ちゃくりかきす
きっちょむさんが、お茶とカキと、クリとスを売りに町へ出かけました。とにかく、こんなにいくつもの物を売るのですから、どういって売ったらいいか、わかりません。そこで、まず、
「ちゃっくり、かきす。すっくり、かきじゃ。」
こういって、呼《よ》んで行きました。一日、大声を出してよんで行ったのですが、てんで売れません。夕方ヘトヘトにつかれて帰って来て、おかみさんにその話をしました。おかみさんはこれを聞いて、
「そんな呼び方ってあるもんですか。スはス、クリはクリ、カキはカキ、お茶はお茶。みなべつべつに呼んで行かなきゃダメですよ。」
きびしく、そういってやりました。きっちょむさんは、
「よしよし。明日から、そのべつべつの呼び方をやる。」
そういっていましたが、その明日です。きっちょむさんの呼び方を聞くと、
「スはスでべーつべつ。クリはクリでべーつべつ。カキはカキでべーつべつ。茶は茶でべーつべつ。」
べつべつに呼んでいますが、しかし、たいへんな呼び方で、やはり一つも売れませんでした。
「ちゃっくり、かきす。すっくり、かきじゃ。」
こういって、呼《よ》んで行きました。一日、大声を出してよんで行ったのですが、てんで売れません。夕方ヘトヘトにつかれて帰って来て、おかみさんにその話をしました。おかみさんはこれを聞いて、
「そんな呼び方ってあるもんですか。スはス、クリはクリ、カキはカキ、お茶はお茶。みなべつべつに呼んで行かなきゃダメですよ。」
きびしく、そういってやりました。きっちょむさんは、
「よしよし。明日から、そのべつべつの呼び方をやる。」
そういっていましたが、その明日です。きっちょむさんの呼び方を聞くと、
「スはスでべーつべつ。クリはクリでべーつべつ。カキはカキでべーつべつ。茶は茶でべーつべつ。」
べつべつに呼んでいますが、しかし、たいへんな呼び方で、やはり一つも売れませんでした。