日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集48

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:山姥《やまんば》と小僧《こぞう》むかし、むかし、ある山里《やまざと》に一つのお寺がありました。そこに、和尚《おしよう》さ
(单词翻译:双击或拖选)
山姥《やまんば》と小僧《こぞう》

むかし、むかし、ある山里《やまざと》に一つのお寺がありました。そこに、和尚《おしよう》さんと小僧さんとが住んでいました。ある日のこと、和尚さんが小僧さんにいいました。
「小僧、小僧、あすは彼岸《ひがん》の中日《ちゆうにち》だから、山へ行って、仏さまにおそなえするヒガンバナを取ってきてくれ。」
「はい。」
といって、小僧さんが出かけようとしますと、和尚さんが三枚《まい》のお札《ふだ》をくれました。そして、小僧さんにいいました。そのころは、山の中に天狗《てんぐ》だの、山姥だの、それはおそろしいものが住んでいたからです。
「もし、何かこわいものに出あったらな、この札を、それに投げつけて、おまえの出したいと思うものをいえばいいぞ。海が出したかったら、海出ろうッ、というのだ。すると、そこに海が出るからな。こわいものが海をわたりかねて、こまっているあいだに、ここへ逃《に》げてきなさい。いいか、わかったか。」
「はい、わかりました。」
小僧さんは、三枚のお札をもらって、出発しました。
ところで、小僧さん、ヒガンバナを取りに山へはいってみると、や、さいてた、さいてた。大きくて、まっかな花が見わたすかぎりさきみだれていました。小僧さんは、目うつりがして、どれから取っていいかわかりません。それで、あれを取ろうか、これを取ろうかと歩いて行くと、先へ行くほど、花は美しくなり、大きくなり、ついには、一ふさで小僧さんの頭ほどもある、大きな花がさいていました。小僧さんは、こんな花の美しさにさそわれ、ついつい山を奥《おく》へ奥へと歩いて行きました。で、気がついたときには、もう日が暮《く》れかかっていました。
「これはたいへん。」
と、おどろいて、さて帰ろうとすると、また、こまったことに、こんどは道がわからなくなってしまいました。あわてて道をいそぎ、あっちこっちと行ったり、来たり、あせっていますと、いよいよ、道はなくなってしまい、そのうえ、日がすっかり暮れて、あたりがまっ暗になりました。小僧さんは、もう泣《な》きそうになりながら、あるとも、ないともわからないような道をかきわけて、歩いていました。と、むこうに、森の中に、木がくれに、なんだかあかりのようなものが見えました。
「やれ、うれしや、あすこに、だれか人が住んでる。」
小僧さんは大喜びして、そのあかりのようなものをたよりにやって行きますと、そこは、森の中の一軒家《いつけんや》で、窓にあかりがさしていました。
「ありがたや、ありがたや。これも仏さまのおかげだ。」
そう思いながら、小僧さんは、その家の戸口をたたきました。
「おばんでございます。道にまよって、こまっております者、どうか、今晩《こんばん》一晩、とめてくださいませんか。」
すると、中から、
「おう、おう。」
と、へんな声をして戸をあけた者がありました。見ると、それはおそろしい山姥だったのです。山姥は、小僧さんを見ると、
「さあさあ、はいりなさい。道にまよった者かい。それはさぞ難儀《なんぎ》だったろ。」
そんなことをいって、上《じよう》きげんで中へ案内《あんない》しました。小僧さんは、いよいよこまりましたが、しかし、もうしかたがありません。案内されるままに中にはいり、すすめられるままに、晩のごはんも食べました。寝《ね》るときになってみると、山姥がすぐそばに寝て、なんだか、小僧さんの番をしているようです。小僧さんは、山姥がねむったら逃げようと思って、寝たふりをして、グウグウいびきをかいてみせたのですが、山姥は、やっぱり、目をさましているようです。これでは、きっと山姥、今晩のうちに、おれを食うつもりだな——そう思うと、小僧さんは、もうじっとしていられなくなって、山姥にいいました。
「山姥さん、山姥さん、おれ、お便所へ行きたくなった。」
すると、山姥がしかるようにいいました。
「こらえていなさい。」
「それが、こらえられないんだよ。」
山姥は、しかたがないように舌うちをして、
「では、すぐ出てくるんだよ。逃げたら承知《しようち》しないから。」
そういって、小僧さんの腰《こし》に綱《つな》をつけ、自分は床《とこ》の中でその綱のはしをにぎっていました。小僧さんは便所に行くと、その綱をといて、はしを便所の柱に結びつけました。そして、
「便所の神さま、便所の神さま、山姥が、小僧、小僧とよびましたら、まだまだプップッといっておくんなさい。おねがいいたします。おたのみいたします。」
そうおがんでおいて、そこの窓《まど》から、いちもくさんに逃げだしました。
さて、山姥のほうでは、小僧さんの便所があまり長いもので、しだいに、いらいらしてきて、
「小僧、長いぞ。」
そう声をかけました。すると、便所のほうで、
「まだまだプップッ。」
という声がしました。しかたなく、山姥はまたすこし待ちました。しかし、いつまでたっても出てこないので、三べんも四へんも、小僧小僧とよびたてました。
