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食物ことわざ事典70

时间: 2020-01-12    进入日语论坛
核心提示:出汁の味見に醤油 お湯に溶かすだけで、カツオのだしも、トリや牛肉のスープも出来上がり──こんな手軽さが受けて、即席のだし
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出汁の味見に醤油

 お湯に溶かすだけで、カツオのだしも、トリや牛肉のスープも出来上がり──こんな手軽さが受けて、即席のだし類は、家庭の台所を占領しつつあります。かつてあんなに使ったカツオ節も、だんだんパックの削り節になってしまいました。カツオ節(わたしなどはカツブシとつづめて言ったほうがピッタリする)は、お祝いのお返しにいただく場合が多く、昔もそれほど買いませんでした。今はパックのほうを多くいただくし、それに削るのも面倒、もう化学調味料のほうがうまい──なんて言われる世の中になって、「出汁の味見に醤油」ということわざも、よほどの方でないかぎり、ご存知ないかも知れません。
古くから、専門の料理人の中には、だしを取るとき、小皿にだしを少し入れ、これに上等の濃口じょうゆを一、二滴垂らして飲んでみる人がいました。こうしますと、だしがよく取れているかどうかが、はっきり分るからです。ふつう、取っただしだけを口にふくんでみても、それがよく取れているかどうか、それほどはっきり分りません。味の差が微妙で、これにしょうゆを少し加えると、味のよしあしの差が際立ってきて、はっきり見分けがつくようになります。結果として、だしがよく取れているかどうかの見極めがつくのです。
では、どうして、しょうゆの一、二滴で、こういう識別が出来るのでしょう? これはしょうゆの中にある塩分と、アミノ酸やその他の窒素を含んだ成分によるもので、ふつう濃口じょうゆには、一八%近くの塩分が含まれ、一方のだしの材料には、こんぶには主としてグルタミン酸が、カツオ節にはイノシン酸がうまい成分として含まれています。だしを取ると、これらの成分が溶けて出てきます。グルタミン酸やイノシン酸は、それだけでもうま味をもっていますが、これに塩分が加わると、ぐっと味が強調されます。化学調味料にも、グルタミン酸やイノシン酸が使われていますが、これだけを水に溶かしたものより食塩を少し加えたもののほうが、味がぐんと強くなります。
こういった二つ以上の味が合わさると、味が強くなる働きを、味の相乗効果──と呼んでいますが、だしの味見をするときも、同じ理屈で、しょうゆを加えると、その中の塩分によって、だしの味が強められます。そればかりか、しょうゆの中には、いろいろな窒素化合物があり、アミノ酸をはじめとするこれらの成分は、グルタミン酸やイノシン酸に対して、たいへん強い味の相乗効果をもっています。つまり、しょうゆはだしの成分に対して、二つの大きな味の相乗効果をもっているというわけです。そのため、取っただしの味が強く拡大され、そのよさや欠点が、味覚にはっきりと分るようになるのです。わたくしたちの祖先は、こうした原理を知らないときから、体験的に、おすましにほんのちょっとしょうゆを加えておいしくすることを知っていました。
お清汁《すまし》の熱きも涼し普茶料理 寿江
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