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日本むかしばなし集55

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:馬になった男の話むかしのことです。伊勢《いせ》の大神宮《だいじんぐう》へ、三人の男がお参りに出かけました。何日も何日も歩
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馬になった男の話

むかしのことです。伊勢《いせ》の大神宮《だいじんぐう》へ、三人の男がお参りに出かけました。何日も何日も歩いて行くと、ある晩《ばん》のこと、見も知らぬ一つの町へやってきました。
「へんな町だなあ。なんという町だろう。」
といい合いましたが、とにかく、日が暮《く》れたので、どこかへとまらなければなりません。それで宿屋《やどや》をたずねて、やっと、町はずれの一軒《けん》の安宿を見つけました。やれ、やれと、そこにやどをとりましたが、なにしろ宿屋もへんなようすなので早くねて、明日は早く立とうと、みんなそういいました。ところが、その晩のごはんのぜんに、ふしぎな草もちが出ました。よもぎでもなければ、他のなに草ともわかりません。しかし食べてみると、おいしいもので、みんなむしゃむしゃと食べてしまいました。
翌朝《よくあさ》のことです。さあ、起きて出かけようぜ——そんなことを思って、障子《しようじ》にあかりがさしたところで、みんな一度に目をぱっとあけました。ところが、おどろきました。夢《ゆめ》ではないかと思ったのですが、夢ではありません。夢でなければどうしたらいいでしょう。だって三人が三人とも、馬になってねているのです。
「おい、おい、おれたちいったいどうしたらいいだろうな。」
いおうと思ったのですが、もう馬ですから、そんなことはいえません。ただ、
「ヒヒヒン、ヒヒヒ——ン。」
と、悲《かな》しげな鳴き声が出るだけです。三びきの馬になった三人の男は、それでも部屋《へや》の中で、しきりにヒヒンヒヒヒンと鳴きあっていました。すると、そこへ宿屋の主人が入ってきました。うしろにつれているのは、ばくろうといって、馬の商人です。宿屋ではこの三びきを売ることになったようなのです。主人はくつわやたづなを出して、見るまに、馬が自由にできないようにしてしまいました。
それを見て、ばくろうはいいました。
「近ごろにない丈夫そうな馬だな。」
そしてお金を払って、外へ引いて出ました。その足でばくろうはすぐ近所の普請場《ふしんば》へやって行き、親方《おやかた》に三びきとも、むぞうさに売りつけました。親方は、
「これは力のありそうな馬だ。」
というところで、砂利《じやり》や、石を運ぶのにつかうことにしました。ほんとうの馬でも、砂利や石となると、重くて、つらくて、ハッハッ鼻から息をはくのですが、人間がなってる馬ですから、たまりません。
「重いなあ。」
「苦しいなあ。」
「背中《せなか》が折れそうだ。」
そんなことをいいあうのですが、それがまた人間のことばにならず、ただもう、ヒヒンヒヒンで、心ぼそいったらありません。それでも、一日そうして働くと、その夜は一つの家のうまやに二ひき、別《べつ》の家のうまやに一ぴきとつれて行かれてねかされました。
それからはもう毎日毎日そんなありさまで、食べさせられるものといえば、ぬかや残飯《ざんぱん》のぞうすいです。それに草などがまぜてありました。馬になってることですから、もとより人間のようなものは食べさせられません。しんぼうして、そういうものを一生《いつしよう》けんめい食べておりました。それにしても、砂利や石を運ぶ一日のながいこと、昼になって朝のことを思うと、きのうのことのように思われ、夜になって昼のことを考えると、おとといのことのように思われたりします。三びきは顔を合わせては、目で、この気もちを伝えあい、口ではおかしい馬ことばのヒヒンヒヒンをくりかえしていました。
ある晩のことです。一ぴきだけが入れられている、うまやの前を、人がたくさん通って行くので、なんのことかと耳を立てていますと、
「浄瑠璃《じようるり》だ。浄瑠璃だ。浄瑠璃へ行こう。今夜は駒語《こまがた》りの浄瑠璃だ。語り手はうまい座頭《ざとう》の坊さまだ。」
そういっている人があります。これを聞くと、馬になってるその人は、
「おれも人間のときは浄瑠璃が好きだったが、きょうは駒語りというのであれば、きっと馬のことが出てくるにちがいない。聞きたいものだな。聞きたいものだなあ。」
