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日本むかしばなし集07

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:竜宮《りゆうぐう》と花売りむかし、むかし、あるところに、ふたりの兄弟《きようだい》がありました。にいさんのおよめさんが気
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竜宮《りゆうぐう》と花売り

むかし、むかし、あるところに、ふたりの兄弟《きようだい》がありました。にいさんのおよめさんが気が強かったので、おかあさんは、別の家に、弟といっしょに住んでおりました。しかし弟のほうは貧乏《びんぼう》で、飲まず食わずというようなくらしをしておりました。ところで、年の暮れになりました。弟は平生《へいぜい》おかあさんにろくろくごはんもあげてなかったので、元日だけにはお米をたいて食べさせたいと思いました。それで、
「こういうときはしかたがない。兄にたのむよりほか道はない。」
そう思って、兄のうちへ出かけました。そして、
「にいさん、にいさん、お米を一升《いつしよう》貸してくれないか。山でタキギを取って、それを売って、お米を買って返すから。」
そういってたのみました。
しかし、兄は薄情者《はくじようもの》でしたから、
「おまえに貸す米など、一つぶもない。」
そんなことをいって、弟をさんざんしかって、帰しました。
弟はしかたがないので、遠い山へ出かけて行き、そこにさいている花を取ってきました。それを売って、お米を買おうと考えたのです。で、
「花はいりませんか、花、花。お正月の花はいりませんか。美しい花。」
そういって、売り歩きました。しかしどこのうちでも、今買ったばかりだなどといって、ひとりも買ってくれる人がありませんでした。それですっかりがっかりして、しおれかえって歩いておりますと、いつのまにか、海岸の波うちぎわへ出ていました。波がザアーザアーとよせてはかえし、よせてはかえししております。それを見ると、弟は考えました。
「せっかく遠い山から取ってきた花だけれども、ひとつも買ってくれる人がないから、これはひとつ海の底《そこ》の竜宮の神さまにさしあげることにしてみよう。竜宮では、この花も、もしかしたらめずらしいものかもしれない。」
で、弟はよせてきた大波めがけて、
「竜神さま、花をあげます。」
そういって、持っていた花を残らず、海の中に投げこみました。すると、その投げこんだ波の中から、ひとりの男がポッカリ出てきました。で、その男はいいました。
「や、これはありがとう。じつは、竜宮ではお正月の花がなくて、みんなで、どうしようといっていたところだ。こんなよい花をたくさんもらって、なんとお礼をいっていいかわからない。それで、どうだろう。お礼をしたいから、竜宮へ来てくださるまいか。」
弟はこれを聞くと、
「母がうちで待っているから。」
そういって、ことわりました。しかし男は、
「いや、すぐだよ。わたしのふむところをふめば、ひと息つくまに、竜宮へ行かれます。さ、行きましょう。竜宮では、あなたに花のお礼をしたいと、みんなで待っているんです。」
そこで弟は、
「それなら——」
そういって波の上を歩いて、——ふしぎに波の上が歩けたのです。——その人のところへ行って、ハッと気がつくと、もう竜宮の門の前に立っていました。門には七人もの番人がいて、ぴかぴか光るヤリや刀を持って番をしておりました。竜宮の屋根はみんな金銀のかわらで、その上を、白い鳥や赤い鳥が飛んでいました。しかしよく見れば、白い鳥は白いさかな、赤い鳥は赤いさかなでした。
で、その人につれられて、いよいよ竜王の前に出ることになったのですが、その人のいいますのには、
「竜王があなたに、何がほしいかときかれますから、そのときは、犬がほしいとおいいなさい。その犬はこの竜宮でも、くらべるものがないほど、尊い犬なんですから。」
で、弟は竜王の前でたいへんごちそうになりました。三日のあいだ、海にある、ありとあらゆるごちそうが出ましたし、そのあいだ、海の音楽というのが、一分の休みもなしに鳴らされていました。
