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日本むかしばなし集57

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:サルとお地蔵《じぞう》さまむかし、むかし、あるところによいおじいさんがありました。ある日、山へシバかりに行って、むこうの
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サルとお地蔵《じぞう》さま

むかし、むかし、あるところによいおじいさんがありました。
ある日、山へシバかりに行って、むこうの河原《かわら》を見ますと、サルがたくさん集まって、石のお地蔵さまをかついで川をわたっておりました。
これはおもしろいと思って、自分も河原へ行って、からだじゅうに米の粉をぬり、お地蔵さまのまねをしました。そして、臼《うす》をさかさにした上にたっていました。すると、まもなく、サルがこれを見つけて、
「あ、お地蔵さまがここにもござる。お地蔵さま、お堂《どう》へ持ってって、お納《おさ》めしよう。」
と、おおぜい集まってきました。そして、みんなで肩車《かたぐるま》をくんで、その上に、おじいさんを乗せました。
それから、声をそろえてうたい、うたいながらかつぎだしました。
「てんの手車、たれ乗せた。
地蔵さま乗せた。」
道々こううたって、やはり川をわたって行きました。川の深いところへくると、
「サルのおしりはぬらすとも、
地蔵のおしりぬらすなよ。」
と、うたいました。おじいさんは、おかしくてなりませんでしたが、お地蔵さまが笑うってことはありませんから、じっとおかしいのをがまんしておりました。川は深いうえに、流れが早かったので、サルたちは、ともすると流されそうになりました。しかし、そのたび、力をこめて、この歌をうたったので、よく気合があって、ぶじにむこう岸へわたることができました。すると、そこに、一つのお堂がありました。サルは、おじいさんの地蔵さまを、そこへかついで行き、そこに、お納めいたしました。そして、その前に、なんだかいっぱいおそなえして、まもなく、どこかへ行ってしまいました。おじいさんが目をあけてみますと、宝物《たからもの》がいっぱいおそなえしてありました。おじいさんは、大よろこびして、その宝物を持って、うちに帰《かえ》ってきました。うちに帰ると、座敷《ざしき》じゅうにひろげて、うちの者に見せました。みんな、感心してながめていました。と、そこへ、となりの欲のふかいおじいさんがきました。そして、その座敷いっぱいの宝物を見て、びっくりして、たずねました。
「まあ、こりゃ、なんだって、ここのうちは、いっぺんにこう福々《ふくぶく》しゅうなったんだい。」
で、おじいさんが、その日のことを話しました。
すると、
「それは、おもしろい。おれもひとつ、お地蔵さまになってみよう。」
そう、欲のふかいとなりのおじいさんがいいました。
そして、あくる日、おじいさんにおそわったとおり、川原へ行って、米の粉をからだじゅうにぬり、臼をさかさにした上に立っていました。と、まもなく、サルがやってきました。
「ここに、お地蔵さまがござる。お堂へお納めしなければ——」
そういって、また、みんなで肩車をくみました。
「てんの手車、たれ乗せた。
地蔵さま乗せた。」
きのうのとおりにうたいました。そして、川をわたって行きました。
深いところへさしかかると、
「サルのおしりはぬらすとも、
地蔵のおしりぬらすなよ。」
やはり、きのうのとおり、声をそろえてうたいました。すると、欲ふかのおじいさん、おかしくて、おかしくて、どうにもこらえていることができません。それで、つい、
「はっは、はっは。」
と、笑ってしまいました。
笑い声を聞くと、サルたちはびっくりして、お地蔵さまの顔をのぞきました。そして、
「あ、これはお地蔵さまではなかった。人間だ。人間だ。」
というと、みんな車の手をはなして、逃げるように行ってしまいました。それで、欲ふかのおじいさんは、深いところに落とされ、もうすこしで、おぼれそうになりました。人まねをするものではない、というお話です。
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