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日本むかしばなし集04

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:天人子《てんにんご》天人子というのは天人のことであります。で、むかし、むかしのことでありました。陸中《りくちゆう》という
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天人子《てんにんご》

天人子というのは天人のことであります。で、むかし、むかしのことでありました。陸中《りくちゆう》という国の六角牛山《ろつこうしざん》という山のふもとに、惣助《そうすけ》というお百姓《ひやくしよう》が住んでおりました。その惣助の住んでいる村の近くに、七つの池がありました。そのひとつに、ミコ石という大きな岩が岸にある池がありました。そこには、とてもたくさんの魚がいて、それがよく釣《つ》れました。
そこである日のこと、百姓の惣助はつりざおをかついで、そこへ魚釣りに出かけました。林をぬけて、池に近づいた時、惣助は空を見あげておどろきました。ひとりの天人が六角牛山という山のほうから飛んで来て、惣助が今行こうとしている池のほうへおりて行くのです。着ているその天の羽衣《はごろも》というきものを、ヒラヒラ空にふきなびけて、なんとも、これは美しい姿《すがた》でありました。
惣助は思わず一本の木のかげにかくれて、そっと天人をながめておりました。そうしていないと、惣助を見ればすぐにも天人は飛んで行ってしまいそうに思えたからです。しかし、天人は池の上の空を二度も三度も輪をかいて、クルクル、クルクルとまわっておりました。そのうち、だれもそこにいないと思ったのでしょう。しだいに下におりてきました。そのとき、池の水はほんとうに深く、あおあおとすんでいて、鏡《かがみ》のようにはっきり上の空をまっている天人の姿をうつしておりました。
やがて、天人は、すうっとおりてきました。でも、池の水の上ではありません。岸に立っているミコ石の上であります。そこで、天人はもう一度その池を見まわしました。そして、だれもそのへんにいないと知ると、そこで羽衣という、その美しいきものをぬぎはじめました。暑い日でしたから、天人も水をあびたかったのでありましょう。
で、その羽衣をぬぐと、これをミコ石の上にかけておいて、静かに、池の水の中におりて行きました。そして、そこで、静かにおよぎはじめました。さざ波もたてず、水音もたてず、ほんとうに静かにおよぎました。深い林にかこまれた山の中の池ですから、そのとき、どこかで、鳥の鳴く声がしているくらいのことでしょう。
ところで、これを木かげからながめていた惣助は、ちょうどそのミコ石の近くにかくれておりましたので、目の前の羽衣が、手に取ってみたくてならなくなりました。
だって、それは、なんの織りものか、惣助など見たこともない、美しいものだったのです。で、そっと木かげから出て、その衣を岩の上から取りはずしました。手に取ってみると、じつになんともいいようのないめずらしさ、美しさ、もう二度とそれを手からはなすことができなくなったのです。ついむちゅうになって、それを腰《こし》にさげているかごの中にいれてしまいました。そして、家をさして帰ってきました。
それからしばらくして、天人は水からあがって、ミコ石のところへやってきました。が、羽衣はありません。どんなにびっくりしたことでありましょう。それがなければ、天へ帰れないのです。といって、どうすることもできません。
それでちょうどそのそばにあった、ホオの木から、その大きな葉を取って、きものをつくりました。それからそのホオの葉のきものを着て、天人は村のほうへ、山をおりて行きました。池の近くに一軒《いつけん》の家があったのです。天人はまずそこへよってたずねました。
「もしもし、ちょっとおたずねいたします。今、そこの池へきた人があったはずですが、その人の家は、どのへんでしょうか。」
すると、その家からひとりのおじいさんが出てきて、親切によく教えてくれました。
「これから、もっと先へ行きますとな、家が三軒ありますわい。その中の一軒が、その男の家なんです。」
そこで、天人はホオの葉のきものを着て、また歩いて、その男の家にやってきました。
