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食物ことわざ事典71

时间: 2020-01-12    进入日语论坛
核心提示:縦に裂けるきのこは食べられる?きのこは秋だけのものではありませんが、茸狩りは栗拾い同様、日本人に古くから親しまれてきた秋
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縦に裂けるきのこは食べられる?
きのこは秋だけのものではありませんが、茸狩りは栗拾い同様、日本人に古くから親しまれてきた秋の行楽。夏がすんで、逸《いち》早く姿を見せるはつたけは、きのこ好きのひとにとっては、まさに茸狩りシーズンの到来を告げる使者のようです。防砂林の海辺の松林から里山の松林にも生え、気品のある色と風味は、日本人の嗜好にぴったりで、まつたけ、しめじに次いで、広く親しまれています。ただし、はつたけは傷がつくと、血紅色の液がにじみ出てきて、それが空気に触れると青藍色に変わる性質があり、ひとによっては、いかにも毒々しく、気味わるがりますが、きのこ好きのひとには、アバタもエクボ、それがかえって魅力にもなるようで、はつたけを見分ける大事な特徴ともなっています。
困ったことに、きのこには美味なものが数多くある一方、食用きのこにまじって生えてくるまぎらわしい毒きのこの数もまた非常に多いのです。例年、毒きのこによる中毒事件が、数はそれほど多くないものの、新聞に出ないことはないし、ときには「毒きのこで踊り出す」といった調子の見出しで、わらいたけやおおわらいたけの中毒が記事となって現われます。この種のきのこを誤って食べると、大脳に一時的な障害を起こして患者は非常に陽気になり、ふだん無口なひとも歌い踊ると言われます。しかし、軽い場合には、症状の回復が案外に早いらしく、竜宮城に行ったみたいだから、もう一度食べてもいいと言う変わったひともおるくらいです。
これに対して、てんぐたけとべにてんぐたけの中毒症状はかなりひどく、神経中枢が興奮につづいて麻痺すると、発汗、よだれ、吐き気、下痢などを起こし、うわごとを言い、ときにはけいれんを起こし、もちろん重症ですと、呼吸ができなくなって死んでしまいます。
毒きのこの見分け方については、昔からいろいろなことが言われ、例えばこのことわざのように「縦に裂けるきのこは食べられる」とか、「色の美しいきのこは毒」とか、「悪臭を持つきのこは毒」「虫の食いあとのあるきのこは食べられる」といった、しろうと鑑別法、つまり俗説があります。ムスカリンを多量に含むとされるあせたけは、よく縦に裂けますので、安心して食べ、中毒者を多く出すきのこの一つです。このほか、つきよたけ、いっぽんしめじ、おおわらいたけなどは、毒きのこなのに、縦に裂けます。一方、たまごたけ、べにやまたけ、あかやまたけ、あおろうじ、むらさきしめじ、こがねたけなどは、色が美しいのに、食べることのできるきのこです。悪臭を持つきのこには、むしろ有毒なものが少なく、きぬがさたけなどは匂いはわるいものの、干したものは値段が高く、多くのひとに歓迎されています。ことほど左様に、毒きのこ鑑別法について、従来言われていることは、ほとんどあてになりません。きのこの本とか図鑑をよく見て、一つでも多くのきのこを楽しみながら覚え、まぎらわしいものは口にしないことです。
杣《そま》の言ふ菌《きのこ》の名こそいぶかしき 星眼
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