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食物ことわざ事典209

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:土産土法 食生活の基準方式を示したことばで、その土地に産するものを、その土地の方法によって処理するの意です。むかしから「
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土産土法

 食生活の基準方式を示したことばで、その土地に産するものを、その土地の方法によって処理するの意です。むかしから「身土不二《しんどふに》」ということも言われてきました。たとえどんな地域にあっても、その地に生存するものは、その地に適するのが自然の理法で、人間の場合には、俗にこれを「水に合う」というような言い方で表現しています。その土地にうまく適合して生きていくためには、その土地、そこに住む人たちにピッタリした食糧が、その土地において生産される——つまり土産です。自然の気候風土に応じた土産は、その地域に住む人間が、自然の気候風土に適応した方法で処理する——すなわち土法です。手っとり早く言えば、青森のリンゴをベトナムで食べたり、エクアドルや台湾のバナナを日本で食べるのは正しい食ではないという意味です。本山荻舟翁などは「土産は空間的であり、土法は時間的である。空間と時間とが交錯融合することによって、最も自然な合理的な食生活は営まれるというのがこの説の根拠」だという見方をし、「具体的には現住する地点を中心として幾重にも環状線を描き、最も近い圏内に生産する資材を求めて、これに適応する調理を行うのが最善で、第一圏内に求め難い場合には、やむを得ず第二圏内或は第三圏内と、順次に遠きに及ぶのは妨げないが、根本方則を破って一足飛びに遠来を求めることの不合理」を、指摘しております。
日本の食生活の現状はどうでしょう。近年のわが国の食糧消費の増大と、その質的な変化は世界的に見ても、きわめて異常だと言われ、農産物輸入額は総輸入額の四分の一を占め、日本は世界第五位の食糧輸入国になっています。食糧の自給率は八年前の一九六〇年には八七%だったものが五年後の六五年には七六%になり、現在はさらに低下しております。なかでも大豆は九割以上、小麦は七割以上を輸入にたよっています。また、ごく最近では、需要拡大の激しい作物のうち、野菜を別として、畜産物や果実の輸入が急激に増大しております。まさに、土産土法・身土不二に反する現状で、長寿博士といわれる近藤正二先生の調べによれば、いわゆる文化的な食品や近代的な農業経営の波をかぶって、長寿者が、かえって減っているところも少なくないそうです。
たとえば、広島県尾道市に近い瀬戸内海に浮かぶ向島《むかいしま》の立花地区。昭和二十八年、長寿者率一〇%(当時の全国平均の三倍以上)で、博士から「日本一の長寿村」の折紙をつけられた土地です。そのころまでは、段々畑でとれるさつまいもと麦、おかずは家の庭いっぱいに作ったにんじん、かぼちゃ、各種の野菜、海からとってくる海草、小魚類。当時は九〇歳以上の「大どしより」が一一人もいたのに、現在は、たったふたりいるだけ。長寿者率も八・五%に減ってしまいました。「大きな原因は食生活の変化」だと、博士は分析しています。政治家や料理の専門家も、カロリーやビタミンや舌先三寸の味のことばかりでなく、特定の風土や家庭に伝えられてきた食べものや料理の数々を、土産土法の観点から今いちど見直す必要があります。
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