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食物ことわざ事典240

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:痩法師の酢好み むかしから八瀬(今の京都市左京区)の寺では、酒をきびしく禁じ、寺内に酒を持ち込むことは許されませんでした
(单词翻译:双击或拖选)
痩法師の酢好み

 むかしから八瀬(今の京都市左京区)の寺では、酒をきびしく禁じ、寺内に酒を持ち込むことは許されませんでした。ところが数いる寺僧のなかには、酒に目のない僧もいて、どうにもガマンができず、日ごと徳利をかかえて山門を出入りしていました。
道で人に会い、「お手持ちの品はなんでござる?」ときかれると、「酢にて候」と答えていました。あまり足繁くかようので、いつしか人目にもつき、きかれるたびに同じように「酢にて候」と答えるので、「八瀬の法師は酢好みや」と、評判がたつようになりました。
むかしの人は酢はからだによくないと考え、酢を飲めば痩せる——と、かたくなに信じていたので、いつしか「八瀬」を同音の「痩せ」に通わせるようになりました。
事実、私たちのこどもの時分には、軽業師《かるわざし》のこどもたちは、骨をやわらかくするために、毎日、酢を飲まされる——と、ウワサされたものです。近ごろでは食酢は疲労回復に役立つと、大いにその|はたらき《ヽヽヽヽ》が見直されるようになりました。体内にたまった疲労物質《ひろうぶつしつ》—乳酸を、有機酸が分解して体内にたまるのを防ぎ、肩コリや疲れなおしに食酢が有効にはたらくためです。からだのだるいとき、酸味のきついレモンスカッシュを飲むと、疲れが抜け、さわやかな気分になるのも、このはたらきがあるからです。
酢は体内に吸収されると炭酸ガスと水とに分解され、この分解した炭酸ガスはナトリウムなどと結合して、体液をアルカリ性にする性質があります。酸性に傾いた食事、米食や肉料理のときは、酢や野菜で中和ないし弱アルカリにするわけです。
ビフテキを食べたあとに、必ずドレッシング(酢と食用油をまぜたもの)をかけたサラダが出ますが、これは酸性食品のとり過ぎの害を少しでも防ごうという自然の要求の結果です。肉をたくさん食べる欧米人の酢の消費量は、日本人の三、四倍あると言われますが、最近の調べによると、日本人の年間一人当たりの食酢の消費量は、〇・九五リットル(五合弱)だそうで、まだまだ少なく、戦後は肉・卵などの摂取量が多くなり、日本人の食生活のパターンもだんだん西欧型になりつつあることを考えても、酢をもっと多く摂《と》る必要があります。ふつう、でんぷん質の食事一回に、さかずき一杯、たんぱく質の食事で一・五杯、油脂類を摂ったときは、二杯の酢が必要だと言われています。
このように健康を維持していくうえに欠かすことのできない酢は、味のうえでもまた、微妙なはたらきをしてくれ、古来、「かくし味」として重宝がられてきました。中華料理で、仕上げに酢を少し落とすのも、味に深味をますためのものだし、刺身のしょうゆに一滴の酢を落とし、しめサバに大量の塩と酢を用いるのも、酢が塩味をやわらげ、まるくしてくれるからです。
このほか、酢は食べものの色合いを美しくし、苦味を抜き、|あく《ヽヽ》をぬくなど、数えきれない用途があり、毎日の食事に、もっとじょうずに使いこなしたい調味料です。
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