日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集08

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:初夢《はつゆめ》と鬼《おに》の話むかし、むかし、あるところに、たいへんなお金持がありました。そこでは、主人や子どもたちは
(单词翻译:双击或拖选)
初夢《はつゆめ》と鬼《おに》の話

むかし、むかし、あるところに、たいへんなお金持がありました。そこでは、主人や子どもたちは、上のいろりでごはんを食べましたが、やとわれている男や女は、下のいろりをとりまいて、食事をいたしました。ところが、お正月の三日の間だけは、その使われている人たちが、上のいろりでごちそうを食べ、主人がごはんをもったり、お酒をついだりするのでした。で、その正月の二日のことでした。やとい人の男や女が、主人についでもらって、お酒を飲んでいると、その主人がいいました。
「今晩《こんばん》は初夢を見る晩だから、今夜見た夢を、あす、わたしに教えてくれ。夢一つ、一分《いちぶ》というお金で買いうける。」
で、あくる朝になりました。ごはんのときに主人がいいました。
「さ、初夢を買いますぞ。上座《かみざ》の者からじゅんじゅんにいいなさい。」
ところが、上座にいたやとわれ人の中のいちばん年よりの人が、
「どうも、わたし、すっかりねむってしまって、夢ひとつ見ませんでして。」
そんなことをいいました。すると、つぎの人も、
「わたしも、夢も見ずに、ぐっすり朝までねむりました。」
といいました。と、またつぎの人も、
「わたしも夢を見ずに。」
といいました。それで、つぎつぎ、みんな夢を見なかったといいました。ところが、いちばんおしまいの十五六ばかりになる小僧《こぞう》さんがひとり、
「わたしは見ました。」
といいました。それで、主人は、
「では、その夢を売ってくれ。一分で買うぞ。」
といいましたが、小僧さんは、
「しかし、その夢、ちょっとお売りできませんので。」
といいます。
「では、二分で売ってくれ。」
主人がいいましたが、
「いいえ、お売りできません。」
小僧さんがいいます。
「では三分では。」
「それでも、売れません。」
「では、四分。」
と、主人はだんだん値あげをして、とうとう、二十両というたいへんなお金になりました。そのころ、二十両というのは、今の二万円にも三万円にもつく大きなお金だったのです。それでも、小僧さんは、どうしても売らないといいはります。それで、主人はすっかり腹をたてて、
「そんな、べらぼうなことをいう小僧なら、島流しにしてしまう。」
ということになりました。舟《ふね》に乗せて海へ流してしまおうというのです。しかし、そんなことをしても、死んでしまってはかわいそうだというので、舟の中へ粉でつくったおもちを、すこしばかり入れてやりました。
で、小僧さんは小さい舟に乗せられ、海の中へおしだされましたが、風にふき流され、波におしやられておりますと、遠くに、一つの島を見つけました。で、小僧さんは思いました。
「あの島へ、ひとつあがってやろう。」
で、その島のほうへ櫓《ろ》をこいで行って、島へあがってみました。ところが、そこには人間はひとりもいなくて、サルばかりが住んでいました。そのサルどもがたくさん集まってきて、小僧さんを見ると、
「これはなんだか、うまそうにみえる人間だ。ひとつ、みんなで食べてみようではないか。」
そんなことをいいだし、
「食べろ、食べろ。」
と、おしよせてきました。
「これはいかん。」
と、小僧さんはこまって、粉もちをちぎっては投げ、ちぎっては投げして、それをサルが食べているあいだに、ようようのこと、舟へ逃げて帰りました。それから、大いそぎで舟を沖《おき》のほうにだし、やっと、サルからのがれました。
すこし行くと、また、むこうのほうに島が見えてきました。こんどの島は、どうだろうかと、小僧さんはその島に向かって、櫓をこぎました。何時間もかかって、それに近より、島にあがってみますと、なんだかへんな大声をだして集まってきたものがあります。見れば、それは、たくさんの青鬼、赤鬼、黒鬼たちだったのです。そして、くちぐちにいうのを聞けば、やはり、
「これは、うまそうな人間だ。みんなで、わけて食べようじゃないか。」
などといっております。しかたがないので、また持っていた粉もちをわけてやって、
「これで、ひとつ、かんべんしてくれないか。」
といってみましたが、
「こんな粉もちなんかで、かんべんできるものか。」
といって、どうしても小僧さんを食べると、ききません。そこで、小僧さん、
「じつはおれは、とってもいい初夢を見て、それを主人に教えてやらなかったので、この海に流されたんだ。それをおまえたちに教えてやるから、おれを食べることだけはゆるしてくれ。」
