日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集39

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:はなたれ小僧《こぞう》さまむかし、むかしです。貧乏《びんぼう》な男がおりました。花をつくって、毎日、町へ売りに出かけてい
(单词翻译:双击或拖选)
はなたれ小僧《こぞう》さま

むかし、むかしです。貧乏《びんぼう》な男がおりました。花をつくって、毎日、町へ売りに出かけていました。
「花や花、美しい花。」
ところが、どんなに美しい花でも、売れることもあれば、売れないこともあります。売れなくて、その美しい花が残ることがあると、帰《かえ》りに、川口のところで、花を水へ投げこみました。そして、そのたび、
「そうれえ、竜宮《りゆうぐう》の乙姫《おとひめ》さま、花をあげますぞう。」
そういいました。ところが、ある日のこと、花を売って帰ってくると、たいへんです。その川が大水になっていて、わたることができません。
「はて、困ったなあ。どうしよう。」
岸に立って考えていると、足もとに泳ぎよってきたものがあります。一ぴきのカメです。カメもカメ、大きなカメです。浦島太郎《うらしまたろう》が乗ったという、あんなカメなんです。しかも、そのカメが背中《せなか》を後向《うしろむ》きにして、その男に、さも「乗れ、乗れ」というようなかっこうをしております。
「あ、そうか。むこうへわたしてくれるのか。」
男は、そうひとりがってんをして、そのカメのこうらの上に乗りました。すると、こころえたもので、カメはスーッと川のなかへ出て行きました。出て行ったのはいいのですが、しばらくたって気がつくと、なんだか、わけのわからないところへ来ています。シナのようにも思えれば、インドのようにも思われて、果《は》てはゴクラクかとも思えるようなところです。そこで、男は、
「カメさん、カメさん、ここはいったいどこですか。」
そういって、カメにきいてみました。
「ここですか。」
カメは短い首を後にねじ向けていいました。
「ここは竜宮というところです。」
「あっ、竜宮ですか。それは困《こま》った。むかし、むかし、浦島太郎という人が、二、三日おったと思ったら、そのあいだに百年もたっていたという、あの海の底の竜宮でしょう。どうも、このカメさん、浦島太郎が乗ったカメによく似《に》ていると思ったんだが、やっぱり、そうだったのですか。しかし、竜宮へ来てしまっては、もう日本では二、三十年たってるでしょうね。こまった、こまった。」
男はしきりにそういいました。しかし、カメは、
「そんなことはありませんよ。おまえさまが、いつもよく花をくださるんで、それで、乙姫さまがお礼をいいたいと、おっしゃるんだ。心配いりません。」
そういうのでした。そして、すぐ竜宮の乙姫さまの御殿《ごてん》につきました。タイや、ヒラメや、タコや、クラゲが、御殿の玄関《げんかん》で大ぜいならんで、その男を待っていました。
「いらっしゃいませ。」
みんなは、いっせいに頭をさげ、男を乙姫さまのところへ案内しました。すると、乙姫さまがいいました。
「いつも美しいお花をありがとう。きょうは、花のお礼に、おまえさんにひとり、男の子をあげようと思って、それでカメをお迎《むか》えに出しました。その子というのは、これですが、これを家へつれてって、たいせつにやしなってごらんなさい。おまえさんの望みは、なんでもかないます。この子はそういう子なんです。」
そう乙姫さまにいわれて、男は、
「ありがとうございます。」
と、頭をさげました。それから乙姫のそばに立ってるその男の子を、つくづくとながめました。見れば見るほど、しかし、その子はきたない子どもでした。はなをたらし、よだれをたらし、なんともみっともない子どもなんです。
「それで、その子は、なんという名まえでございましょうか。」
男がきくと、
「トホウというのです。」
乙姫がいいました。
「それでは、トホウをちょうだいしてまいります。」
男はそういって、トホウをつれて、カメの背に乗って、日本へ帰ってきました。帰ってみると、自分の家がせまく思われてなりません。そこで、まず、ものはためしと、トホウに話しかけました。
「トホウ、トホウ、家がせまくて困るんだが。」
いうかいわないかに、トホウは目をつぶって、手を三つ、パン、パン、パンと打ちました。すると、もう目のさめるようなきれいな家が目のまえに立っていました。
「や、ありがとう。おまえさん、たいへんな術ができるんだねえ。」
男は感心してしまいました。しかし、家へ入ってみると、しきものがほしくなりました。そこで、
「トホウ、トホウ。」
とよんで、しきものをたのみました。しきものができると、タンスがほしくなりました。タンスができると、きものがいるようになりました。こうして、なにからなにまで、もうほしいものが考えつけないほど、トホウにたのんで出してもらいました。おわりに、お金《かね》を、むかしの金で千両《りよう》ほど出してもらって、番頭《ばんとう》さんはおく、女中《じよちゆう》さんはおく、ぜいたくにくらすことになりました。もう花売りになんか行きません。人にお金を貸して、貸し賃《ちん》をとって、それでくらすようになったのです。
それから五年ほど、月日がたちました。男もそのへんで指折りのお金持になったもので、あっちへよばれ、こっちへよばれ、お客さまに行くことが多くなりました。ごちそうをして、お客さまをよぶことも、たびたびでした。
ところが、トホウです。そのダンナになった男のそばについていて、一分たりともはなれません。男は、しだいしだいに、トホウがきたなく思われ、いやになってきたのです。どこに行くにも、ついてくるしまつで、ほんとに困ってしまいました。それで、
「トホウ、トホウ、そのはなをかむわけにはいかんのかい。」
あまりはなをたらすので、そうききますと、
「おれには、かまれない。」
トホウは、そういいます。
「よだれをふくわけにはいかんかい。」
そういいますと、
「そんなこと、おれにはできない。」
そういうのです。そこで、男はもうトホウに用がなくなったように思われ、
「では、長いあいだ、やっかいになったが、おまえ、帰るところはないのか。」
そういいました。すると、トホウは、
「わかりました。」
そういって、その家を出て行きました。
トホウがその家を出ると、とたんに、家がむかしの貧乏家《びんぼうや》に変り、男のきているきものも、むかしどおり、そまつなきものになりました。夢《ゆめ》がさめたようなありさまです。男はびっくりしましたが、どうすることもできませんでした。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%