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食物ことわざ事典204

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:漬物賞めれば嬶賞める 漬けもの上手は所帯持ち上手。よそのお宅で夕食でも出されたら、なによりもまず漬けものをほめること。そ
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漬物賞めれば嬶賞める

 漬けもの上手は所帯持ち上手。よそのお宅で夕食でも出されたら、なによりもまず漬けものをほめること。それは間接的にではありますが、その家の細君を賞めたことになります。賞めるほどの味でなかったら、そこはなんとかつくろって、色がきれいだとか、盛りつけが上手だとか、塩なれがいいとか……とにかく漬けものを賞めること。お銚子の一本ぐらい追加してくれること請合《うけあい》です。それというのも、むかしから「漬けものの味は、その家の主婦、嫁の人柄を示すもの」と言われ、その家の性格を示す物指《ものさし》といえるものだったからです。
ところで、日本の漬けものはいつごろからはじまったか——ということになると不確かで、古い記録によると、いまから二〇〇〇年も前、景行天皇の御代にすでに塩漬けによる食品の保存が行なわれていた、と言われますから古いものです。これが奈良時代になると、漬けものが日常の食品化していることは疑うべくもありません。塩でなす・うり・ももなどを漬けて僧侶の食用としていたことが記録に明らかだし、平安朝時代になると、重要な副食となり『延喜式《えんぎしき》』には、春にはわらび・なずな・せり・いたどり・ふき・にら・ひるなどがあり、秋にはうり・なす・たで・みょうが・かぶ・おうね・かき・なしなどの野菜や果物があって、これらのいずれもが塩漬けを初めとして、|※[#「くさかんむり/爼」]《にらぎ》漬、滓《かす》漬(酒の粕漬け)、醤《ひしお》漬(みそ漬け)などに用いられて、漬けものの範囲も、非常に多くなっています。しかし大根の糠《ぬか》漬けはまだ現われていません。平安朝も後期の後冷泉帝の御代(一〇四六—一〇六八)になると、藤原|明衡《あきひら》の著書『新猿楽記』のうちに、食通の女の事が記され、そのうちに「香疾大根」という一項があります。香りのよい大根のことで、ここではじめて、後年香の物の代表のごとく称せられる漬大根が、ようやく、正体を現わしています。もちろん当時は、まだ香の物とは呼んでいません。上方でいう「おこうこ」江戸でいう「おしんこ」は、ともに大根漬けを意味しますが、香の物、必ずしも大根に限ったものではなく、野菜やくだものなどを塩、糠、みそ、酒粕、麹《こうじ》、みりん、酢、しょうゆ、芥子などに漬けたものの呼び名です。
それはさておき、戦後、パン食の普及により、「漬けもの」ということばも、古めかしい|ひびき《ヽヽヽ》をもつようになりましたが、日本人の食卓にごはんがなくならないかぎり、朝の食卓、夕餉《ゆうげ》の膳に、欠かすことのできない副食として生き続けることでしょう。現に自家製の漬けものが少なくなったとは言え、販売用の漬けものは、年ごとに生産が伸びていると聞きます。年をとり、いろいろなごちそうにあきたとき、漬けものにごはん、漬けものでお茶漬けが食べたくなるのは、私たち日本人の体質のようです。数ある料理の中でも、漬けものほど愛情を感じさせるものはありません。それは漬けものが生きものだからで、魚鳥の料理よりもなおいっそう心をこめて作らなければ、おいしくはできないものだからでしょう。
甘漬の味出て来たり春浅き 游歩
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