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日本むかしばなし集26

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:ツルの恩がえしむかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんとがありました。おじいさんとおばあさんは、たいへん貧乏
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ツルの恩がえし

むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんとがありました。おじいさんとおばあさんは、たいへん貧乏《びんぼう》でした。しかし、たいへんよい人でした。
ある日のことです。おじいさんはまきをかついで、町のほうへ売りに出かけました。冬のことですから、ぼたん雪がどんどんどんどんふっていました。そして山もたんぼも雪がつもって、まっ白になっていました。おじいさんは、まきを売らねばその日の米にもこまるようなありさまですから、元気をだして、その雪の中を歩いて行きました。すると、むこうのたんぼの中で、バタバタバタバタ、雪をちらして、何かあばれているものがあるようです。
(いったい、この雪の中で、何があんなにさわいでいるのだろう。)
そう思って、おじいさんが近よってみますと、一羽《いちわ》のツルがわなにかかって、足を糸でくくられて、それでバタバタあばれているところでした。しかし、あばれればあばれるほど、わなの糸のことですから、ますます強くしまるだけで、けっして逃《に》げられるわけのものではありません。おじいさんは、それを見ると、ほんとうにかわいそうになって、
「待て待て、待て、ほかの人に見られるとつかまってしまうからな。今、わしが糸をほどいてやろう。」
そういって、まきをそこにおろし、ツルの足にからみついたわなの糸を、ときほどいてやりました。そうすると、ツルは二つのつばさを力いっぱい左右に開き、バタバタバタッと空気を打って、上に高くまいあがって行きました。どんなにうれしかったのでありましょうか。
「カウ、カウ、カウ。」
と、高くひびきわたる声で鳴いて、おじいさんの頭の上を三べんまわって、それから山のほうへたって行きました。
おじいさんは、そのツルが山のほうへ、しだいしだいに小さくなり、やがて、山をこして見えなくなってしまうまで、それを見送っておりました。ツルが見えなくなってしまうと、おじいさんは、ひとりごとをいいました。
「よいことをしてやった。どうやら、きょうは運のよい日らしい。」
おじいさんはよい気持になって、それからまたまきをかついで、町へ出かけて行きました。
「まきは、いりませんかあ——。まきは、ようございますかあ——」
と、町を、雪の中をふれて歩きました。ツルを助けて、よいことをしたと思っているものですから、とても元気で、やがて、まきを売りつくし、家へ帰ってまいりました。しかし、家に帰ると、にわかに寒くなったような気がして、
「ああ、寒い寒い。」
そういって、いろりに手をひろげ、またを開いてあたりました。それからきょうあったことを、おばあさんに話しだしました。
「おばあさん、おばあさん、きょう、わしは、それはよいことをしてやった。」
ツルを助けた話です。おばあさんもそれを聞くと、
「ほんに、よいことをせられましたなあ。」
と、おじいさんといっしょに喜びました。しかし、そんなにしているうちに、もう夕がたになりました。晩《ばん》のごはんのしたくをしなければならない時刻になったのです。
「どれ、ひとつお夕はんのしたくでもしましょうか。」
おばあさんがそういって立ちあがろうとしたときです。表の戸をトントントンとたたく者があります。耳をすまして聞くと、
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
と、それはかわいい声がいっております。この大雪の中をだれがいったい、やってきたのだろう。そう、ふしんに思って、
「どなた——」
おばあさんがいって、戸をあけて見ると、そこには雪にまぶれて、まっ白になった人が立っております。
「まあ、この雪のふるのに、さぞ寒かったことでしょう。さあ、早くおはいりなさい。」
おばあさんがいいますと、
「ええ、ありがとうございます。それではごめんくださいませ。」
そういって、はいってきたのを見ると、それは十七八のほんとうにきれいな、かわいい娘《むすめ》だったのであります。
そこで、おじいさんが、
「この雪のふる中を、おまえはどこの娘さんで、また、どんな用事があって来なさった。」
と聞きますと、その娘さんのいいますことに、
