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食物ことわざ事典202

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:月とスッポン 月の丸いのとスッポンの丸いのを|もと《ヽヽ》に、くらべものにならないものを、くらべた|たとえ《ヽヽヽ》。一
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月とスッポン

 月の丸いのとスッポンの丸いのを|もと《ヽヽ》に、くらべものにならないものを、くらべた|たとえ《ヽヽヽ》。一説によれば、「月と朱盆《しゆぼん》」ということわざが転訛《てんか》したものだと言います。
朱盆は朱塗りの赤い丸いお盆で、月との取合わせは、形のうえからもきわめて自然で、こういうことわざが、このままの形で生まれたということには疑問の余地がありません。また「朱盆」「スッポン」に誤られるということは、音の転訛のうえからはありそうなことです。
スッポンは背のやわらかい淡水産のカメで、関西ではむかしからマルの名で呼び、親しんできました。マルというのは、スッポンの甲羅がほかのカメのように六角ではなく、ほぼ円形をしているところから生まれたのでしょう。今でこそスッポンはすべての食品中のトップに位しもっぱら高級料理店で扱われる高級料理のように思われていますが、江戸時代にはウナギとともに卑《いや》しんだふうがあり、古川柳にも「スッポンの味鰻とはお月さま」と詠まれ、庶民大衆の手近で、安直な薬喰い(スタミナ食)の一つでした。それというのも、天然産のスッポンが身近なところで、たくさん獲《と》れたからでしょう。
有名な中国の料理書『随園食単《ずいえんしよくたん》』には、スッポンの料理法がいろいろ記されていますが、江戸時代には羮《あつもの》にしたり、煮つけにして賞味したようです。ただし、中国式に油で炒《いた》めるようなしかたではなく、|みょうが《ヽヽヽヽ》または|せり《ヽヽ》を添え、塩としょうゆで調味し、香辛料にはもっぱらおろししょうがが用いられました。
有名な京のスッポン料理屋大市の「マルなべ」は、楽焼の大きな厚い土なべに、スッポンの骨つきぶつ切り肉がたっぷりの汁で煮込まれ、客室に持ち出されても余熱で二〇分ぐらいグツグツ煮えています。これはコークスをたいて八、九〇〇度Cの高熱で厚い土なべを熱したためで、煮汁は伏見の酒家で特別に吟醸した日本酒とスッポンから出る出汁《だし》を、淡口しょうゆとおろししょうがをしぼり込んで引き締め、甘からず辛からず、滋養そのものといった味です。肉の切り身はマッチ箱ほどに切ってあり、ふつうの鶏肉のような固いところは少しもないので、歯の弱いお年寄りにも結構食べられます。形や味や舌ざわりは、やわらかい鶏肉のようなところもあるし、鶏の脂身のかたまりのようなところもあります。三つ又になった骨に、肉のついた部分や脂肪のかたまりがありますが、これは肩のあたりや手の付け根の部分で、「みつぼね」と称して、とりわけおいしいところです。肝も鶏の肝に似ていて卵も鶏卵を思わせる味です。しかし、「マルなべ」で賞味に値いするのは、肉や卵よりも煮汁で、これがとびきりおいしい。
肉と汁を食べ終わると、いったんなべを引き上げ、こんどは、前と同じような切り身と餅のはいった雑炊に、鶏卵を落としたなべが運ばれてきます。「マルなべ」は淡白な味わいのようでありながら、その実、脂っ濃い料理なので、食べたときは一応堪能しますが、しばらくすると、また食べたくなります。その点、あと引く味と申せましょう。
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