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食物ことわざ事典223

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:鱧も一期海老も一期 現世にはハモのような長いものとか、エビのような曲がったものもあるが、いずれもやがては尽きるといった点
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鱧も一期海老も一期

 現世にはハモのような長いものとか、エビのような曲がったものもあるが、いずれもやがては尽きるといった点ではまったく同じものであるという|たとえ《ヽヽヽ》。人間の境涯も差別をとりたてていえば、上下貧富といろいろあっても、つまるところは、みなひとしく一生を過ごす。内閣総理大臣も、日雇い労働者も、億万長者も、その日その日をかろうじて生きる貧者も、所詮は五〇年か七〇年の命で一生を終わるものなのである——ということ。一期は「一生」という意の仏教用語です。ハモとエビを取りあわせたのは、いずれも海に棲むもので、ともにむかしから食用に供され、親しまれていたものだからでしょう。同じ意味のことわざに「蛇も一生なめくじも一生」があります。
ハモと言っても、関東の人たちにはなじみがうすく、東京などでは知らない人のほうが多いでしょう。ハモはウナギに似て細長い魚で、鋭い歯を持ち、性質が荒っぽく、噛みつきやすいところから、高知県辺りでは「噛む」意味をふくめ、ハムと呼んでいるほどです。体長は二メートルに達するものもあり、熱帯より温帯にかけて沿岸寄りの浅い海に棲み夜間活動します。
日本では瀬戸内海から九州にかけて多く、東北とか北海道にはいません。そのため、上方《かみがた》、とくに京・大阪の人はハモを非常に珍重します。
ハモの肉は白く淡白なうま味をもっていますが、おいしくなるのは入梅以後で、俗に「鱧は梅雨の雨水を飲まぬとおいしくならぬ」と言われています。しゅんは夏場。ことに京・大阪の七月の夏祭ごろが、ちょうどしゅんに当たるので、祭の食べものとして、かば焼き、照り焼きにするほか、すし、酢のもの、天ぷら、吸いものだねなどにしてもうまく、まつたけ時分には、土びん蒸しの中に、必ず欠かせぬ|であいもの《ヽヽヽヽヽ》になっています。しかし、なんといってもハモ料理の圧巻は「葛叩《くずたた》き」の料理用語で知られる「牡丹ハモ」の一椀でしょう。ハモは小骨が多く、皮肌から肉質へ向って無数と言ってもよいくらいはいり組み、そのままでは食べられないので、骨切りという特殊な技法を用います。辻留主人の手になる「牡丹ハモ」は当代随一の定評があり、私も何度か賞味する機会を得ましたが、口の中へ入れたとたん、|とろける《ヽヽヽヽ》ようなうまさは、これがほんとうに小骨の多いハモか、といぶかるほどのやわらかさ、うまさです。
一方のエビは種類が多く、日本で現在わかっている種類だけでも三五〇余種にのぼるといわれ、トロール漁業などの漁獲物を調べたら、まだまだ種類はいくらでも増えそうです。ふつう食べるものと言えばクルマエビ・シバエビ・イセエビ・サクラエビ・テナガエビ・シロエビなどです。好みもありましょうが、エビの王者はクルマエビ(東京ではマキ、またはサイマキ、サヤマキとも言います)でしょう。味はもちろんエビ類随一で、天ぷら、すしだね、煮つけ、焼きもののいずれにも向き、そのうまさは、刺身にとどめを刺すと言えましょう。
大阪の祭つぎ/\鱧の味 月斗
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