で、いよいよ、日本に帰るというときになりました。すると、竜王がききました。
「おみやげに何をあげましょうか。」
弟がいいました。
「犬をくださいませ。」
それではというので、犬が竜王の前に、引っぱってこられましたが、このとき、竜王がいいました。
「この犬は竜宮一の宝物ですから、どうぞ大切に、かわいがってやってください。毎日四つのおぜんにいっぱいごちそうをならべて、食べさせてやってください。しかしそうすれば、きっと、あなたにいい運をはこんできますから。」
弟は、
「ハイ、承知いたしました。かならず犬をかわいがってやります。」
そういって、竜王にわかれをつげて、日本さして帰ってきました。ところが、どうでしょう。わずか三日と思っていたのに、竜宮へとまった日にちが、三年もたっていました。おかあさんは、そのあいだ、いつも食べるものがなくて、近所やおとなりからごはんをもらって、食べていました。
竜宮から犬をつれて帰った弟を見ると、近所の人たちがいいました。
「自分らばかりでさえ食べられない貧乏人が、犬までつれて帰ってきた。これからいったいどうするつもりなんだろうか。」
しかし弟はいいました。
「まあまあ、待ってください。」
そして毎日、まるでだんなさまにでもあげるように、四つのおぜんに、りっぱなごちそうをつくって、犬に食べさせました。すると、どうでしょう。犬はそのごちそうを食べると、山へとんで行って、大きなイノシシを一ぴきくわえて帰ってきました。これを見た弟も、またおかあさんも、びっくりするやら、大喜びするやらで、犬の頭をなで、
「感心、感心。」
と、ほめてやりました。イノシシというものは、肉や皮や、きばがたいへん高いねだんのするものでしたから、弟はこれを売って、たくさんのお金をもうけました。ところが、犬はそれからのち、毎日毎日、一ぴきずつのイノシシをくわえてくるようになり、弟はそれで毎日毎日、とてもたくさんのお金がもうかるようになりました。だから、みるみるうちにお金持になってしまいました。
ところが、このことを、お金持のにいさんが聞きました。そして、大いそぎで弟のところへやってきました。
「弟、弟、聞けば、なんと、おまえのところには一ぴきの犬がいて、それが毎日一ぴきずつのイノシシを山からくわえてくるというそうではないか。」
にいさんは、くるとすぐ弟にそうききました。弟は、
「そうですよ。」
と答えました。すると、にいさんは、
「ではひとつ、その犬をおれが借りて行くことにする。」
そんなことを大いばりでいいました。で、弟は、
「しかしにいさん、それはいけません。いくらにいさんでも、この犬はわたしの宝犬《たからいぬ》なんですから——」
そういって貸さないようにいいましたけれども、にいさんはむりやり犬をつれてってしまいました。
にいさんは犬を家へつれて行くと、自分にもたくさんイノシシをくわえてきてもらおうと、五つも六つものおぜんに山もりごちそうをして、犬に食べさせました。すると犬は、これを食べてしまって、たいへんな元気になり、そしてにいさんの前へとんで出たと思うと、とびあがって、にいさんのひたいにかみつきました。にいさんはびっくりして、
「これは、食べものが悪かったせいかもしれない。」
と考え、弟のところへたずねに行きました。そして四つのおぜんで食べさせると聞き、さっそく帰ってこんどこそ竜宮の犬が、イノシシをとってくるだろうと思って、四つのおぜんにいっぱいのごちそうをもりました。そしてそれを犬の前にだしていいました。
「さあ、弟に聞いたとおりの四つのぜんいっぱいのごちそうだぞ。これを食べたらすぐ山へ行って、大イノシシをとってきてくれ。」
犬はそのことばがわかったのでしょうか。とにかくごちそうを、見るまに食べてしまいました。兄はそれを見て、
「よし、よし。もうイノシシを取りにかけだすだろう。」
そう思って待っていました。ところが、どうでしょう。山へ行くどころか、食べおわると、
「ワン。」
と、一声ほえましたが、ほえたかと思うと、にいさんのヒザコゾウへとんできて、そこに、はげしくかみつきました。にいさんはびっくりして、いっぺんに腹をたてました。そして、
「このヤロウッ。」
と大声でさけび、
