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食物ことわざ事典57

时间: 2020-01-12    进入日语论坛
核心提示:湿り茶臼に鮓の押 重いもののたとえです。茶の湯に欠かせぬものに抹茶があり、その抹茶を作るのに欠かせないのが茶臼です。茶臼
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湿り茶臼に鮓の押

 重いもののたとえです。
茶の湯に欠かせぬものに抹茶があり、その抹茶を作るのに欠かせないのが茶臼です。茶臼は宋代の中国で発達した微粉砕用具で、宋に学んだ禅宗の高僧たちが、それを日本へ持ち帰りました。宋の詩人で、書家としても名高い黄山谷の詩に、「磑《がい》を落つること霏霏《ひひ》として雪も如《し》かず」──とありますのは、茶臼から抹茶の微粉末が雪のように散る|さま《ヽヽ》を形容しています。
茶臼は下臼の真ん中に心棒が立っており、上臼の真ん中に、その心棒の通る穴があります。この穴に抹茶のもとになる「碾茶《てんちや》」が入り、心棒の回りを降りて、両臼の間に入って、粉になって外に送り出されます。外へ送り出すために、臼の面には、細い溝が掘ってあります。
「茶の葉を石の面で全面的に磨《す》りつぶしてはいかん。石の面でつぶすと、葉緑素が摩擦熱で焼けて、茶の味がこわれてしまう。茶の葉と葉が摺《す》れ合って、粉になるようにせんとダメだ」
とは、茶臼造りの名人の話。臼の回転は確かに抹茶の品質に密接な関係をもっており、さらに、回転数は臼のある部屋の温度や湿度とに関係します。それは何十キロという重みのある石が磨れ合うために、摩擦熱が出ます。そのために茶が焼けてしまうからです。もし石臼が湿気を帯びていますと、挽《ひ》くとき、茶の葉が生葉のような状態にもどりますので、非常に重くなり、とても挽きにくくなります。抹茶だから細かくすればいいというものではありません。あまり細かすぎますと、室内の水分を吸収してしまい、抹茶の味が水っぽくなってしまいます。抹茶の風味の変化は鋭く微妙で、ふつうの緑茶とちがい、茶の葉そのものを飲むために、粒子の大きさ、形などがお茶の風味を左右することになります。それゆえ、完全な微粉にせずに、ある程度の粒子、それも単に丸いものでなく、磨りつぶした粒子ということになります。
ですから粉にしたら放っておいてはいけません。空気に触れると香りを失い、酸化しやすくなります。冷凍室に入れたり、窒素封入などで、多少保存性はのばせるものの、挽きたてには遠く及びません。ほんとうの通が挽きたての抹茶を珍重するゆえんです。第一茶臼から出る抹茶は、新緑の緑そのものの色です。また、風味と言い、泡と言い、点《た》て具合と言い、インスタント粉末の到底及ぶところではありません。
一方の鮓は日本料理の中でも、もっともなじみの深い食べ物で、種類も多く、もともとは飯を加えずに魚介肉を塩圧《しおお》ししたものです。押しているうちに、和熟して自然に酸味が生じたので鮓と呼ばれました。その後、米・粟などでんぷん質のものをいっしょに漬け込み、自然発酵して生じた乳酸の酸味で腐敗をおさえた一種の貯蔵食品でした。熟鮓《なれずし》がその祖型で、滋賀県のフナ鮓は、そのもっとも代表的な熟鮓でした。
こうしたことから「湿り茶臼に鮓の押」は、重いもののたとえにされましたが、昔の人たちは、このほか、お局《つぼね》の乗物、不精者の立居、笠の雪なども、重いものに数えていました。
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