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日本むかしばなし集51

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:海の水はなぜからいむかし、むかし、あるところに、兄と弟がありました。兄のほうは、なまいきで、あまりかしこくないほうであり
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海の水はなぜからい

むかし、むかし、あるところに、兄と弟がありました。兄のほうは、なまいきで、あまりかしこくないほうでありましたが、弟のほうは、なかなかりこうな人でありました。それで、兄は弟をどこかおむこさんにやってしまいたいと思っていましたが、弟は、どうかして、自分一本だちでくらしたい、と考えていました。
それで弟は、そのうち、近所からおよめさんをもらって、よそのうちの片《かた》がわを借りて、そこに住むことにいたしました。ところが、冬になって働くしごとがしだいになくなり、こまっておりますと、とうとう、大みそかになってしまいました。あすは、いよいよ正月の元日《がんじつ》というのに、ごちそうの用意も何もできておりません。いいえ、それどころか、この年とりの晩《ばん》、年とりさまにおそなえする、そのお米さえありません。どうしたらよいかと考えましたが、今となっては、よい考えもうかびません。しかたがないので、兄のところへ、お米を一升《しよう》借りに、行きました。すると、兄がいいました。
「これはまあ、なんということだ。人間が、一年一度の年とりに、一升の米もないなんて。それで、よくおまえは、およめさんなどもらってこられたな。そんな男に貸す米なんか、おれは一つぶだって持ってはいないぞ。借りたければ、よそへ行って借りなさい。」
なんといわれても、お米がないのですから、弟はかえすことばもありません。すごすごと兄のうちを出て、どこをあてともなく歩いて行きました。家に帰ってもしかたがなかったからです。歩いておりますと、むこうに山がありました。その山をこして行きますと、山の上で、ひとりのおじいさんにあいました。そのおじいさんは、白いあごひげをのばした、とても上品《じようひん》な人でしたが、森の枯《か》れシバを集めていました。弟を見ると先方《せんぽう》から声をかけました。
「もしもし、おまえさんはどこへ行きなさるか。」
弟がいいました。
「今夜は、年とりの晩ですが、わたしには、年神《としがみ》さまにおそなえするお米もありません。それで、あてもなく、こうして、歩いておりまする。」
「それはそれは、さぞこまってることだろう。それでは、これをおまえにあげる。さあ、持って行きなさい。」
そして、小さな麦《むぎ》まんじゅうをくれました。へんなものをくださるが、これはどうしたものだろう——。弟は、そう考えましたが、とにかく、ありがたく、それを両手にうけました。すると、おじいさんがいいました。
「では、このまんじゅうを持って、あちらの森へ行きなさい。すると、そこにお宮がある。お宮には、お堂《どう》がある。そのお堂の後へまわると、一つの穴《あな》がある。その穴のなかには、小人《こびと》がたくさんいて、おまえのそのまんじゅうを見ると、それをくれろ、くれろと、たいへんほしがる。そうしたら、石のひき臼《うす》となら、かえてやってもよいと、そういいなさい。よいか。そうして、その臼をもらってくるのだぞ。それは、たいへんな宝物《たからもの》なんだからな。」
おじいさんは、そう教えてくれました。弟は何度もお礼をいって、おじいさんとわかれ、森の中へやってきました。すると、教えられたとおりにお堂があって、その後へ行ってみると、なるほど、穴がありました。
(そうか、これが小人の穴だな。)
