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日本むかしばなし集15

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:ネズミの国むかし、むかし、おじいさんとおばあさんとがありました。ある日のこと、おじいさんが、土間《どま》をはいております
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ネズミの国

むかし、むかし、おじいさんとおばあさんとがありました。ある日のこと、おじいさんが、土間《どま》をはいておりますと、豆が一つぶ、ころころと、ころんで出てきました。そこでおじいさんは、その豆を拾って、
「ネズミ、ネズミ、おまえにくれる。」
そういって、ネズミの穴にころばしてやりました。すると、しばらくたってから、ネズミが一ぴき、その穴からちょろちょろと出てきました。そして、
「おじいさん、おじいさん。」
といいました。
「さっきは、ありがとうございました。なんとうまかったことでしょう。うちの者もみんな大喜びしました。それでおじいさん、なにもないけれど、おうちで、おじいさんにごちそうをさしあげたいといいます。わたしといっしょに、ちょっと、うちへきてください。」
おじいさんはこれを聞くと、ネズミの気持がうれしく、そのようすも、かわいくて、
「うん、そうか、そうか。ありがとう、ありがとう。」
といって、にこにこしました。けれども親類でも、友だちでもないネズミのことですから、
「まあ、きょうのところはえんりょしておく。」
と、おことわりしました。しかし、ネズミは、
「そうおっしゃらずに、ぜひ、きてください。」
と、しきりにすすめます。ついには、おじいさんの着物を引っぱって、
「さあ、さあ、どうぞ。」
というしまつです。それで、おじいさんは、しかたなく、よい着物に着かえて、
「では、えんりょなしに、ごちそうになりに行くとしようかの。」
と、そこへやってきました。すると、ネズミは、
「おじいさん、おじいさん、ちょっと、わたしにおぶわれて、目をつぶっていてください。わたしがいいというまでは、目をあけないでいてくださいよ。」
といいました。おじいさんがそのとおりにすると、ネズミは、おじいさんをおぶって、ちょろっと、ネズミの穴へはいって行きました。しばらくして、ネズミが、
「おじいさん、おじいさん、こんどは、目をあいてください。」
そういうものですから、おじいさんが目をあけると、なんともいえない美しい野原にきていました。右を見れば、サクラの花ざかり、左を見れば、キキョウの花ざかり、春秋の花が一度にさいて、花畑のような野原でした。おじいさんはびっくりしてしまいました。そんな野原をしばらく歩いて行きますと、りっぱな家があって、大きな門が立っていました。
「ここが、わたしのうちです。」
ネズミはそういって、走って行って、門をあけました。そうすると、親ネズミから兄ネズミ、姉ネズミから弟ネズミ、それから、いとこネズミまで、ぞろぞろ、つづいて出てきて、
「さあさあ、どうぞどうぞ、おじいさんよくきてくださいました。」
と、むかえました。そして、足を洗ってくれるやら、ふいてくれるやら。やがて、りっぱな座敷《ざしき》に案内されました。それから、うちじゅうの者が出てきて、
「おじいさん、おじいさん、さっきは、ありがとうございました。お豆、なんとおいしかったことでしょう。このうち、べつにおもしろいこともありませんが、どうか、まあゆっくりおとまりになっていてください。」
そんなあいさつなどをいたしました。それから、なにかぷんぷんいいにおいがしますので、そのほうを見ると、そこは台所で、たくさんのてつだいのネズミがきていて、なにかにるやら、あぶるやら、それはたいへんなさわぎです。そのうち、こんどはもちがふけたというので、土間に臼《うす》をたてました。そして、それをかこんで、たくさんのネズミがならびました。めいめい、きねを持っていて、たすきをかけたり、はちまきをしておる者もあります。と、一ぴきのネズミが、よい声でうたいだしました。
よいよいよいよい、
百になっても、
二百になっても、
ネコの声は、
聞きたくないじゃ。
ホーイ。
これが音頭《おんど》とりなのです。それで、ほかのネズミも、これに声をあわせ、百になっても、二百になっても、と、うたって、じょやじょやと、もちをつきました。
そのうちにおぜんができて座敷に運ばれてきました。おじいさんはいちばん上座《かみざ》にすえられ、
「おじいさん、おじいさん、おいしくもありませんが、ひとつ。」
といって、お酒をすすめられました。
「なにもありませんが、まあ、どうぞ、おはしをおつけください。」
