日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集09

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:鬼六《おにろく》のはなしむかし、あるところに、とても流れの急な川がありました。流れが急で、橋がかけられないのです。それで
(单词翻译:双击或拖选)
鬼六《おにろく》のはなし

むかし、あるところに、とても流れの急な川がありました。流れが急で、橋がかけられないのです。それで、そのへんの人は困《こま》っておりました。おたがいに、むこうの村からこっちの村へこられないし、こっちの村からむこうの村へ行かれません。どうしたらいいでしょう。みんなで相談しましたところ、近くに、とてもじょうずな大工さんがいることがわかりました。
「あの人なら、こんな川、わけありませんよ。たのめば、すぐ橋をかけてくれますよ。」
そんなことをいう人などありました。
「それでは——。」
ということにきまり、その大工さんのところへ、みんなで行ってたのみました。
「大工さん、大工さん、おねがいです。どうか、あの大川に橋をかけてください。」
こうたのまれては、しかたがありません。
「はい、はい、それでは、わたしが引き受けました。どんなことをしてでも、あの大川に橋をかけてあげます。」
大工さんは、引き受けました。しかし、なにぶんたいへんな川なのです。底《そこ》は深くて、どんなに深いかわかりません。それに川はばのひろいことといったら、こちらの岸に立つと、むこう岸の人がよく見えないというほどなのです。大工さんは引き受けはしたものの、まったくどうしていいかわかりません。心配で、心配で、その川岸に立って、じっと流れる川を見つめていました。
どれくらい時間がたったでしょうか。ふと気がつくと、その水の底からブクブクブクブク、あわがうかんできました。
「はてな。」
へんなことだと、首をかしげていますと、そこへ水の中から、大きな大きな、頭がうかびあがってきました。
「ザア——。」
これは水が、その頭から流れ落ちる音です。
「ブルブル、ブルブル、ブーッ。」
これは、その頭が水をふいて、それをふり落とした音です。
「おい、大工さん、なにを考えてるんだい。」
その頭がいいました。大工さんは、ちょっと返事もできません。だって、その頭は、ひたいのところに大きな二本の角《つの》があり、口が耳のへんまで割《わ》れてるという、大鬼《おおおに》の頭なんです。
大工さんがおそろしく、口もきけないでいると、鬼はまたいいました。
「ここへ橋をかけたいんだろう。」
「そうなんです。」
大工さんは、思わずそういってしまいました。
「だが、おまえさんのうでまえじゃ、ちょっと、かかりそうもありませんね。」
鬼がいうと、大工さんはまた、
「そうなんです。」
思わずいってしまいました。
「それで困ってるんだろう。」
鬼がまたいいました。
「まったく、それで困っているんです。」
こうなっては、大工さんはそういわないでおれませんでした。
「じゃ、ひとつ、この鬼のオレサマが心配してあげましょう。」
鬼にいわれて、
「そうですか。橋をかけてくださるんですか。」
大工さんがいいました。
「人間にとっちゃ、たいへんなことかもしれないが、オレサマのような鬼にとっちゃ、これぽっちの橋なんか、まず朝めし前の仕事だね。おたのみとありゃ、明日朝早く、ここにきてごらんなさい。ちゃーんと、りっぱな橋がかかっておりますよ。」
鬼にいわれて、大工さん、なみだが出るほどうれしく、
「ありがとうございます。しかし鬼さん、それはホントのことなんでしょうねえ。」
そういいました。すると、鬼は大口をあけて、
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。」
と笑いました。
「人間というものは、ときどきウソというものをいうそうじゃが、鬼に二言《にごん》はありませんぞ。鬼の世界には、ウソというものがありませんのじゃ。」
こう聞くと、大工さん、ありがたくて、ありがたくて、
「鬼さん、しかし、なにかお礼をとっていただかなくては——。」
こういいかけますと、鬼がいいました。ひとりごとのようにいいました。
「お礼といっても、さてな、人間のくれるもので、鬼の役にたつものというと——。」
ここで、しばらく鬼は考えこみ、
「そうだな。じゃ、目玉でももらうか。」
こんなことをいいました。大工さんはビックリしました。わけなく目玉といわれても、わけなく、はいというわけにはいきません。目玉は二つしかないのです。
「目玉ですか。このわたしの目玉ですか。」