「もしもし、おたずねいたしますが、おまえさんは、さっき、ミコ石の上にかけておいたわたしのきものを、もしや取ってこなかったでしょうか。あれがないと、わたしは天へ帰ることができない。どうか、おねがいだから、あれを返してください。」
これを聞くと、惣助は、さもこまったような顔をしていいました。
「いかにも、あのきものを取ってきたのはわたしです。わたしですが、おまえさんのものとは知らなかったのです。ただ、見たこともない、めずらしいきものが岩の上にあるので、殿《との》さまにさしあげようと思って、取ってきて、じつは今、殿さまに献上《けんじよう》したばかりです。」
これはうそなのですが、惣助はついそんなことをいってしまいました。しかし、これを聞くと、ホオの葉を着た天人は、涙《なみだ》を流してなげきました。
「こんなふうで、どうしてわたしは天へ帰れよう。」
しばらく泣いていましたが、天人は、そうしてもおれないと考えたのでしょう。また惣助にむかっていいました。
「それでは、わたしに田を三人役《さんにんやく》ほど、貸してください。それにレンゲの花をつくって、それから糸を取って、その糸ではたを織って、それできものをこしらえますから。」
これを聞くと、惣助は天人が気のどくになりましたが、今うそをいったばかりなので、羽衣をだして返すこともできません。それで、そのあとで、殿さまにすぐに羽衣をさしあげましたが、そのときは、
「いいえ、そんなことはお安いことです。」
と、そういって、天人のことばどおり、三人役の田を貸しました。そして、そのうえ、ミコ石の池のそばに、天人の住む小さな家をつくりました。天人はその小屋に住んで、三人役の田にレンゲをつくりました。
やがて、そこに、レンゲの花がいっぱいにさきました。すると、天人はその花の茎《くき》から、細いクモの糸のような糸を取りました。その糸で、ササ小屋にこもって、天人は毎日毎日機《はた》をおりました。
機を織りながら、いうにいわれない、いい声で歌をうたいました。それはとても人間とは思えないような声でありました。
キッコン、パッタン、キッコン、パッタン。
というおさの音と、その天人のうたういい声とを聞いて、惣助や村の人は、ついその小屋の中をのぞいてみたくなるのでした。しかし、いくらのぞいても、そこには何も見えません。天人も機も見えないのでした。それでも、おさの音も、歌の声も、そこと思えばそこ、そこでないと思えばそこでない、どこからか聞こえてくるのでありました。それで、六角牛山で天人が機を織っているのだという人もありました。
けれども、それからまもなく、天人はまんだらという、じつにきれいな織りものを織りあげました。そして、それを殿さまにさしあげてくださいといいました。惣助は、それを殿さまのところへ持って行って、献上しました。すると殿さまはそれを見て、
「これはめずらしい織りものであるが、このような織りものを、いったいだれがおったのか。」
といいました。惣助が、
「はい、ひとりの女でこざいますが——」
といって、くわしいことをいわずにおりますと、殿さまはまた、
「その女に、何かのぞみがあれば申し出るように——」
といいました。惣助が帰ってきて、天人に、そのことを話しますと、
「わたしには、何ものぞみはない。ただ殿さまの御殿《ごてん》に奉公《ほうこう》してみたい。」
と、天人がいいました。
それで、惣助がまた殿さまのところへ行って、そのことをいい、天人は、御殿に奉公することになりました。しかし、天人のことですから、御殿にいても、何ひとつものを食べません。それからまた、何ひとつものをいいません。そのうちちょうど夏がきて、土用ぼしの時となりました。そして、惣助が献上した天人の羽衣も倉からだして、座敷《ざしき》にほしました。すると、それを見ていた天人は、手ばやくそれをからだにつけ、スーッと空のほうへすいあげられるようにのぼって行きました。空高くのぼると、六角牛山をさして飛んで行ってしまいました。
みんなが、そのほうをながめていましたが、どうすることもできません。天人だからしかたがないということになりました。
けれども、その天人のおった、まんだらというおりものは、尊いものだからというので、綾織村《あやおりむら》の光明寺というお寺におさめました。
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