と、ごちそうもすすめられました。それからもちがつけたと持ってくれば、そばが打てたとだしてきました。ネズミたちはつぎからつぎへ、かわるがわる出てきて、ごちそうを運ぶやら、おしゃくをするやらいたしました。おじいさんは、ネズミがすすめるままにごちそうを食べ、お酒を飲みしているあいだに、だいぶんよってきました。すると、こんどは、三味線《しやみせん》をひくネズミが出てきて、ピンシャン、ピンシャン、三味線をひきました。歌もうたいました。こんどは、おどるネズミが出てきて、赤い衣裳《いしよう》をつけて、一列にならんで、三味線と歌にあわせておどりました。
おじいさんは、もうすっかりおもしろくなって、
「うまいぞ、うまいぞ。」
と、手をたたいて、その歌とおどりをほめてやりました。すると、ネズミたちは、すっかり喜んで、一同のネズミがおじいさんの前にそろって、うたったりおどったりして見せました。おじいさんもうれしくなって、その中へ出て行って、いっしょにおどったりうたったりいたしました。
そのうち、おじいさんは、ふと気がかりになってきました。
(帰りがおそいと、おばあさんが心配して待っているだろう。)
と思われたからです。それで、そのことをネズミたちに話して、
「いや、もうずいぶんごちそうになりました。それに、こんなおもしろかったことは生まれてはじめてだ。ありがとう、ありがとう。」
と、お礼をいいました。帰ろうとしますと、ネズミは、
「おじいさん、おじいさん、これはおみやげです。おばあさんに持って行ってあげてください。」
そういって、床《とこ》の間《ま》にたくさんつんであったつづらの中から、いちばんきれいなのをえらんで、取りだしました。
「まあまあ、おみやげまでもらって、すまないなあ。」
おじいさんはそういって、なんどもお礼をして、つづらを持って、ネズミ一同に見送られて、そのネズミのうちを出てきました。
くるとき案内してくれたネズミがついてきて、まえの美しい野原へくると、
「おじいさん、また目をつぶっていてください。」
といいました。それからしばらくして、こんどは、
「さあ、目をあけてください。」
といいました。あけて見たら、そこはもう、穴の出口でした。そこで、おじいさんはうちに帰って、おばあさんにこの話を聞かせ、おみやげのつづらもだして見せました。中におみやげのたくさんはいっていたことといったら、おじいさんもおばあさんも大喜びでした。
ところで、この話をとなりのおじいさんが聞きました。すると、そのおじいさんは欲ばりでしたから、まねがしたくてならなくなりました。ごちそうになったり、おみやげのつづらがもらいたくてならなくなったのです。それで、ある日のこと、土間をはいて、それから豆を拾って、それをネズミの穴へ落としてやりました。そして、もうネズミが出て、お礼にくるか、もうくるかと、穴のそばで待っていました。すると、あんのじょう、穴からネズミがむかえにきました。欲ばりじいさんは大喜びで、そのネズミにおぶわれて、ネズミのうちへやってきました。そして、そこでまえのおじいさんと同じように、たいへんごちそうになりました。たくさんのネズミが出てきて、うたったり、おどったりしました。しかし、こんどのおじいさんは欲ばりですから、ごちそうをいっぱい欲ばって、おなかをふくろのようにふくらせて食べました。
そのうち、土間では、ネズミのもちつきが始まって、やはり、
よいよいよいよい、
百になっても、
二百になっても、
ネコの声は、
聞きたくないじゃ。
ホーイ。
というネズミの歌が声をそろえてうたわれました。これを聞くと、さっきから床の間に飾られている、たくさんのつづらを見て、
(どれをもらおうか、これにしようか。いやいや、みんなもらいたい。みんな持って行きたい。)
そんなことばかり考えていた欲ばりじいさんは、よいことを思いつきました。
(よしよし、ネコの鳴き声をしてやろう。そしたら、きっとネズミはみんな逃げて行く。そこで、床の間のおみやげをみんなそっくりもらって行く。)
そう考えると、そのおじいさんは横のほうを向いて、やりました。「ニャーン。」そしてま正面を向くと、知らん顔をしてすましていました。それから、またすこしたつと、横を向いて「ニャーン。」
ネズミたちはみんな耳を立て、はっとしてそのへんを見まわしておりました。そこでまた、
「ニャーン、ニャン、ニャン。」
と、やりますと、ネズミは大うろたえで、大そうどうをおこして、四方八方に逃《に》げました。ネズミの逃げたのは思うとおりでしたが、しかし、それと同時に、座敷のあかりがパッと消えました。そして、そこらじゅうがまっ暗《くら》になりました。それでも、おじいさんは、このときだとばかり、床の間のほうへ手さぐりで行って、おみやげのつづらをさがしました。けれども、もう、つづらはありませんでした。つづらがないばかりか、おじいさんの帰り道がわからなくなり、おじいさんは帰れなくなって困《こま》ったということであります。だから、欲ばりをしたり、人まねをしたりしてはなりません。
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