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食物ことわざ事典219

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:塗り箸でナマコをはさむ すべりのよい塗り箸で、ぬるぬるしたナマコをはさもうとしても、滑り落ちてしまうので、物事のなしがた
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塗り箸でナマコをはさむ

 すべりのよい塗り箸で、ぬるぬるしたナマコをはさもうとしても、滑り落ちてしまうので、物事のなしがたい|たとえ《ヽヽヽ》に用います。
同じようなことわざに「塗り箸で素麺を食う」「塗り箸でとろろ」「塗り箸でウナギをはさむ」などがありますが、いずれもバカげた骨折りを笑っています。
ところで、お客さまを招いて、ごちそうするとき、これに類した|あやまち《ヽヽヽヽ》を、なんの気なしに冒《おか》してはいないでしょうか? 「塗り箸で素麺」などは、案外、知らずにやっているかも知れません。お箸にかぎらずお客さまに余計な負担をかけることは、おもてなしのこころに反します。箸にかぎって言えば、あらかじめ、滑らない箸、たとえば杉の割箸(利休箸)などを用意しておかれると、ホステス(主婦)の心遣いの細やかさがうかがえ、出される料理もおいしいにちがいありません。こうしたことも、下ごしらえのうちといえましょう。
そうめん以外にも、たとえば、つまみづらいアワビやタコ、イカなどの刺身を、へぎ作りの要領で切りおろすときに、包丁の刃を波状に動かし、小波《さざなみ》作りにするのも、こうすれば、すべりやすいアワビやイカも、切り肌に細かな段がついたおかげで、盛りつけしやすく、箸で取りやすくなるばかりか、つけじょうゆもつけやすくなります。また、かみにくいイカなど、かくし包丁(かくし刃)を入れておけば、食べやすくなります。すべて、料理にたいせつなことは、食べる人へのこうした�細かな思いやり�です。
ナマコはウニやヒトデと同じ棘皮動物ナマコ類の総称で、種類は五〇〇種に及ぶと言われます。食用に供されるのはマナマコで、からだの大きさは四〇センチくらいです。からだは円筒状をしていて、腹面に三列の管足があり、口の回りには多くの触手があります。どちらが頭とも判別できず、目もなく、触手で泥をかき集めては、その中の微生物を食べます。外観はまことにグロテスクな形をしていて、だれでもよくいうことですが、この外観を見たら、確かにナマコを初めて食べた人は、よほど度胸のあった人だと思います。
夏の間、ナマコは深いところで食物をとらずに夏眠をしていますが、秋になると眠りからさめて浅海に移り、冬の昼間、海底をはい回って食物を漁ります。漁期は秋から冬にかけてで、味も初冬のころからのりはじめ、ゆずの香りと相性がよく、俗に「冬至ナマコ」と言われる季節になると、特有の風味を生じます。寒中のしゅんにあるナマコを俎上にのせ、柳葉包丁でタテに一線さっと引くと、「海鼠裂くなまこの水の盛り上り さつき」というように、腹いっぱいにつまった海水が、ワタといっしょにどっと溢れ出ます。ワタを小鉢に移して、小口から細く包丁して、黄ゆずの二杯酢で食べると、天然の美味に、おもわずノドが鳴ります。
ナマコはいちど味をおぼえると、こりこりする歯あたり、ちょっぴりクセのある青臭味も、さして気にならず、寒の訪れが待遠しくなるほどのうま味を蔵しています。
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