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日本むかしばなし集44

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:宮《りゆうぐう》のおよめさんこれは喜界《きかい》ガ島《しま》という、日本の南の果《は》てにある島のおはなしです。むかし、
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宮《りゆうぐう》のおよめさん

これは喜界《きかい》ガ島《しま》という、日本の南の果《は》てにある島のおはなしです。
むかし、むかし、貧乏《びんぼう》な男がありました。たきものがないので、海岸へたきぎ拾いに行きました。波で流れよった木が、そこにはたくさんころがっていたのです。ところが、木を拾っているうち、岩かげの砂の中に、カメがたくさん卵《たまご》をうみつけているのを見つけました。いいえ、その卵から、小さいカメの子がつぎつぎ生まれているのを見つけたのです。
カメというものは、子どもが生まれるときには、親ガメが迎《むか》えにくるといわれております。そして、生まれた順に一列にならべて、一ぴき残らず引きつれて行くのだそうです。男はその話を思い出して、そのへんを見まわすと、やはり親ガメが波うちぎわに来て、首をあげて、子ガメの方を見ていました。迎えには来たのですが、人間がいるので、子ガメのところにこられないようすであります。そこで男は、親ガメの心を察《さつ》して、子ガメを一列にならべて、
「さあ、おかあさんが迎えに来ている。早く海へ行きなさい。」
と、そういってやりました。すると、子ガメたちは喜びいさんで、ゾロゾロ波うちぎわにおりて行きました。そして親ガメといっしょに、海の中へ泳ぎ出しました。
それから、しばらく後、男がとったたきぎを背負《せお》うて、いざ帰ろうとしますと、
「さきほどはありがとうございました。」
うしろの方でそういうものがあります。見ると、一ぴきのカメです。
「子どもをお助けくださったので、ぜひお礼をいたしとう存じます。わたしの背中におのりください。竜宮へごあんないいたします。」
カメはそういいました。
「竜宮は遠いところにあるのだろう。」
男がそういって、行きたくないような顔をしますと、
「いいえ、すぐです。わたしの背中の上で、ちょっと目をつぶっておられれば、もう竜宮です。」
カメがいいました。そこで、男はカメの背に乗り、ちょっと目をつぶりました。そして目をあけて見たら、ホントに、もう竜宮でした。そのとき、カメがいいました。
「あとで竜王さまのところへおつれしますが、竜王が、なにがほしいかといわれましたら、およめさんがほしいといわれませ。」
そこで、男はカメのあんないで、美しい竜宮のほうぼうを見物しました。おしまいに、竜王の前へ出て、あいさつをしました。するとカメのいったとおり、
「おみやげには、なにがほしいぞ。」
竜王がいいました。
「およめさんがほしゅうございます。」
男がいいました。
「よろしい。竜宮一の美しい娘をおまえのおよめさんにさしあげる。大切にして、なかよくくらしなさい。」
竜王がそういったかと思うと、もう男のそばに、まばゆいほども美しい娘さんが立っていました。
ふたりはそれぞれ一ぴきずつのカメに乗って、竜宮を出発《しゆつぱつ》しました。といっても、目をつぶって、目をあけたばかりです。もうもとの海べについていました。そこで、男はおよめさんを、家へつれて行って、ふたりでくらすことになりました。ところが、なんといいおよめさんだったことでしょう。美しいばかりか、男をとても大切にしてくれます。そのうえ、それから後、男が海へ漁《りよう》に行けば、いつも、いつも大漁です。カゴに入りきらないくらい魚がとれます。たんぼにイネをつくれば、毎年毎年、豊年《ほうねん》です。男はたいへんしあわせになりました。子どもも三人できて、かわいらしいこと、この上なしです。
ところが、ここにフシギなことがありました。そのいいおよめさんが一日に一度、行水《ぎようずい》をつかいます。座敷《ざしき》のまん中にタライをおいて、まわりにビョウブを立てめぐらし、その中で水をあびるのであります。しかし、それを決して見てはならないと、男に申します。それで男は何年となく、それをのぞいたことはなかったのです。しかし、あるとき、フト見たいような気がして、そのビョウブの中をのぞきました。すると、どうでしょう。タライの中にいるのは、一ぴきの魚でした。タイのような魚がジャブジャブ、ジャブジャブ、ヒレを動かして泳いでおりました。男は、まったくおどろきました。
するとまもなく、そのビョウブから出て来て、およめさんが男にいいました。
「あれほどおねがいしてあったのに、わたしの正体《しようたい》を見られましたから、もう、これで、おいとまいたします。」
そして、およめさんは魚になって、海へ帰って行きました。男も、三人の子どもたちも、一生けんめい引きとめましたが、どうすることもできませんでした。むかし、むかしのお話です。
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