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食物ことわざ事典61

时间: 2020-01-12    进入日语论坛
核心提示:師走鰈に宿貸すな師走(陰暦十二月)のカレイは、うまくないから買わないほうがよい──ということわざ。「宿貸すな」は、買うな
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師走鰈に宿貸すな

師走(陰暦十二月)のカレイは、うまくないから買わないほうがよい──ということわざ。「宿貸すな」は、買うなということ。主に山口県辺りで言い伝えられてきたもので、同地方では、「師走《しわす》馬喰《ばくろう》に宿貸《やどか》すな」ということわざもあります。師走には、牛馬の取引きが少なく、馬喰の懐具合がさみしいことを指しています。
さて、ほんとうに師走ガレイは食べるに価しないまずさでしょうか。師走に山口県地方で獲れるカレイが、どの種のカレイかハッキリしませんので、確定的なことは言えません。
それと言うのも、カレイは非常に種類が多く、獲れる場所、種類によって、食べざかりのしゅんがちがうからです。例えば、大分県|日出《ひじ》の、俗に「城下《しろした》ガレイ」と言われるマコガレイは、菜の花の咲くころから獲れだし、しゅんは野ばらが咲き乱れるころ──だと土地の人は言います。同じマコガレイでも東北地方になると、しゅんは雪が降らないとやって来ません。
江戸前の最たるものとして評判だったイシガレイにしても、しゅんは二月から四月ころまでと言う人があるかと思うと、夏場がしゅんだという専門家もおります。
総じて魚介類のしゅんは産卵期と関係があると言われ、多くの魚は産卵以前が美味で、産卵後は極端に味が落ちると考えられています。俗に寒ブリ、寒ボラ、寒ブナなどと言われるものは、この例で、また、イワシ・コノシロ・キス・シラウオ・カマスなど、数多くの魚はこの部類に属し、春、産卵するものは、産卵前の冬が美味です。
一方、マスやトビウオ・サワラ・ホウボウなどのように、夏産卵するものは確かに春がおいしく、アユ・スズキ・チダイ・アイナメのように秋産卵するものは、夏場がしゅんの食べごろとなっています。かと言って、すべての魚がそうだとはかぎらず、ドジョウやハモ・イシナギ・タカベ・アジ・カツオ・カワハギなどのように、産卵期と食べごろのしゅんが一致している魚もかなりあり、産卵期の夏場がもっともうまいシーズンです。これは、春から夏にかけて餌が豊富で、また生活環境も調《ととの》ってよくなり、従って魚たちの栄養状態もよくなり、味がしゅんに向かうためと思われます。しかし、以上の魚でも、産卵直後はおしなべてまずく、ただ味の回復が著しく早いと言うにすぎません。夏以外にしゅんと産卵期が一致する魚としては、少数派に属するものの、ワカサギ・サヨリ・メバチ・ビンナガ・イイダコなどは春。サンマ・バショウカジキなどは秋。サケ・カワマス・ボラ・タラ・スケトウダラ・マツカワガレイなどは冬──といった具合に、産卵期としゅんが同時のものもあります。
要約すれば、魚類は産卵前か産卵期が美味の季節であって、産卵前にしゅんのものは冬に多く、産卵期にしゅんを有するものは夏に多い──ということができます。こうした法則から推せば、山口辺の師走ガレイがどんなものであったか、うまいかまずいかは、おおよそ判定できそうです。
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