そのたびに便所からは、
「まだまだプップッ。」
という返事ばかり聞こえてきました。で、どうもこれはすこしへんだと考えて、
「いかになんでも、あまりてまがとれるじゃないか。」
そうおこって、綱のはしをぐんぐん、ぐんぐん、引っぱりました。すると、これはどうしたことでしょう。便所の柱がゴトゴト大きな音をたてて、ころがってきました。山姥は、これにはおどろき、腹《はら》をたてて、
「小僧のやつ、よくもおれをたぶらかして逃げやがった。」
と、とび起きて、小僧さんのあとを追いかけました。小僧さんは、一生《いつしよう》けんめい走りましたが、なにぶん知らない道ではあるし、それに、山姥は足が早いもので、見るまに山姥に追いつかれてしまいました。山姥は、もう小僧さんのすぐ後にきて、
「小僧、待て、待たんか、小僧。」
とよびたてました。そこで、小僧さんは、このときぞと、和尚さんにもらったお札を取りだして、その一枚を山姥のほうへ投げました。そして、大きな声でいいました。
「川になれ、大川になれい。」
と、そこに大きな川ができました。水がどうどうとすごいいきおいで流れている大川です。しかし、山姥のことですから、そんなことはすこしもおかまいなく、ザブザブ、ザブザブと、その水の中をわたって、また、たいへんな元気で追いかけてきました。そして小僧さんがいくらも逃げのびるひまもなく、すぐもう後に追いついて、また、
「小僧、待て、待たんか、小僧。」
とよびました。そこで、小僧さん、二枚めのお札をだして、
「山になれ、高い高い山になあれ。」
と、山姥のほうに投げました。と、こんどは、そこに山ができました。それこそ、何千メートルという高山ができたのです。しかし、山姥のことです。
「なに、これしきの山が。」
といって、見るまにそれにかけのぼり、見るまにそれをかけおりました。そして小僧さん、いくらも逃げのびるひまがありません。すぐもう後に追いつめてきました。
「小僧、待て、待たんか、小僧。」
もう、後でよび始めたのです。そこで小僧さん、こんどこそはと、おわりの三枚めのお札をだしました。
「火事になれ、大火事になれ。」
そういって、山姥のほうに投げました。すると、山姥の前に、火の海ができました。ゴンゴン、ゴンゴン、山のような大きな火が、海のようにもえひろがったのです。しかし、山姥のことですから、それも煙《けむり》をわけ、炎《ほのお》をわたりしてやってきました。やはり小僧さん、いくらも逃げのびるひまがなかったのです。
ところが、そのとき、小僧さんふと気がついてみると、お寺の門の前に立っていました。
「あれ、お寺ではないか。」
思わず、小僧さんはそういいましたが、まったくお寺にちがいありません。それで、たいへん安心《あんしん》して、すぐ玄関《げんかん》にかけこみました。ところが、なにぶん夜だもので、そこにはかたく戸がしまっていました。で、戸をとんとん、とんとん、たたいて、大声で和尚さんをよびました。
「和尚さん、和尚さん、早く戸をあけてください。山姥に追われて逃げてきたのです。もう、そこまで追いかけてきています。早く早く。」
すると、和尚さんの声が、中から聞こえました。
「よしよし、今、戸をあけてやる。しかし、ちょっと小便をしなけりゃ。」
のんきなことをいうもので、小僧さん、気が気でなく、
「和尚さん、山姥はもう門をはいりました。早く、戸をあけてください。すぐあけてください。」
また大声でよびました。と、また、中から和尚さんがいいました。
「せくな、せくな、今、手を洗ってるところだ。」
そして、やっと戸をあけて、小僧さんを入れてくれました。それからこんどは大いそぎで、つづらの中に小僧さんをおしこみ、そのつづらを井戸《いど》の天井《てんじよう》につるしました。
和尚さんが、そのつづらをつるしたとたんに、玄関へ山姥がとびこんできて、大きな声でわめきました。
「和尚、和尚、ここへ小僧がひとり逃げこんだろう。」
和尚さんはいいました。
「あわてなさんな、山姥どん。小僧なんてものはこなかったよ。」
「いやいや、たしかに、この寺にとびこんだ。おれは、それをこの目で見た。」
山姥がいいました。そして、ふたりは、
「いや、こない。」
「いや、きた。」
と、いいあいになりました。それで、和尚さんは、
「それなら、どこでも、さがしてみるがよい。」
といいました。山姥は、
「よしきた。」
と、お寺のなかにかけこんで、うちの中をあちらこちらとさがしまわりました。どこにも、小僧さんの影も形もありません。しかし、おわりに山姥が、井戸の中をのぞくと、そこの水の上に、つるしたつづらのすがたがうつっていました。これを見た山姥は、それが水にうつったつづらとは知らないで、
「なあんだ。こんなとこにかくしてやがる。」
と、大喜びして、そのうつったつづらをめがけて、まっさかさまに井戸の中にとびこみました。これを見た和尚さんは、大いそぎで井戸のふたをして、その上に大きな石をおいて、山姥が出られないようにしてしまいました。さすがの山姥も、それなり井戸から出ることができず、和尚さんに退治《たいじ》されてしまったそうです。めでたし、めでたし。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%