と申しました。すると、鬼たちは、おたがいに相談しあって、
「そんないい初夢を、おれたちに教えてくれるなら、それでゆるしてやってもいい。」
ということになりました。すると、小僧さん、
「しかし、あれだぜ、ご主人にさえ二十両で売らなかったたいへんな初夢だ。ただじゃ教えてやれない。」
といいました。それで、赤鬼、青鬼、黒鬼たち、また相談して、
「それでは、おれたちの車を一つやる。それと、その初夢ととっかえよう。」
ということになりました。そして、鬼どもはむこうへかけて行き、大きなりっぱな車を取ってきました。そして、
「これは、千里万里の車といって、この鉄棒《かなぼう》で一つたたけば千里飛ぶ、二つたたけば万里行く。どうだ、これととりかえっこしようではないか。」
そういいました。小僧さんは、そのりっぱな車を見て、しかし、
「ふーむ。」
といって、考えこむようなふりをしました。すると、鬼どもはまた相談を始め、こんどは、二本の針《はり》を持ってきました。そして、
「この一本の針は、これでさされると、どんな元気な人でも、すぐ死んでしまうし、こっちをさすと、どんなに死にそうな人でも、すぐ元気になるという、われわれ仲間での宝の針だ。これを車につけるから、その二十両でも売らなかったという初夢を教えてくれないか。」
といいました。で、小僧さん、
「では、初夢を教えてやる。しかし、そのまえにこの車を一ぺんためしてみなくちゃ。」
そういって、その車にさっきの二本の針を持って乗り、鉄棒でポンと一つたたきました。すると、車はピューッと走りだし、
「あれあれ、あれあれ。」
と、鬼どもがさわぐまに、もう空のかなたに見えなくなってしまいました。鬼どもは、どんなにくやしがったことでしょう。リンゴのような、ナシのような、カボチャのような大涙をボタボタ落として、大声をあげて泣《な》いたそうであります。
小僧さんは、大得意《だいとくい》になって、車に乗っていますと、ひろびろとしたたんぼのところへ出てきました。そこで、また、ポンと車をたたきますと、車は走って、橋の下へ出てきました。車をおりて、橋の上にあがってみますと、そこに、一軒《いつけん》の茶店がありました。そして、ひとりのおばあさんがすわっております。で、
「こんにちは。」
と、おばあさんにあいさつして、茶店にはいって行き、店にあったもちを買って食べました。そうしていると、そのとなりがたいへんなお金持らしく、大きな家なんですが、人が門から出たり入ったりしていて、なんとなく、そうぞうしくみえました。
「おばあさん、おとなりはどうしたんです。なにか変わったことでもおこってるんですか。」
こうききますと、おばあさんがいいました。
「いや、ひとりむすめのおじょうさんがご病気で、今にも死にそうだというさわぎなんだよ。」
「そうか、それならわけはない。おれは、死にそうな人でもなおせる術を知っている。」
小僧さんはそういって、すぐその家をたずねて行きました。
「おじょうさんがご病気なそうで、となりの茶店で聞きました。わたしはそんな病気をなおす鬼の宝の針を持っています。なんでしたら、すぐなおしてあげますが。」
主人にあってそういいますと、
「どうぞおねがいいたします。」
ということで、小僧さんは座敷《ざしき》に通され、すぐ針をだして、おじょうさんをなおしてやりました。すると、そのお金持の家ではもう大喜びして、小僧さんが帰ろうとしてもなかなか帰してくれません。生命《いのち》の恩人だというので、毎日毎日ごちそうをしたり、芝居《しばい》を見せたり、音楽をきかせたりして、もてなしました。そのすえ、しまいにはその家のむすこになってくれとたのまれました。
そのうち、こんどは川むこうの大金持の家で、やはりむすめさんが病気になり、今にも死にそうになりました。で、その小僧さんのことを聞き、ぜひ来てくれとたのんできました。で、小僧さん、またそこへも行って、針をさしてなおしてやりました。そうすると、そこでも大喜びして、毎日毎日ごちそうしました。そしてなかなか帰してくれず、しまいにはやはりその家のむすこになってくれとたのみました。
このように両方の家からむすこになってくれとたのまれ、小僧さんすっかりこまりました。すると、両方の家とも大金持ですから、間にある川に金のそり橋をかけました。それはお日さまをうけて、まるでにじの橋のように光りかがやいたということですが、その橋をわたって、小僧さんは半月一方の家におれば、後の半月をもう一軒の家の方におることにして、両方の家のむすこになりました。
小僧さんの初夢というのは、にじのような金の橋をわたってゆく夢だったそうであります。では、これでおしまい。めでたし、めでたし。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%