そう思って、中へはいって行きますと、中では、おおぜいの小人どもが、ガヤガヤ、ガヤガヤと大さわぎをやっておりました。なにをさわいでいるのかと、気をつけてよく見ますと、まるで、イナゴの子のようにたくさんの小人が、一本のカヤにとりついて、落ちたり、ころんだり、たおれたりしております。つまり、そのカヤをみんなして、どこかへ運んでいるところなのでありました。弟は、これを見ると、とてもおかしくて、つい、ふきだしそうになりましたが、それでも、そのおかしいのをこらえて、
「どれどれ、そんなもの、このおれさまがつまんで行ってやろうわい。」
そういって、すぐ、そのカヤの葉をつまんで、「ここかい、ここかい。」と、ききながら、小人のいうところに持って行ってやりました。小人たちは、その弟の大力《だいりき》に感心し、
「なんて、おまえは力の強い人だろう。」
といって、ひじょうに喜びました。ところがみんなが、
「力の強い人だ、えらい人だ。」
と口々にいって、弟を見あげておりましたが、ふと、その弟の持っている麦まんじゅうを見つけました。それで、
「あれ——、おまえさんは、まあ、なんというよいものを持っているんだろう。そんなめずらしいもの、ぜひともおれたちにゆずってください。」
そういって、弟の前に、みんなで金《かね》を持ってきてならべだしました。弟は、さっきの白ひげのおじいさんに聞いていましたから、
「いやいや、おれは、そんなお金なんかいらない。それより、石のひき臼となら、とりかえてもよい。」
といいました。これを聞くと、小人たちは、
「こまったなあ、石のひき臼は、おれたちに、二つとない宝物なんだからな。」
そういって、さもさもこまったふりをしました。しかし、よほど、まんじゅうがほしかったとみえて、
「しかたがない。それでは、とりかえっこをしよう。」
そういって、小さなその石臼を持ってきました。
弟は、その麦まんじゅうを小人たちにやり、小さな臼をもらって、穴から出てきました。すると、穴の出口で、
「人ごろし、人ごろし。」
と、それこそ、カの鳴くような声がいたします。カの鳴くような小さな声でも、人ごろしというのですから、弟はびっくりして、そのへんを見まわし、声のするほうをさがしました。ところが、それがなんと、自分の足もとでしているのでありました。足をあげて、よくよく見ますと、はいている自分の足駄《あしだ》の歯のあいだに、ひとりの小人がはさまって、一生けんめいさけんでいるところでした。これにも、弟はおどろいて、
「や、これはすまないことをした。」
といって、ていねいにその小人を足駄の歯のあいだからつまみだして、穴の中へ帰してやりました。
それから帰ってまいりますと、さっきの山の上へやってきました。すると、さっきの白ひげのおじいさんがいて、
「どうだい、石の臼をもらってきたのかい。」
と、たずねました。それで、
「はい、もらってきました。」
そういって、その臼をだして見せますと、
「これは、右にまわせば、出したいと思うものが、いくらでも出てくる。しかし、左にまわせば、それがすぐとまる、よいか。」
そういって、臼の使いかたを教えてくれました。弟は大喜びで、
「ありがとうございました。ありがとうございました。」
と、お礼をいって、家へとんで帰ってきました。家では、およめさんが、もう、たいへん待ちくたびれていて、帰るとすぐ不服をいいだしました。
「年こしの晩だというのに、どこをぶらぶらしていたんですか。にいさんのところで、何かもらってきましたか。」
弟は、
「まあ、よいから、よいから。」
となだめておいて、
「早く、ここへムシロをしきなさい。」
そういって、部屋《へや》にムシロをしかせました。そして、その上に、石のひき臼をおいて、
「米出ろ、米出ろ、米出ろ。」
といいました。
そうすると、その臼から、米がぞくぞく、ぞくぞく出て、ムシロの上に、一斗《と》も二斗もつもりました。そこでこんどは、
「サケのよいの出ろ、サケのよいの出ろ。」
といいますと、塩ザケのよいのが、二本も三本も、ひょこひょこひょこと、出てきました。それからは、いるものをつぎつぎにいって、みんな臼からひきだしてしまいました。そして、その晩は、なんともいわれない、おめでたい年とりをいたしました。
あくる日は元日です。元日の朝になると弟がいいました。
