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食物ことわざ事典230

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:味噌の味噌臭きは食われず あまり職業や境遇の影響を露骨に発散する人は未熟な人で、奥ゆかしさがないということ。似たことわざ
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味噌の味噌臭きは食われず

 あまり職業や境遇の影響を露骨に発散する人は未熟な人で、奥ゆかしさがないということ。似たことわざに「味噌の味噌くさいは上味噌に非ず」「学者の学者くさきは悪し」があります。江戸後期の禅僧で、和歌に長じ、書にも秀でた越後の良寛さまは「書家の書、歌人の歌、料理人の料理」の三つを毛嫌いしたと言われますが、この人の生活《くらし》ぶりや書、歌を見聞きすると、「さもありなん」と納得がいきます。同じように、みそにしても、豆くさい匂い、麹の匂いが生《なま》のまま残っているような|みそ《ヽヽ》にロクなみそはありません。みそのよしあしは舌で味わう前に、色や匂いで鑑別ができます。むかしの人が、こうしたことを自信をもって言いきれるのも、みそはたいてい、どこの家でも自家製だったからです。
「着物質に置いても味噌は煮て置け」「三割(利息が三割)の銭は借りても味噌は作れ」みそ作りはこのように、食生活の基礎をなす重要な土台で、そのでき上がりのよしあしに一喜一憂し、注意深く、吟味、研究、批判もされたので、自分の手になるみそに、自信の生まれるのも当然のことでしょう。そこから「手前味噌《てまえみそ》」などというおもしろいことばも生まれたのです。
自分の舌に自信のあるお年寄りは、口をそろえて、「最近のみそはまずくなった」と歎きます。確かにみそはまずくなりました。みそのまずくなった原因には、原料大豆を輸入ものの味の悪いものに仰がなければならないことや、むかしのように長く寝かせておいしいみそを作るより、たとえまずくても回転を早くして売りに出したほうが、早くお金に換えられるというみそ屋さんの不道徳があげられます。が、なんと言っても最大の原因は、こういったまずいみそを「唯唯諾諾《いいだくだく》」と召し上がって恥じない消費者の舌にあります。
おいしい、おいしくない——というのは、個人の嗜好の問題だ、と言ってしまえばそれまでですが、それでももののよしあし、味のうまいまずいの基準というものはあるはずです。いや、それすら、今日では「お前さんの買《か》い被《かぶ》りだよ」と、言われそうな状勢です。信州の大手のみそ屋さんに行って驚くことは、その生産量に比較して、意外と敷地面積のせまいことです。それは、むかしのように、三年も五年も寝かせておく「みそ庫《ぐら》」がないということです。まず二か月から三か月、ひどいものになると二週間ぐらい寝かせただけで売りに出されるのです。
当然、こうした速醸みそには、豆臭さ、こうじ臭さがあり、塩なれも満足でないので、塩辛さばかりが目立ち、アミノ酸の分解も十分行なわれていませんから、いわゆる|こく《ヽヽ》がありません。そこで考え出されたのが化学調味料です。味の不足を補うために、最近の|みそ《ヽヽ》にはこれが使われています。都合のいいことには、ふだんから化学調味料にならされた舌には、結構こうした速醸みそでも、おいしく感ずる層が多いことです。もはや、みそのみそらしいほのかな香りや風味を味わうなんて余裕はなさそうです。三年びねなどとムリな注文はしません。せめてお買いになるときは、樽詰のハカリ売りを、買うぐらいの心がけがほしいものです。
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