大工さんは、そういって、自分の目玉を指さしました。大工さんにくらべ、鬼はいたって平気な顔で、
「そうだよ。その目玉だよ。」
そういうのでした。
「へえ、そうですかね。それで、その目玉が、鬼のなんの役にたつのでしょう。」
大工さんがいうと、鬼はまた思い返したらしくいうのでした。
「じゃ、こうしよう。まず、橋はオレサマがかける。お礼は目玉。だけども、おまえさんが、このオレサマの名まえをいいあてたら、目玉の礼はカンベンしてあげる。どうじゃ、そういうことで約束したら。」
これを聞いて、大工さんはいろいろと考えこんだのですが、
「ありがとうございます。では、なにぶんともよろしくおねがい申しあげます。」
そういわないでおれませんでした。とにかく、ここへ橋をかけなければと、一生けんめい考えていたもので、つい、そういってしまったのです。すると、
「じゃ、いいかい。約束したぞ。」
そういう声がしたかと思うと、またブクブク、ブクブクブクブクと、あわがたち、鬼の頭は水底ふかくしずんでしまいました。
ところで、そのあくる朝です。大工さんが、
「あんなに約束したけれど、あの川の橋はどうなったろうか。かかっていないのも困るし、かかっていても困るし。」
そう思いながら、そうっと、そこへやってくると、まるで夢かと思うばかりに、そこには新しい大きな橋が、むこう岸まで、りっぱにかかっておりました。
「そうか。やっぱり鬼はウソをつかないで、ちゃーんと、大橋をかけてくれた。しかし、この目玉をどうしたものだろう。」
大工さんは目玉をおさえて、そんなひとりごとをいいました。と、もう、橋の下の水の上に、鬼の大首がうかんでいました。
「大工さん、このとおり、りっぱに橋はかけましたぞ。それで、目玉はどうしてくれるんだ。」
鬼がいいました。
「わかりました。一日待ってください。そのあいだに、あなたの名まえを考えます。」
「はっはっはっ。わかるもんかい。鬼とつきあいのない人間に、鬼の名まえがわかってたまるかい。はっはっはっ。」
鬼はそういって、また、水底にしずんでいきました。大工さんはいよいよ困りました。こまり困って、山の方へ歩いて行きました。歩いても、歩いても、いい考えもうかびません。しかし、気がつくと、もうたいへんな山奥《やまおく》へ来ていました。道に迷ったらしいのであります。ところが、フシギなことに、そんな山奥なのに、子どもの声がしております。それも、大ぜいで歌をうたっているような声なのです。
「ではひとつ、村へ帰る道を教えてもらいましょう。」
大工さんはそう考えて、その子どもたちの方へ歩いて行きました。歩いて行ってみて、しかし大工さんはビックリしました。だって、その子どもたちと思ったものが、人間の子どもではないのです。どれも、これも、みんなひたいに角のある鬼の子どもなんです。思わず、
「ワア、こりゃたいへん——。」
と、いいそうになりましたが、大工さんはこらえました。鬼の子たちが、まだ大工さんが近くにいることを知らず、おもしろそうに歌をうたっていたからです。しかも、その歌が、
「鬼六《おにろく》、鬼六、鬼六さん、
早く目玉を持ってこい。
大工の目玉を持ってこい。
橋のお礼を持ってこい。
鬼六、鬼六、鬼六さん。」
こう歌っておるのです。ふと、それに気がついて、大工さんはおどろくやら、うれしがるやら、むちゅうでそこを走りだし、メチャクチャに山の中をかけてました。そして、いつのまにか、村へ帰ってきていました。
そのあくる日のことです。大工さんは、また橋のところへ出かけました。すると、まもなく鬼の頭がブクブクうかんできました。
「どうだい、大工さん、オレの名がわかったかね。」
鬼がいいました。
「それが、なかなかわからないんです。」
大工さんがいいました。
「わからなけりゃ、その、あんたの目玉を二つちょうだいいたそうかね。」
鬼は大工さんの方へ、水の中を歩き、手をあげて、大工さんの目玉を指さしました。しかし、
「では、いいますよ。」
大工さんが、鬼の名をいいはじめました。
「川鬼。」
「フフフ、ちがう、ちがう。」
「では、水鬼。」
「ハハハ、ダメダメ。」
「では、大首鬼《おおくびおに》。」
「ホ、鬼の名まえがわかってたまるかい。」
鬼がそういったときです。大工さんは根《こん》かぎりの声で、
「鬼六っ。」
とよびました。すると、どうでしょう。そのしゅんかん、鬼の大首がポカッと消えて、あとには一つ、大きなあわが残りました。それもしかし、すぐポッと消えたということです。メデタシ、メデタシ。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%