配給米はまずい——と言ってしまうことはいたって簡単なことです。確かにお米の管理制度には、品質や保存の点で、今日いろいろ問題が出てきております。しかし、お米の品質低下をウンヌンする前に、お米に対して正しい取扱い方をしているかどうか、反省してみる必要があります。
電気炊飯器などなかった二《ふた》むかし前までは、どこの家でも、まきや柴、ガスなどを燃料として、大きな鉄釜で、ごはん炊きをしていました。こうした燃料を使ってのごはん炊きには、「はじめちょろちょろ 中ぱっぱ 吹きはじめたら 火を引いて 赤子泣くとも 蓋《ふた》取るな」——という火かげんが、ごはん炊きの理想の火かげんでした。前の晩にタイムスイッチさえ合わせておけば、自動的にごはんが炊けている便利な世の中になった当節では、こうした火かげんも、さのみ問題にならなくなっています。電気炊飯器なら、「強飯《こわめし》ができ粥《かゆ》ができ」といったむかしのごはん炊きのようにムラはありませんが、味わいの点で、いま一つ欠けるような気がします。そこで、電気炊飯器を使って、おいしいごはんに仕上げるコツをご伝授しましょう。
まずよいお米を選ぶこと——ですが、自主流通米の中から産地、銘柄によるおいしいお米を選ぶことができます。しかし、こうしたお米でも味を左右するものがあります。それは乾燥度。乾燥が十分なお米は貯蔵中に、味が変わることが少ないからで、米びつは、なるべく乾燥させ、時には空《から》にして日光に当てることが必要です。
お米をとぐとき、あまり力を入れてごしごしやると粉米になるので、|とぐ《ヽヽ》というよりは洗うという気持ちで、浮いたゴミをとることに目標を置き、多少の濁りは気にせず、ある程度澄んだら切り上げます。|ぬかくさく《ヽヽヽヽヽ》しないためには、手早くとぐこと。
火にかける前に、お米は十分水を吸収していることが必要で、新、旧米の別によって水にひたす時間も異なりますが、夏場なら三〇分から四五分、冬は二時間ぐらいが適当です。水かげんには一応の基準というものがあり、米の乾燥度によって増減しますが、水の分量は日々の体験によるカンを生かしましょう。
ところで肝心の炊飯器ですが、アルミ製のふたは軽すぎ、沸騰してくると動きやすく、必要な水分まで発散させすぎるキライがあるので、最近はこの欠陥を改良した完全密封の圧力式炊飯器になっています。これだと、マアマア合格点のおいしいごはんが炊けます。炊き上がったごはんを炊飯器のまま食卓に出すご家庭が多いようですが、こうすると、ふた裏に溜った水滴が落ちて、ごはんが水っぽくなり、夏場には早く腐る原因ともなります。十分|むらし《ヽヽヽ》てから、よく乾いたおひつにごはんをほぐしながら移し替え、乾いたふきんをかけておくと、ごはんに香りやつやが出て、口当たりがよくなります。おひつやふきんが余分な水分を吸収しごはんを|しっくり《ヽヽヽヽ》落ちつかせるからです。
電気炊飯器などなかった二《ふた》むかし前までは、どこの家でも、まきや柴、ガスなどを燃料として、大きな鉄釜で、ごはん炊きをしていました。こうした燃料を使ってのごはん炊きには、「はじめちょろちょろ 中ぱっぱ 吹きはじめたら 火を引いて 赤子泣くとも 蓋《ふた》取るな」——という火かげんが、ごはん炊きの理想の火かげんでした。前の晩にタイムスイッチさえ合わせておけば、自動的にごはんが炊けている便利な世の中になった当節では、こうした火かげんも、さのみ問題にならなくなっています。電気炊飯器なら、「強飯《こわめし》ができ粥《かゆ》ができ」といったむかしのごはん炊きのようにムラはありませんが、味わいの点で、いま一つ欠けるような気がします。そこで、電気炊飯器を使って、おいしいごはんに仕上げるコツをご伝授しましょう。
まずよいお米を選ぶこと——ですが、自主流通米の中から産地、銘柄によるおいしいお米を選ぶことができます。しかし、こうしたお米でも味を左右するものがあります。それは乾燥度。乾燥が十分なお米は貯蔵中に、味が変わることが少ないからで、米びつは、なるべく乾燥させ、時には空《から》にして日光に当てることが必要です。
お米をとぐとき、あまり力を入れてごしごしやると粉米になるので、|とぐ《ヽヽ》というよりは洗うという気持ちで、浮いたゴミをとることに目標を置き、多少の濁りは気にせず、ある程度澄んだら切り上げます。|ぬかくさく《ヽヽヽヽヽ》しないためには、手早くとぐこと。
火にかける前に、お米は十分水を吸収していることが必要で、新、旧米の別によって水にひたす時間も異なりますが、夏場なら三〇分から四五分、冬は二時間ぐらいが適当です。水かげんには一応の基準というものがあり、米の乾燥度によって増減しますが、水の分量は日々の体験によるカンを生かしましょう。
ところで肝心の炊飯器ですが、アルミ製のふたは軽すぎ、沸騰してくると動きやすく、必要な水分まで発散させすぎるキライがあるので、最近はこの欠陥を改良した完全密封の圧力式炊飯器になっています。これだと、マアマア合格点のおいしいごはんが炊けます。炊き上がったごはんを炊飯器のまま食卓に出すご家庭が多いようですが、こうすると、ふた裏に溜った水滴が落ちて、ごはんが水っぽくなり、夏場には早く腐る原因ともなります。十分|むらし《ヽヽヽ》てから、よく乾いたおひつにごはんをほぐしながら移し替え、乾いたふきんをかけておくと、ごはんに香りやつやが出て、口当たりがよくなります。おひつやふきんが余分な水分を吸収しごはんを|しっくり《ヽヽヽヽ》落ちつかせるからです。