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食物ことわざ事典231

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:蜜柑が黄色くなると医者が青くなる みかんが色付くころとなると、朝夕しのぎやすくなり、食欲も出て体調も整《ととの》い、おの
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蜜柑が黄色くなると医者が青くなる

 みかんが色付くころとなると、朝夕しのぎやすくなり、食欲も出て体調も整《ととの》い、おのずから健康が保たれるようになって、医者にかかる人が少なくなるという意味です。同じ意味のことわざに「柚《ゆず》が色付くと医者が青くなる」「柿が赤くなると医者が青くなる」があります。一面、稔りの秋ともなると、農家の人たちはいわゆる「農繁期」になり、忙しくて医者にも行けなくなる——という事情もあります。
農作業が機械化され、仕事の手間が省けるようになったとは言え、忙しさにおいては、そうむかしと変わりがないようです。ことにみかんは、一つ一つハサミで切らなければならないので、たいへんな人手を要し、収穫期になると、大きな農家では人手集めに一苦労します。
蜜柑山夕日の中に汝が声す 芳次郎
運動会や遠足の近づく九月も半ばをすぎるころになると、東京方面には色の真青な早生《わせ》みかんが出回りはじめます。以後十月いっぱいは、神奈川、愛媛、九州、和歌山などの早生ものが続き、十一月の中旬になると、各産地ともクリスマス用輸出に全力をあげるので、この間は国内の供給がちょっと落ち、早生から次第に、普通温州みかんに変わっていきます。年間のうちもっとも値の下るのは、収穫期の十一月から十二月の初旬。また長|保《も》ちするのは十二月半ばのものです。これ以降になると、いちど貯蔵庫に入れて出荷されるので、いたみやすくなります。
みかんは大別すると、早生みかんと普通みかんに分かれますが、早生は普通みかんほど酸味もなく、赤くないかわりにはいただけます。普通みかんはくだもの屋の店先に顔を出しても、ほんとうに味が出るのは十二月の半ばからで、正月ごろにいちだんとおいしくなります。
ビタミンCの供給源として、みかんはあまねく知られていますが、みかん仲間の夏みかん、ネーブル、伊豫柑《いよかん》、八朔《はつさく》三宝柑《さんぽうかん》、レモンなどと同じくビタミンCを多量にふくんだビタミンCの王様です。このビタミンCは熟するにつれて増え、実よりも皮のほうに約四、五倍ほども多くふくまれています。皮にはCのほかに、ビタミンAやDも多く、血管をじょうぶにしてくれるので、ほんとうは皮ごと食べるほうがからだのためにはいいわけです。きんかんは中実よりむしろ皮を食うものだし、文旦漬《ぶんたんづ》けも皮だけを砂糖漬けにしたものです。
私の家ではみかんの皮をときどき残して置き、お風呂に入れます。皮は古来大根の干葉などとともに、保温の薬と考えられてきたものですが、確かによく温まりますし、湯ざめもしません。冬至《とうじ》にはゆず湯にはいります。おそらく、みかん類の皮の油が保温に役立つのでしょう。
みかんの皮を乾燥したものを陳皮《ちんぴ》と言い、七味とうがらしやソースに香料として加え、漢方では健胃剤として重用します。むかしの人はみかんにかぎらず廃物にひとしいものから生活に役立つものを見出しました。物価高を歎く前に物を生かしきる生活態度を身につけましょう。
もの食ふや爪に残りし蜜柑の香 雪明
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