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日本むかしばなし集52

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:かしこくない兄と、悪《わる》がしこい弟むかし、むかし、あるところに、兄と弟とがおりました。兄は、けちんぼうで、たいへんな
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かしこくない兄と、悪《わる》がしこい弟

むかし、むかし、あるところに、兄と弟とがおりました。兄は、けちんぼうで、たいへんなお金持でしたが、あまりかしこくありません。弟はまた貧乏《びんぼう》でしたが、これはとても悪がしこかったのです。
ところで、ある日のこと、弟は町へ行って、やせ馬を一ぴき買ってきました。これは、やせてるうえに、あまりのおいぼれ馬で、なんの役にもたちませんでした。そこで、悪がしこい弟は、どうかして兄をだまして、高いねだんで、それを兄に売りつけたい、と考えていました。
すると、あるとき、弟がその馬を庭にひきだして、そこのカキの木につないだところ、これが、ボトボトと大きなフンを落としました。
「ウン、いいことがある。」
といって、そのフンの中に、銀の小つぶを一つおしこんで、大いそぎで兄のところへかけつけました。
「兄き、兄き、たいへんなことがおこった。おれがこんど買った馬が、なんと、お金のフンをひり落とした。早くきて、見てくれないか。」
そういって、いかにもおどろいているようすをしてみせました。
これを聞いた兄は、
「いや、それは、まったく、ゴウギなことだ。」
と、心の底からびっくりして、すぐ、弟のところにとんできました。見ると、まったく、うそではなく、フンの中に銀の小つぶが光っております。あまりかしこくない兄は、とたんに、その馬がほしくなりました。それで、弟にいいました。
「弟、弟、なんと、この馬をおれに、ひとつ売ってくれないか。」
弟はいいました。
「どうして、どうして、この宝馬《たからうま》を、いくら兄きだといって、売りも、ゆずりもできるものではない。」
そして、さも惜《お》しそうに、はげしく首をふって、馬の首すじなどをなでたり、たたいたりしました。すると、兄はいっそうほしくなり、
「な、弟、そんなこといわないで、おれに、十両《りよう》で売ってくれよ。」
そんなことをいうのでした。と、弟は、
「マッピラ、マッピラ。」
と、いかにも、かたくことわるようにいいました。
「では、二十両で。」
兄がいいました。
「いやいや、このお宝のお馬さまを、たった二十両だなんて、ごめん、ごめん。」
弟はいうのでした。こういわれると、兄はしだいにほしくてたまらなくなり、
「それでは、三十両。」
「いやいや。」
「では四十両。」
「いやいや。」
「では、五十両。」
そんなことになって、とうとう、もとは一両もしなかった馬を五十両という大金で売りつけられることになってしまいました。しかし、ほんとうの金《かね》ヒリ馬と思いこんでる兄のほうでは、もう大喜びで、それをひいて、家に帰り、米やヌカなどを山のようにつんで食べさせました。そして、
「さあさあ、お馬さん、たんと食べて、お金をたくさんうんでくださいよ。」
そんなことをいっていました。
と、そのやせ馬が、ボタボタと、フンを落としました。
「ソレ、生んだ。お金のフンだ。」
というところで、兄はそのフンの上にかがみ、目をサラのようにして、フンの中を見つめました。しかし、どうしたことでしょう。弟のところで見たような銀のつぶなど、どこを見てもありません。これはいけないと、両手でフンをかきまわして、一つ一つわったり、くずしたりして、さがしました。やっぱり、フンのほかには、小石一つさえありません。こんなはずはないと、血まなこになってさがしましたが、まったく、何もありませんでした。
「これは、だまされた。弟のやつ、ひどいやろうだ。」
兄は、たいへん腹《はら》をたて、弟のところへかけて行きました。そのとき弟は、五十両も金がもうかったので、もうホクホク喜んで、
「どれ、ひとつ、めしでも食べようか。」
と、ごはんをたいて、それをカマからおろしていました。そこへ、兄が大声でどなりこんできたので、
「兄き、兄き、いったい、何がどうしたんだ。まあ、おちついて、ものをいいなさい。」
そんなことをいって、さも、おどろいたふうをみせました。
と、兄はいいました。
「何がどうしたもないものだ。このうそつきの、大かたりめ、おれに、あんなやせ馬の、ただのフンヒリ馬を五十両という大金で売りつけやがって——」
すると、弟はいうのでした。
「なんだ。あの金ヒリのお馬さまのことを、兄きはいっているのか。あれなら、そんなにうろたえることはない。いくら宝のお馬さまといってもな、きょうにきょう、お金をヒルということはない。二、三日だいじにして飼《か》ってみなさい。しかし、それより、ちょっと、ここにかかってるおカマを見てくれないか。これがなんと、世にもふしぎなおカマなんだ。まったくふしぎな宝ガマだ。」
兄はこれを聞くと、また、弟がだますかと思って、
「何をいうか。もう、だまされないぞ。べつに、ふしぎはない、あたりまえのカマじゃないか。いったい、どこにふしぎがある。」
そういいました。しかし、弟は笑顔《えがお》ひとつせず、いいました。
「それだから、兄きは、みんなに笑われるんだ。あいつ、かしこくないなんていわれるのは、そこのところだ。な、これは、お宝ガマといってな、ここにこうしておいとくとじゃ、ひとりでに、どこからかお米がはいってきて、またどこからか、水もはいってくる。それから、火もたかないのに、ひとりでににえてくる。それこそ、どうもしないで、もう、このカマ一つかけておきさえすれば、いいごはんが、チャーンとできあがるという宝のおカマだ。どうだ。重宝《ちようほう》なおカマだろう、では、ひとつごはんにしよう。」