「あの、この先の町に知りあいの人がありまして、わたしはその方をたずねてきた者でございます。それがこのような大雪になりまして、日も暮《く》れますし、道もわかりませず、ほんとうに、難儀《なんぎ》をいたしておりまする。それで、まことにすまないことでございますが、土間《どま》か、物置《ものおき》のすみでもよろしゅうございますが、今夜一晩《ひとばん》、おたくにとめてくださいませんでしょうか。」
これを聞くと、おじいさんは、おばあさんに相談しました。
「それは、それは、ほんにかわいそうなことだ。とめてあげるのはわけないことじゃが、しかし、おばあさん、どうしたもんじゃろう。」
おばあさんもまたいいました。
「そりゃ、とめてあげるのはかまわんことじゃが、うちは貧乏でのう、ふとんもなければ、食べものもろくなものがない。それが気のどくで——」
すると、娘がいいました。
「どういたしまして。ただもう、とめてさえくださいますれば、わたしはふとんもいりません。食べものもどんなものでもけっこうです。」
これを聞くと、おばあさんが、
「それさえ承知なら、うちのほうはかまわんから、さ、早くあがって、火にあたりなさい。」
というのでありました。娘はもうたいへん喜んで、足をふいて上にあがりました。あがりましたが、火にあたろうともせず、もう、はや、たもとから赤いたすきをだして、
「おばあさん、晩のしたくをてつだわせてくださいませ。」
そういいました。
「いやいや、うちは貧乏だからなあ、てつだってもらうほどのしごともない。おまえはそこにあたっていなさいよ。」
おばあさんがいいましたが、娘はききません。そして、
「どうか、わたしにさせてください。」
たのむようにそういうものですから、娘にさせてみますと、ごはんをたくのもじょうずなら、おかずをつくるのもじょうず、そのうえ親切で、ていねいで、米一つぶもこぼしません。おじいさんやおばあさんのお給仕《きゆうじ》をして、それから自分も食べて、そのあとをきれいにかたづけて、ちょっとおちついたかと思うと、すぐおじいさんの後《うしろ》へまわっていいました。
「おじいさん、おじいさん、昼のおつかれで、肩《かた》やお腰《こし》がこっていましょう。へたではございますが、あんまをさせてくださいませ。」
「いやいや、おまえさんこそおつかれだろう。今夜は大雪で、ずいぶん寒い。ずっとこっちへ来て、ようく火にあたりなさい。」
おじいさんがいってもききません。それで、あんまをしてもらいますと、とてもじょうずで、うとうとするほどよい気持です。おじいさんがすむと、こんどはおばあさんのあんまもするというありさまです。
このようにして、その夜は寝ましたが、朝になると、娘さんは、おじいさんおばあさんより早く起きていて、もういろりには火がもえており、土間のそうじもすみ、ごはんの用意もできております。おばあさんには水ひとつ使わせないほど働きます。ところが、その日も大雪で、戸をあけることさえできません。しかたなく、娘はその日もとめてもらいました。そのつぎの日も、またつぎの日も、大雪がつづいて、とうとう娘は、四五日もとめてもらうようなことになってしまいました。
すると、ある日、その娘のいいますことに、
「あの、おじいさん、おばあさん、わたしにひとつおねがいがあるのですが——」
そういって、たいへんいいにくそうにしております。おじいさんもおばあさんも、その娘をとてもかわいく思っておりましたので、
「さ、いってごらん。どんなおねがいでも、わたしたちにできることなら、きっとかなえてあげようから——」
「では申しますが。」
そういって、娘の話すのを聞きますと、娘は両親に死にわかれ、このさきの町の知りあいをたよって、やってきたのだそうであります。しかし、その知りあいといっても、今まで見たことも、あったこともない人なもんで、これからたずねるといっても、何かえんりょで行きかねるというのであります。それで、こうして、ここでごやっかいになるのも何かの縁《えん》と思いますから、いっそこの家の子にしてくださいませんでしょうか。そうすれば、いたらない者ではありますが、一生けんめい孝行いたします。——と、その娘はそういうのでありました。ところで、これを聞くと、おじいさんおばあさん、どんなに喜んだことでありましょう。
「そうか、そうか。なんとまあ、かわいそうなことだ。うちにはちょうど子どもがなくて、さびしくてならんとこだった。おまえのようなよい子が、うちの子になってくれるなんて、これは神さまのおさずかりものだ。」
そういって、その子を自分とこの子にいたしました。娘はそれから、かげひなたなく働いて、おじいさんおばあさんに、よく孝行をいたしました。
ところで、ある日のことであります。娘がおじいさんにいいました。
「おじいさん、おじいさん。わたしははたを織ってみたいと思いますから、町から糸を買ってきてくださいな。」
おじいさんは、そうかそうかと、町から糸を買ってきてやりますと、娘は、機《はた》のしたくをして、奥座敷《おくざしき》のまんなかにそれをすえました。そしてそのまわりを、びょうぶでぐるりっとかこみました。それからおじいさんおばあさんにいいました。