「だいじにすればつけあがる。もう生かしてはおけないぞ。」
といって、そばにあった太い棒《ぼう》をとって、犬の頭を力いっぱいたたきました。犬はそれでころっと、まるでねむるように死んでしまいました。
ところが一方、弟のほうでは、いつまでたってもにいさんが犬を返してこないので、とうとう待ちきれなくなって、兄のうちへたずねてきました。
「にいさん、犬はどうしました。」
と、にいさんにいいました。
「どうしたもない。あの犬、ほんとうにひどい犬だった。はじめごちそうしたら、ひたいにかみつかれた。これは何かこちらに悪いところがあったかと、おまえにきいて、こんどは四つのおぜんにいっぱいのごちそうをだしてやった。ところが、これを食べてしまうと、おれのひざにかみついてきた。あんまりひどい犬だから、とうとうそばにあった棒で打ったら、一打ちでころりと死んでしまった。」
弟はそれを聞いて、
「そうでしたか。とうとい竜宮の犬を、なんとかわいそうなことをしてくださった。」
と、涙を流しました。しかし、死んだものを、もうどうしようもありませんので、
「それでは、その死がいをください。」
そういって、死んだ犬をもらってきて、それをおもての庭の手洗《てあら》いばちの根のところに、うずめてやりました。そして、その前に花を立て、その花に手洗いばちの水をやって、ナムアミダブツとおがんでやりました。すると、そのあくる日のことでした。見ると、そこに小さな竹の子が頭をだしていました。
弟はどうしたことかと思いましたが、そこへやはり水をかけかけして、毎日おがんでおりました。
「ナムアミダ、ナムアミダ。」
すると、目に見えるように、竹の子がぐんぐん、ぐんぐん、大きく高くなっていきました。そして、やがてそれは大きな竹になりました。しかもそれがトウチンチャクという、ふしぎな竹だったのです。その竹は、世界にもめずらしい竹で、のびのびと、天までとどくという竹だったのです。だから、それからも、毎日毎日、大きく高くなっていき、何日めかには、とうとう天にとどいてしまいました。いや、天にとどいたばかりか、そこからまたのびていって、こんどは、天の米倉の底をつきぬけてしまいました。そこで、天の米倉には穴があいて、米がぞろぞろ下にもりだしてきました。
ある朝のことです。弟が起きて庭へ出て見ると、そのトウチンチャクの大竹の根もとに、白いお米の山ができております。いや、できているばかりか、上からひっきりなしに、お米がさらさら雪のようにふっております。
「いや、これはふしぎなことだ。やはり竜宮の犬のおかげだろう。」
と、弟はそう思って、死んだその犬に、心の中でお礼をいって、その米を新しく建てた倉の中に運びました。それがじつに千石《せんごく》もあったそうです。トウチンチャクは、一日に一ふしずつのびる竹でした。のびるたびに、上からお米がふってきて、一ふし千石、二ふし二千石というように、毎日お米の山が庭につもりました。弟はもう大喜びして、毎日毎日たくさんの人をたのんで、倉の中に米を運び入れました。
ところで、またこの話を兄が聞きました。そして、それは大ごとだと、うらやましくてならない。また弟のところへやってきました。
「なんと、おまえのところには、トウチンチャクという竹がはえて、お米をたくさんふらせるという話だが——」
そうききますと、
「そうなんです。にいさんがころした犬をうずめたところから、竹がはえてきたんですよ。」
そう弟がいいました。すると兄は、
「ではひとつ、もう一ぺんその死んだ犬を貸してくれないか。おれのところでもトウチンチャクをはやしてみたい。」
そういって、むりやり死んだ犬を借りて行き、同じように手洗いばちのところにうずめました。するとあくる日、やはり、竹の子が頭をだし、やがて、大きなトウチンチャクがはえてきました。兄はこれを見て、今に米がふるだろうと、大喜びして待っていました。ところが、こんどのトウチンチャクは、天のはきだめの底をつきぬきましたので、ふってきたものはみんなきたないごみばかりでした。ごみが山のようにつもって、兄のうちはごみにうずまってしまいました。めでたし、めでたし。
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