そういって、弟はさもさもおいしそうに、熱いごはんを食べはじめました。兄は、それを見ると、馬のことなどすっかり忘れて、こんどは、そのおカマがほしくてたまらなくなってしまいました。
そこで、またいいだしました。
「のう、弟、このカマのことは、まさか、うそじゃあるまいな。」
弟は、いうのでした。
「兄き、何をいうのだ。なんで、おれが兄きをだます必要がある。論《ろん》よりショウコ、おれはちゃんと、このめしを食べているじゃないか。しかも、このめしはこのおカマの中で、今にえたばかりで、はいっているじゃないか。」
こういわれて、兄は、
「フーン。」
とばかり感心してしまいました。そして、またそのカマがほしくなり、売ってくれぬか、いや、売れない、という問答がふたりのあいだで始まりました。
そのすえ、とうとう、五十両で、また兄はそのおカマを買いました。
こんども、兄は大喜びで家にとんで帰り、それを台所にすえて、見つめていました。
今にどこからか米や水がきてはいり、ひとりでにおいしいごはんがたけるだろう、と思って、待っていたのです。しかし、うそつきの弟がだましたのですから、いつまでたっても、そんなことのあろうはずはありません。一時間待っても二時間待っても、ごはんができないので、やっと、兄は弟のペテンに気がつき、
「また、やられたか。」
大おこりにおこりました。
そして、また、たいへんないきおいで、弟の家にとんで行きました。そして、
「こんどこそ、かんべんならない。こら、弟、うそつきの弟は、いるか。」
と、大声にどなりこんではいって行きました。ところが、これは、どうしたことでしょう。弟は、古ビョウタンを頭の上にさしあげて、
「カンノンどんのう、鬼《おに》どんのう、こんどばかりは助けたまえやい。ほら、助けたまえや。」
そんなことをいって、家の中をおどりまわっておりました。
兄は、これを見て、あっけにとられ、カマのことも何も忘《わす》れて、つい、
「弟、弟、それはまた、どうしたことじゃ、どうして、そんなにおどりまわっているのだ。」
そういって、大声で問いただしました。すると、弟のいいますのに、
「や、兄きか、ようきてくれた。たいへんなことがおこったのだ。今、家内《かない》が急病にかかって、今にも、死にそうになっていたんだ。それで、おれは、このヒョウタンさまにおねがいして、お助けくださるようにお祈りしていたところだ。」
そして弟は、そのへんを見まわしました。と、そこへ、ひょっこり弟のおよめさんが、うらから桶《おけ》に水をくんではいってきました。それを見ると、弟は、もうとびあがるようにして喜んで、
「やれうれしや、やれありがたや、これも、みなヒョウタンさまのおかげだ。お助けだ。ありがとうございました。ヒョウタンさま、家内の命は助かりました。」
そういって、また、ヒョウタンをふりたてふりたて、うちじゅうをおどりまわり、歩きまわりしました。これを見た兄は、またこのヒョウタンがほしくなり、売れ、売らぬと、ふたりのあいだに、かけあいが始まりました。こんどは、弟はこのヒョウタンを、いちばん惜しがるようなようすを見せ、
「兄き、このヒョウタン一つあれば、何事によらず、おねがいごとのかなわぬということは一つもない。たとえば病気、災難《さいなん》、悪魔《あくま》、怨敵《おんてき》、七里ケッパイ、という宝のヒョウタンさまだ。また、家内《かない》安全、牛馬繁昌《ぎゆうばはんじよう》、息災安穏《そくさいあんおん》、という宝のヒョウタンさまだ。奇妙《きみよう》、きてれつ、まかふしぎともいうヒョウタンさまなんだ。福徳長者《ふくとくちようじや》になるなんか、もう、朝めしまえのことだからな。」
こんなに、ながながと効能《こうのう》をいって聞かせました。兄は、もうほしい一方で、みんな、
「そうとも、そうとも。」
と、いちいちうなずいて聞いていました。そのすえ、とうとう、
「では、どうだろう。おれのたんぼのうち、いちばん上等の田をおまえにやる。それとひとつ取りかえてはくれまいか。」
そんなことをいいだしました。弟は首をかしげて考えこんでいましたが、
「おしいヒョウタンだが、兄きが、それほどまでにいうのなら——」
と、たいそうなもったいをつけて、いちばん上等のたんぼと、古ビョウタンとをとりかえました。
兄は、その古ビョウタンをだいじにかかえて家へ帰ってきました。しかし、そんなに宝物のヒョウタンでも、病人か、けが人でもなければ、ちょっとためしてみることができません。およめさんを近所へやって、病人はないか、けが人はないかと、たずねさせましたが、あいにく、ひとりの病人もありません。兄は、これにはこまりました。いくら宝のヒョウタンでも、病人がなくては、まったく宝の持ちぐされです。と、いいことを思いつきました。外へ出て一本の棒《ぼう》を見つけてきて、いきなり、およめさんの腰《こし》を力いっぱいなぐりつけました。およめさんは大けがをして、
「いたいよ。いたいよう。」
と、泣《な》きわめきました。
しかし兄は大喜びで、
「待て待て、今すぐなおしてやる。」
といって、さっそくヒョウタンを取りだし、
「カンノンどんのう、鬼どんのう、こんどばかりは助けたまえや。」
と、弟におそわった歌とおどりを始めました。そして、うちじゅうをはねあがったり、とびあがったりして、ご祈祷《きとう》をして歩きまわりました。しかし、もとより大うそつきの弟にだまされてのことですから、およめさんのけがのなおろうはずはありません。いくらおどってもはねても、およめさんは泣くのをやめませんでした。
むかし、むかしの、かしこくない兄と、悪がしこい弟のお話です。
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