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食物ことわざ事典239

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:野菜は出盛りがしゅん 四季の暑さ寒さが秩序正しくめぐってくる日本は、四季それぞれにまた、海の幸、山の幸、野の幸に恵まれて
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野菜は出盛りがしゅん

 四季の暑さ寒さが秩序正しくめぐってくる日本は、四季それぞれにまた、海の幸、山の幸、野の幸に恵まれています。くだものなどは手を加えずに食べられるものだけに、季節の味を満喫できるありがたい食品で、同時に季節の喜びを端的に教えてくれます。
むかしは自然の日を浴び、雨を受けて育った——いわゆる露地もの野菜がほとんどでしたが、近ごろは栽培法や貯蔵法の進歩、輸送機関の発達によって、野菜・くだものなどの中には、一年じゅう出回っているものがあり、いつがしゅんなのか、ハッキリしないものも少なくありません。ことに日常たくさん使われる野菜類は、しゅんの混乱がはなはだしく、きゅうり、トマト、さやえんどう、キャベツなどは、都会地なら真冬でも手に入れることができます。いつが「はしり」で、いつが「しゅん」なのか、区別もつきかねるほどです。料理材料としては便利であっても、季節感が乏しくなって、カン詰やビン詰に対するように、人間も感激が薄れ、野菜も自然の表情を失っているようです。こうして、食べもので教えられることが多かった都市生活者の季節感は、次第に薄れていく傾向にあります。
冷凍技術が進んで、「しゅんと変わりない味が楽しめる」と、うたい文句に言いこそすれ、まだまだ実際には、味に相当のひらきがあります。時期はずれの|はしりもの《ヽヽヽヽヽ》は、自然にさからうムリがあるため、珍しさはあっても、美味・栄養にはほど遠いものと思って、まずまちがいはありません。料理屋ならば少々値段が高くても、それで商売になるのですから問題はありませんが、家庭料理の材料としては、ムダなものと考えてよいと思います。
トマトのトマトらしいほのかな甘味や滋味は、夏の出盛り期のものにこそ味の深さがあります。きゅうりにしろ、時季はずれのものは香りも乏しく、味わいも|そっけない《ヽヽヽヽヽ》ものです。なすもその例外ではなく、固くて特有の風味にめぐまれぬ難点があります。やはり、出盛り期が味の生命です。
その点、茶懐石が、むかしから材料はしゅんの持ち味の充実した新鮮なものを、できるだけ精選して集め、しゅんはずれのものや、しゅん遅れの促成栽培や温室ものを使わず、自然の真味を生かすように、終始一貫筋をとおしていることは、見習うべきだと思います。
特別の例外を除いて、しゅんのおいしさ・香り・色どりをみせてくれるものは、まだまだたくさんあるので、その中から新鮮、良質なものを見極める目を育て、よい材料を手に入れることが料理上手の最高の資格と思ってまちがいはありません。
つまり、「しゅん」のものを、その時季に使えば、適時適食の自然の法則にかない、味がよいうえに、栄養分も豊かで、かつ材料の種類によっては、他の時季よりもやすいものが多く、経済的でもあるからです。
白菜の山に身を入れ目で数ふ 汀女
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