灰で晒《さら》した白くて水っぽいものより、黒ずんで見かけはよくありませんが、弾力のあるもののほうが、風味があってうまい。同じように、世間ずれした都会の学者より、田舎の学者のほうが生真面目で、内容のある人物が多い──そんな意味で、田舎礼賛のことばとして、このことわざはよく使われます。
学者のほうは、しばらく措《お》くとして、田舎こんにゃくについては、わたしも賛成です。関東では下仁田《しもにた》と鹿沼《かぬま》のこんにゃくが評判がよいようですが、わたしの味わった鹿沼のこんにゃくは、全体に黒ずんでいて、ぶつぶつがいっぱいあり、プリプリと口の中ではずむような都会のこんにゃくとちがって、さくさくした感じ。そして、こんにゃく特有のかわいた匂いがほのかにします。鹿沼のは熱湯でゆで、しょうがじょうゆにつけるだけで、なんとも言えないうまさがあり、みそ田楽で食べる味もまた忘れられません。
うまさの秘密は、ほとんど手作りであること。そして粉からではなく、生玉《きだま》から作ることから来ています。ふだん、わたしたちが食べるこんにゃくは、こんにゃく玉を乾燥させて製粉したものから作っています。粉から作ったものは、あの黒いつぶつぶ(こんにゃくの表皮)がないので、業者によっては海藻を混ぜて作るものもいるというので、黒いからと言って、ふるさとの味──と、感激ばかりしてもおれません。
こんにゃくの成分は水分が約九七%、残り約三%の大部分がグルコマンナンで、人間の分泌する唾液や胃液、そのほかどんな消化液でも消化不可能で、そのまま胃から腸に入り、腸では細菌の力で八〇%以上消化されますが、カロリーは明らかでないようです。よくこんにゃくは毒にも薬にもならないもののように言われますが、なるほど栄養的にはカルシウムが少しあるだけです。では、嗜好品かと言うと、そうとばかりは言えないようです。
昔の人は働き過ぎて精根が尽きたら、コンの付く野菜を食べたらいいとすすめ、「大根、蓮根、昆布、牛蒡《ごぼう》、菎蒻」などを食べました。こんにゃくは胃に負担をかけない食べ物で、腸にやわらかい刺激を与えて便通をよくし、あの吸着性が知らない間に胃腸壁に密着した老廃物を除いて、次に来る食べ物の栄養吸収率をよくする、俗に言う「菎蒻《こんにやく》は体《からだ》の砂払《すなはら》い」をしてくれる健康増進食です。また、こんにゃくはアルカリ性食品で、血液の酸性化の防止、動脈硬化や肝硬変の予防という大事な役目もしてくれます。したがって、肉食の好きな人や慢性の病気を持った人、太り過ぎの気になる人などは、ときどきこんにゃくを食べることが必要でしょう。
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