「わたしは、これから機を織りますから、織っているうちは、どんなことがあっても、中をのぞいてはいけませんよ。どうか中を見ないようにしてください。」
おじいさんおばあさんは、
「よいともよいとも、どんなことがあっても、のぞきはしないから、安心して織りなさい。」
そういってやりました。すると、娘はびょうぶの中へはいって、まもなく機を織りだしました。おじいさんとおばあさんが、いろりのそばで、その機を織る音を聞いておりますと、
「キイトン、バタバタ、バタバタ、キイ、トントン。」
といっております。とてもにぎやかな音なのです。ふたりは感心して聞いておりました。その日は娘はごはんも食べないで、一生けんめい機を織りつづけました。晩になると、その織り場から出てきましたが、あくる日もまたびょうぶの中で、キイトン、バタバタ、キイトン、バタバタと一生けんめいにやりました。
三日めの晩のことです。機をほどく音がしたかと思うと、娘がびょうぶの中から出てきて、
「おじいさん、おばあさん、ちょっと見てくださいませ、こんなものを織りましたから——」
そういって、一枚のきれを、おじいさんおばあさんの前にだしました。
ふたりは、
「どれどれ。」
と、手に取って見ますと、ぴかぴか光って、白いもようのある、とても美しい織りものであります。
「なんときれいな織りものだろう。生まれてから、こんなものはまだ見たことがない。」
ふたりが感心しておりますと、
「これは綾錦《あやにしき》というものです。あすはこれを町へ持って行って、売って、そのかわり、糸を買ってきてください。」
と、娘がいいました。で、あくる日になると、おじいさんはそれを持って町へ行き、
「綾錦は、いりませんかあ——。綾錦は、ようござんすかあ——」
そうよんで歩きました。すると、ちょうどそこへ殿《との》さまが通りかかられ、
「綾錦とはめずらしいものだ。どれ、ひとつ見せてくれ。」
といわれました。おじいさんがごらんにいれると、
「これはりっぱな綾錦だ、買ってとらせる。」
といって、たくさん小判《こばん》をくださいました。おじいさんはたくさんの小判にびっくりしましたが、それで新しい糸や、娘やおばあさんにおみやげなど、たくさん買いものをして、家へ帰って行きました。うちじゅう、もう大喜びでありました。
つぎの日になると、娘はまた、したくをして、キイトン、バタバタを始めました。そして三日たつと、まえよりもっと美しい綾錦を織りあげました。おじいさんはそれを持って町へ行き、殿さまにごらんにいれました。そして、またたくさんの小判をいただきました。おじいさんは大喜びして、
(うちの娘は、なんとえらい娘だろう。)
と、思いました。このたびも、糸やおみやげを、たくさん買って、家へ帰りました。すると娘は、また三度めの機のしたくにとりかかり、キイトン、バタバタを始めました。
ところで、それから三日めになったときのことです。おばあさんがいいました。
「なんとじょうずに、機を織る娘でしょう。わたしは、ちょっと、のぞいて見てきますからね——」
おじいさんはびっくりして、娘があんなにいっていたからといって、おばあさんをとめましたが、おばあさんはききません。
「ちょっと、ほんのちょっと。」
といって、座敷へ行って、びょうぶの中をそっとのぞきました。おばあさんはびっくりしました。中には娘はいなくて、一羽のツルが、大きなつばさをひろげ、自分のくちばしで、自分のはだの綿毛《わたげ》をぬき、それを糸のあいだにはさんで、一生けんめい機を織っておりました。そして、ツルは、もう大半自分の毛をぬいて、まるではだかのようなむごたらしい姿になっておりました。
「おじいさん、おじいさん。」
かけるようにもどってきて、おばあさんはそのことを、おじいさんに知らせました。
と、その晩のことです。織りあげた綾錦を持って出てきた娘は、おじいさんおばあさんの前に両手をついていいました。
「おじいさん、おばあさん。長いあいだごやっかいになりました。わたしはいつぞや大雪の日に助けていただいた、わなにかかったあのツルでございます。ご恩をおかえししたいと思い、こんな娘に姿《すがた》を変えておりました。しかし、きょうは、おばあさんに正体を見とどけられましたから、もうこんな姿でもおれません。では、おいとまいたします。」
そういって、おじいさんおばあさんがどんなにとめてもききません。そうして、えんがわからバタバタッと羽ばたきをして、見るまに空にまいあがり、家の上を三べんまわって、カウ、カウ、カウと鳴きながら、山のほうへ飛んで行ってしまいました。
おじいさんおばあさんは、ツルのもうけてくれたお金でその後も安楽《あんらく》にくらしたそうであります。
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