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食物ことわざ事典97

时间: 2020-01-12    进入日语论坛
核心提示:糠味噌女房 糠味噌女房とは、ぬかみその手入れに代表される家事を取り仕切る妻の、内助の功を謙遜して言い表したことばです。中
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糠味噌女房
 糠味噌女房とは、ぬかみその手入れに代表される家事を取り仕切る妻の、内助の功を謙遜して言い表したことばです。中国にも「糟糠《そうこう》の妻《つま》」といった表現があり、多少ニュアンスは異なるものの、同じような意味をもったことばと言えましょう。
昔はどこの家にも先祖から伝えられたぬかみそがありました。虚子の句にも、「沢庵《たくあん》や家の掟《おきて》の塩加減」といった秀句があり、おばあさんからおかあさんへ、おかあさんからむすめへと家伝の味が引き継がれてきました。質素な一汁一菜の食生活の中で、ぬかみそ漬けの占める位置は高く、「漬物賞《つけものほ》めれば嬶賞《かかほ》める」ということわざもあるくらいで、現代人が考えるより「糠味噌女房」と呼ばれるのは、名誉なことだったようです。
「ぬかみそくささ」というのと、モダンリビングのイメージが合わない──とでも言うのでしょう、あのにおいがなんともがまんができないと、手づくりのぬかみそを敬遠する家庭が増え、よしんばぬかみそを作ったにせよ、漬けものの出し入れ、攪拌《かくはん》に菜箸やゴム手袋を使うという若い奥様もいる当世。にもかかわらず、色よく漬かったなすや古漬けの大根にかぎりない魅力を感じるのは、日本人の通有性と言うものではないでしょうか。ぬかみそは確かに日本の家庭のなにかを象徴しているところがあり、そこが、ただぬかみそくささゆえに捨て切れぬゆえんであろうと思われます。
お香々、香のもの──とも言われるように、独特の香りのよさが、ぬかみそ漬けのうまさの根源でありましょう。この風味は、米のめしと日本茶を好む日本人には、まさに泣きどころと申すべき味覚にちがいありません。これは塩とぬかで作られるぬか床が、食用微生物の細菌や酵母の繁殖によって熟成し、酸やアルコールを生じ、それが芳香エステルに変化して、漬けこまれた材料に香りのよさを移します。また、ぬかの中にふくまれるたんぱく質を分解してアミノ酸とし、その味のよさが材料に浸み込むわけです。それに加えて、季節の野菜の彩りの美しさ、歯ごたえも断ちがたい魅力の一つです。
とは言え、ぬかみそはなんと舞台裏の苦労の多い漬けものでしょう。ぬか床の熟成の主役となる乳酸菌は、かなりの気むずかし屋。常にぬか床は乳酸菌の発育に必要な環境をととのえるよう、心づかいが大切です。これを怠ると、ぬか床の中の乳酸菌と酪酸菌、酵母、雑菌などのバランスがくずれ、酸味が強くなりすぎたり、例のぬかみそくさいと言われる悪臭を放つようになってしまいます。
ともかく、マメにかき混ぜること、清潔に保つことが絶対に必要で、文字通り、ぬか床に手を入れ、手入れを怠らぬことが、不可欠の条件です。
ぬかみそ作りとは、それほど、気配りと心づかいを要求される仕事なのです。ぬかみその味は、その家の主婦の人柄を示すもの──という評価は、あながち言い過ぎではありません。
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