そう思っているうちに、もうたまらなくなって、そのうまやをそっとぬけて、通りに出て行きました。そして人にまじって、浄瑠璃のところへ行きました。馬ですから、中へは入れないので、入口に立って耳をピクピクさせて、浄瑠璃を聞きました。すると、その中に、
「那須野《なすの》ガ原《はら》の奥《おく》の方に沼《ぬま》がある。その沼の岸の朝日がま正面からあたるところにススキがはえている。その中にしまのあるススキがある。それを見つけてきて食べると、馬になった人間が、またもとの人間に返ることができる。」
そういうところがありました。馬になったその人は、これを聞くと、飛び立つばかりに喜んで、そこからすぐ那須野ガ原をさして、一足《いつそく》とびにかけだしました。何日もかかって、その那須野ガ原へやってきて、沼のほとりの朝日のあたるススキの原をさがしました。すると、浄瑠璃のとおり、しまのあるススキがひとむらはえておりました。
「ああ、これか、これか。」
と大喜びして、それをむしゃむしゃと食べますと、ひと口ひと口にからだが人間に変ってきて、とうとうりっぱなもとの姿となりました。
「やれ、うれしや。」
そう思いましたが、しかし考えてみると、もうふたりの友だちはまだ馬のすがたで、石や砂利を背中につんで、ヒヒヒンヒヒンで苦労しております。気のどくでなりません。そこで、まだたくさんあるしまススキを、一本一本刈《か》りとって、大きな束《たば》にして、わきにかかえました。そして、また何日も旅をして、もとのところへ帰ってきました。そこで、友だちの馬のうまやをたずね、わけを話して、そのしまススキを食べさせました。友だちもやはり、ひと口ひと口に、もとの人間の姿にかえっていき、とうとうりっぱな人間になりました。
人間にかえった三人は、そこから逃げ出して、
「これからどうしたものか。」
と相談しました。考えてみると、あのへんな宿屋の主人が、いまでも毎晩毎晩、お客をとめては、それを馬にしていることが察《さつ》しられました。
「そういう人がなんと気のどくなことか。」
三人は自分たちの経験から、それが思われて、
「どうかしてやりたいなあ。」
といいあいました。そこでその夜のこと、三人はその宿屋へしのんで行きました。たなの上を見ると、自分たちが食わされた「馬になる草もち」が、やっぱりそこに置いてありました。しかも大ざらにいっぱい、もり上げてありました。
「これだ、これだ。あぶないことだ。何人、何十人の人がこれで馬にされるかしれない。」
こういって、それをそっくり盗《ぬす》んで、そっとまた出てきました。それから近くのおかし屋へ行って、そのもちを別の形のおかしに作りなおしてもらいました。それをまた厳重に重箱《じゆうばこ》に入れて、
「これを食べてはいけませんよ。それから、このかしをつくった人は手をよく洗ってくださいよ。そうでないと、あぶないことがありますから——」
そうたのんでおいて、それから三人はあらためてまた、伊勢神宮へお参りに出かけました。ぶじにお参りをすませて、その町に帰ってくると、馬になるかしをあずけた、おかし屋へやってきました。
「あれをください。ながい間、おあずかりくださってありがとう。」
そういってそれを受けとりました。それからこんどは、例の宿屋へ、前とまったときとは別のきもので、別の人間のようすをして入って行きました。
宿屋がお客さまかと思って、大喜びしているところへ、こんどは、
「これは京都の名物《めいぶつ》のおかしです。おみやげにさしあげます。」
そういって、馬になるおかしをさし出しました。宿屋のものは、そんなこととは知りませんから、
「はい、はい、ありがとうぞんじます。」
そういってもらい、それをうちじゅうで食べました。
「なるほど、京都の名物だけあって、うまいな、うまいな。」
そういっているうちに、主人をはじめ、みんな馬になってしまいました。これを見ると、三人の、前に馬にさせられた人たちは、馬になった宿屋のものを、つぎつぎと、綱《つな》をつけ、くつわをはませて、庭のくいにつなぎました。そして自分たちが馬にさせられて、どんなに苦労したかを話しました。それを聞いて宿屋のものはなんと考えたのでしょうか。なみだをためて、ヒヒン、ヒヒンと、いななきました。きっと、
「もう悪いことはいたしません。お許しください。」
といっていたのでしょう。しかし三人の他にどれだけの人が馬にさせられたかわからないと思い、三人は、宿屋のものをひっぱって、大きな野原へつれて行き、そこへ追いはらって、自分たちの国をさして帰って行きました。宿屋のものは、野馬になって、ながい間その原っぱで、ヒヒンヒヒンといななき合っていたということであります。
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