「おれは、もう、こんな、にわか長者《ちようじや》になったのだから、よそのうちの片がわなど借りていてはおもしろくない。ひとつ、新しいうちを建てることにしよう。」
そういって、ひき臼をまわして、りっぱなうちを建てました。それから、
「土蔵《どぞう》もなければならない。」
といって、五間に三間の土蔵をひきだしました。それから、長屋《ながや》だの、うまやだのもひきだしました。馬も七ひき、だしました。あとは、
「やあ、もち出ろ、酒出ろ、さかな出ろ。」
というようなありさまで、たくさんのごちそうをだしました。それから、近くの親類《しんるい》や縁者《えんじや》たちを、あの人もこの人もとまねいて、大きなお祝いごとを始めました。
よばれてきた村の人たちは、たいへんなごちそうにおどろきましたが、中でも、お米を貸さなかった兄は、いちばんびっくりし、いちばんふしぎに思いました。それで、
(これには、きっと何かわけがあるだろう。)
と思って、それが知りたくてなりませんでした。だから、ごちそうになりながらも、わけを知ろうと、あっちこっちと、気をくばっておりました。ところが、まもなく、ごちそうになった人たちが帰ることになりましたので、弟はその人たちにおみやげをやりたいと思いました。それで、かげになった部屋に行って、
「かし出ろ、かし出ろ、おみやげのおかし出ろ。」
と、ひき臼をまわしました。ところが、兄のほうは気をつけていましたので、ここぞと、それをすき見してしまいました。そして、
「ははあ、あのひき臼のしわざなんだなあ、わかった、わかった。」
と、喜びました。
さて、その晩のことです。お祝いもすんで、よばれた人たちも、みんな帰ってしまいました。弟たち夫婦も、おそくなったもので、ぐっすり寝《ね》こんでしまいました。そのころになって、兄はそうっと、その臼のあった部屋へしのんで行きました。もう、臼がほしくてならなかったのです。だから、その臼を見つけると、もう大喜びで、すぐそれを持って走りだしました。もっとも、そのとき、そばにあったおもちだのおかしだのも、いっしょにぬすんで行ったそうであります。
兄は、そうして走って行きますと、まもなく、海岸にやってきました。すると、よいぐあいに、そこに一そうの船がつないでありました。
「これは、よいところに船があった。」
と、兄はすぐ綱をといて、それに乗って沖《おき》へ出ました。遠いところへ行って、その臼で、おそろしいほど、もの持ちの長者となろうと思ったのです。
それで、ウンウン、ウンウン船をこいで、沖へ沖へと出て行きました。すると、まもなくおなかがすいてきました。それでこんどは、ちょうどいっしょにぬすんできたおもちやおかしを、腹《はら》がいっぱいになるほど食べました。と、こんどは口があまくなって、塩のようなものが食べたくなりました。けれども、船の中には塩はありませんので、
「そうだ、ここらでひとつ、この臼をためしてみよう。」
と、臼にむかっていいました。
「塩出ろ、塩出ろ、塩出ろ。」
そして、臼をまわしますと、いや、出るわ、出るわ、どしどし、どしどし、それこそとめどなく塩が出てきました。そこで、すぐ兄は、もうよいころと思いましたが、こまったことに、兄は、それをとめる方法を知りません。弟がやったのを見ておかなかったのです。それで、
「もうよい、もうよい、もうよいんだ。」
など、いってみましたが、すこしもとまりません。臼はぐるぐる、ぐるぐるまわって、塩をどんどんふきだして、とうとう、船いっぱい、塩をためてしまいました。それどころか、ついには船にあふれて、船が重みでぶくぶくしずんでしまいました。兄も、どうすることもできません。船といっしょに海にしずんでしまいました。
ところで、その臼は、どうなったでしょう。海の底では、だれも左にまわす者がありませんから、きっと、今でもぐるぐるまわって、塩をふきだしていることでしょう。海の水がからいのは、きっとそのせいであります。
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