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食物ことわざ事典241

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:やわらかい持ち味のものは淡味に むかしから「九分は足らず十分は剰《あま》る」と言いますが、ほどを得た調味料の使い方は、な
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やわらかい持ち味のものは淡味に

 むかしから「九分は足らず十分は剰《あま》る」と言いますが、ほどを得た調味料の使い方は、なるほどとうなずかせます。煮るものについての例がこのことわざで、「やわらかい持ち味のものは淡味に、淡味なものは温かく、温かければ汁添えて」というふうに言われ、だいたい、持ち味によって調理法も決まり、調味料の濃さも決まってきます。
調味料のあんばいは、材料の種類、用途によってちがうのは言うまでもありませんが、すすめるときの温度や硬さによって量をかげんします。また、材料の持ち味と調味料の味との関係を考えて持ち味を利用したり、調理のあんばいをしなければならぬ場合もあります。
やわらかいものは淡味が適し、歯切れのよい硬いものは、いくらか濃い味、またはピリッとした味のほうが感じがよい。淡味にすすめる場合には、汁を添えて温かくします。もし、温かいものの味が濃厚ですと、口中に濃い味ばかりひろがり、ものの真味や持ち味が味わいにくくなります。噛み味のしっかりしたものは、できるだけ汁気を少なくして、調味料の用い方を多めにし、よくしみ込ませますと、噛むときの楽しみが増します。
持ち味の淡いものや弱いものは、触味や香り、形、色などを賞味する場合が多いので、つけ味(調味料)を控えめにして、持ち味を失わぬように調理しましょう。
家庭のおそうざい料理は、いくらか調味料を多く用いたほうが、ごはんとの調和がよく、おもてなし料理の場合には、つけ味を少なめに調理したほうがよく、ことにお酒をすすめる場合は、つけ味を少なくしたほうが、お酒のうま味が味わえます。
濃厚なうま味をもった材料のときには、多くの場合、調味料を多くして、味を引き締めたほうが、おいしくいただけます。このほか、季節や健康状態、年齢などによっても調味のかげんをしなければなりません。寒いときには濃いめに、暑いときにはさっぱりと、疲れ気味のときは少し辛めのほうがからだには向きます。
調味料の濃さは適切でなければ、総じて控えめを旨とすべきではないかと思います。このように味をつけるということは、うまさを引き立てるためなので、つけ味の勝《まさ》った料理は材料の個性味が味わいにくく、余韻が少なく、日本料理で言えば上品な上手な料理とは言いかねます。
近ごろの料理は、材料本来の味よりは、つけ味(人工味)によって包まれた、口ざわりのなめらかな、応《こた》えの強いものが一般向きでよいとされています。ところがこのつけ味では、いくら品数を変えても、同じ調子に感じられ、心にひびくものが少なく、おいしいと思えません。材料の持ち味を尊重して調味したものは、たとえ最初の一口の口当たりはなめらかでなくても食べていくうちに、その材料のもつおいしさや、各材料による持ち味の変化が心にひびき、おいしさを感じます。
この点、現代人はうかうかと持ち味を破壊して、うまいものを食いそこなっています。
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