日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集18

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:権兵衛《ごんべえ》とカモ むかし、むかし、あるところに、権兵衛という男がいました。その権兵衛さんのうちの近くに大きな沼《
(单词翻译:双击或拖选)
権兵衛《ごんべえ》とカモ

 むかし、むかし、あるところに、権兵衛という男がいました。その権兵衛さんのうちの近くに大きな沼《ぬま》がありました。沼には秋から冬へかけて、たくさんのカモが飛んできて、水にもぐったり波にういたりして、遊んでいました。
寒い冬になって、沼の上に氷がはっても、カモはその上に群《むれ》になって、ねむったりしておりました。それで権兵衛さんは、そのカモをワナでとって、それでくらしをたてておりました。しかし、どうしたことか、権兵衛さんのおとうさんのころから、ワナはいつでも一つかけて、カモを一羽《いちわ》だけとるしきたりになっておりました。のんきに遊んでいるカモですから、それを何羽も一度にとるのはかわいそうだというので、そうなっていたのかもしれません。
ところで、権兵衛さんは考えました。——一日一羽なんてめんどくさい。一度に百羽《ひやつぱ》とって、あとの九十九日とらないでおれば同じことだ。そのほうが、九十九日遊んでおられて、どんなに楽なことだろう——。
そこで、権兵衛さんは、うまいことを考えついたと、ひとりで大喜びして、さっそく沼の氷の上に百のワナをしかけました。そのワナというのは、長いなわに、たくさんの輪形《わがた》がつくってあって、それに、カモの足がひっかかるようになったものであります。
さて、権兵衛さんが百のワナをしかけて、木のかげにかくれて、そのなわのはじっこを持ち、今か今かと待っていました。ところが、そんなワナとは知らないで、カモは、つぎからつぎへときて、みんなその足をとろうともがいておりました。そのときちょうど夜明けでしたので、沼の上が少し明かるくなりはじめ、権兵衛さんに、ワナにかかっているカモの数がかぞえられました。
「一羽、二羽、三羽——」権兵衛さんがかぞえてみますと、なんともう九十九羽も、かかっております。
「しめた、しめた、もう一羽だ。もう一羽で、九十九日は寝《ね》てくらせる。」
権兵衛さんはそう思って、一生けんめい、なわのはじっこをにぎったまま待っていました。そのあとの一羽が、どうしたことか、なかなかかかってくれません。ところが、だんだん夜が明けてきて、東の山の上に、ヌッとお日さまが出てきました。するとお日さまの光が沼の氷の上に、サッとばかりさしてきました。すると、九十九羽のカモは、みんないちように、ワナにかかっているのに気づき、ビックリして一度に、バタバタ、バタバタと、たちあがりました。九十九羽もが一度にたったのですからたまりません。そのなわのはじを持っていた権兵衛さんは、九十九羽の力で、ズズズ——と引きずられ、そのすえ、とうとう、カモといっしょに空高く引きあげられてしまいました。
カモたちはひとかたまりになって空にまいあがり、やがて山をこして、見知らぬ村のほうへ飛んで行ったのです。
権兵衛さんは気が気でありません。一本のなわにぶらさがったまま、
「オーイ、助けてくれ——」
よんでみましたけれども、高い空を飛んで行くものを、助けてくれる人もありません。
そのうち、権兵衛さんのぶらさがっていたなわが、ミリミリブツッと切れました。そしてアッというまもなく、下へ落ちて行きました。
ところが、落ちてるとちゅうでふしぎなことがおこりました。いつのまにか、権兵衛さんは、カモになっていました。羽《はね》がはえ、クチバシができて、そうなんです、身もかるがると空を飛んでいるのです。
どうもふしぎで、権兵衛さんには夢《ゆめ》のようにしか思えません。しかしなんにしても、もうカモになってしまっているのですから、カモのようにして生きていくよりしかたがありません。それで、空から見ると、むこうのほうに、一つの沼が見えたので、そこへおりることにきめました。おりて何か餌《えさ》を食べなければ、おなかがすいてたまらなくなったのです。
さて、どこの村とも知らない、一つの村の沼の岸に、カモになって権兵衛さんは、おりました。で、何か食べるものはと、そのへんを見まわしますと、小ブナが一ぴき、岸の水ぎわで、ピチピチ泳いでおりました。これは助かったと、その小ブナを食べに、そちらへ歩いて行きましたが、そのとき、何か足にひっかかったようで、もがいても、もがいてもとれません。よく見ると、それはいつも権兵衛さんが、それでカモをとっていた、あのワナでした。これを知ると、権兵衛さんは悲しくなりました。
「ああ、なんとしたことだろう。一羽とってさえ、カモはどんなに、かわいそうなことだろう。それを自分は、九十九日寝てくらそうと、百羽も一度にとろうとした。そのバチがあたって、とうとうカモになったばかりか、ワナにまでかかって、自分がカモにしたと同じようなめに、あうことになった。悪いことはできないものだ。」
そう思って、ポロポロと涙《なみだ》をこぼしました。すると、どうでしょう。その涙がワナにかかると、ワナがポロリと切れました。ワナが切れると、権兵衛さんは、
「やれ、ありがたや。」
と、また涙を流しましたが、その涙がこんどは目から顔を伝わって、からだのほうへ流れました。するとふしぎなことに、いつのまにか権兵衛さんのカモは、もとの人間の権兵衛さんになっていました。権兵衛さんは、これでもうカモとりをやめて、正直なしんせつな、やさしいお百姓《ひやくしよう》さんになったということであります。めでたし、めでたし。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%