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日本むかしばなし集02

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:うりひめこむかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんとがおりました。ある日、おばあさんが川へせんたくに行きまし
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うりひめこ

むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんとがおりました。ある日、おばあさんが川へせんたくに行きました。川上《かわかみ》から箱《はこ》が二つながれてきました。プカプカ、プカプカ。これを見ると、おばあさんがよびました。
「実のある箱はこっちこい。実のない箱はあっちいけ。」
実のある箱がよってきました。そこで、それを拾って、家へ帰りました。晩《ばん》におじいさんとふたりであけて見たら、中からウリが出てきました。
「まあ、りっぱなウリだ。なんというウリだろう。きっと、うまいウリにちがいない。」
ほうちょうをあてようとすると、もうウリが二つにわれて、中から、赤んぼが生まれてきました。オギァ、オギァ。かわいい、女の子だったのです。そこで、この子をうりひめこと名まえをつけました。だいじに育てているうちに、美しい娘《むすめ》になりました。そうして機織《はたお》りがたいへんじょうずになったのです。
ある日、おじいさんとおばあさんと、いっしょに山へ行くことになりました。そこで、おじいさんがいいました。
「うりひめこや、うりひめこや、わたしたちは山へ行ってくるからね。用心して、るす番をしておいで。ひとりでいると、アマンジャクという悪い女がやってくる。アマンジャクは長いツメをしていて、とても、おまえなんかかなわない。窓や雨戸《あまど》にかけがねをしておくけれど、外からよんでも、決して返事をするんでないよ。」
こういって、ふたりは出ていきました。うりひめこは部屋《へや》のなかで機織りをしておりました。
「トッキン カタリ キン カタリ
管《かん》こ無くとも 七ひろ織れる
トッキン カタリ キン カタリ。」
案のじょう、アマンジャクがやってきました。
「うりひめこ、うりひめこ、おれといっしょに遊びましょう。」
ねこなで声でアマンジャクはよびました。うりひめこが知らぬふりをしておりますと、ますます、ねこなで声を出して、
「うりひめこ、うりひめこ、ここのところをあけてくれ。ほんのすこし、ツメのかかるだけあけとくれ。」
うりひめこはこわくなって、ツメのかかるだけなら、心配なことはあるまいと、戸口をすこしあけました。ほんとにツメのかかるほどだったのです。しかしアマンジャクは、そこに長いツメをかけ、ギリギリ、ギイーと、あけてしまいました。そして、なかへ入ってきました。
「うりひめこ、うりひめこ、長者《ちようじや》どのの裏畑《うらばた》に、桃《もも》の実もぎにいかないか。」
アマンジャクがいいました。
「いやいや、おじいさん、おばあさんにしかられる。」
だけども、アマンジャクはききません。何度でも何度でも、
「長者どのの裏畑に——。」
をくり返します。うりひめこは困《こま》ってしまって、
「ぞうりで行けば、ポンポン鳴るし、げたはいて行けば、カランコと鳴るし。だから、わたしは行かれない。」
といってしまいました。すると、アマンジャクはいうのです。
「だったら、おれがおぶってやる。」
そこで、こんどはうりひめこは、
「だって、おまえの背中《せなか》にはトゲがある。とても、いたくて、おぶわれない。」そういいました。
「そんなら、裏からオケをもってきて、オケに入れて、おぶってやる。」
そうして、オケをとってきて、とうとう、うりひめこをそれに入れて、おぶいました。
長者どのの裏の畑へやってくると、まず桃の木にアマンジャクがのぼりました。そして自分ではうまい桃の実ばかり食べました。うりひめこには、
「かりっとかじって、ミミクソ、ハナクソ。
ブッ ブッブ ブッブッブ。」
そういって、まずい、きたないのばかり投げてくれました。
つぎに、うりひめこが桃の木にのぼることになりました。すると、アマンジャクは、もっと上、まだ上といって、上へ上へとのぼらせました。そのうえ、
「そら、そこには毛虫だ。そら、こっちから長者どののばあさまが来た。」
そんなことをいって、うりひめこをおどかしました。うりひめこはおどろきあわてて、とうとう木から落ちて死んでしまいました。すると、アマンジャクはうりひめこの着物を自分で着て、うりひめこに化《ば》けました。そして、おじいさん、おばあさんの家へ帰って、
「トッキン カタリ キン カタリ
管《かん》こが無くて 織りよがない。
トッキン カタリ キン カタリ。」
と、機《はた》を織っておりました。そこへおじいさん、おばあさんが帰ってきました。おじいさんとおばあさんは、帰ってみると、どうも機の音がうりひめことちがっております。そこでききました。
「うりひめこや、うりひめこや、アマンジャクはこなかったか。」
アマンジャクのうりひめこは、知らぬ顔をして、
「来ませんでした。来ませんでした。」
そういいました。
おじいさん、おばあさんはモチをつくことになりました。つけたところで、重箱《じゆうばこ》につめて、うりひめこに長者どののところへ持たせました。アマンジャクのうりひめこは、家を出るとすぐ、その重箱のモチを食べてしまいました。そして家へは、
「はい、行ってきました。」
と、帰ってきました。そして、
「重箱にもう一つモチをくれれば、わたしをおよめさんにしてやると、長者どのがいいました。」
おじいさん、おばあさんに、そんなウソをいいました。おじいさん、おばあさんは、それをほんとにして、またモチをついて、重箱に入れてくれました。アマンジャクのうりひめこは、それを持って、こんどはほんとうに長者のうちに行きました。そして、
「わたしをおよめさんにしてください。」
といいました。長者どのでは、ほんとうのうりひめこと思って、アマンジャクをおよめさんにもらうことにしました。
アマンジャクのうりひめこが、およめ入りの朝のことです。おじいさん、おばあさんの家のそばの木の上に、一羽《いちわ》のカラスがとまって、
「うりひめこの おかごによ、
アマンジャクめが乗っていく。
カア カア カア カア。」
と、鳴きました。何度も鳴くので、おじいさんも、おばあさんも、
「どうも、あやしい。うちのうりひめこ、なにかが化けていて、化けひめこかもしれない。」
と思いました。そこで、その化けひめこをつかまえて、裏の泉《いずみ》につれていって、顔を洗《あら》わせました。しかし、アマンジャクですから、洗うまねだけしかしません。それで、おじいさん、おばあさんがふたりして、アマンジャクをつかまえていて、顔をゴシゴシ洗ってやりました。そうすると、一ぺんに化けの皮がはげて、アマンジャクということがわかりました。おじいさん、おばあさんは、もうカンカンにおこりました。アマンジャクをそのへんのカヤ原のなかを引きずりまわして、血が出るほどいじめました。今でもカヤの根もとの赤いのは、そのとき、アマンジャクの血で、カヤの根もとがそまったのだということです。メデタシ、メデタシ。
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