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日本むかしばなし集62

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:ネコのおかみさんむかし、むかし、あるところに、ひとりのお百姓《ひやくしよう》さんがいました。正直者《しようじきもの》でし
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ネコのおかみさん

むかし、むかし、あるところに、ひとりのお百姓《ひやくしよう》さんがいました。正直者《しようじきもの》でしたけれども、貧乏《びんぼう》で、貧乏で、四十にもなるのに、まだおかみさんがありませんでした。
ところで、ある晩《ばん》のことです。お百姓さんがねていると、外でニャーニャー、ネコの鳴き声がしました。
「はてな。」
お百姓さんは考えました。
「どこのネコだろう。この雨の晩に、外でニャーニャー鳴いてるなんか、きっと、道にまよったネコにちがいない。」
そこで戸をあけて、
「さあ、おはいり。しかし、おまえさん、どこのネコだい。」
そういって、寄ってきたネコを見ますと、それがなんと、おとなりの長者《ちようじや》のうちの飼《か》いネコです。
「なんだい。おまえさん、長者さんちの三毛《みけ》じゃないか。どうした、どうした。」
そういって、三毛を家の中に入れ、雨にぬれた毛をふいてやったり、残《のこ》りのごはんを食べさせてやったりしました。三毛は、なんの役にもたたないというので、長者のうちを出されたのです。だから、お百姓さんは、
「うちは貧乏だからな、うまいものはなにもないが、ひもじいめだけはさせないからな。」
そういって、それからは、この三毛といっしょにごはんを食べたり、床《とこ》の中にだいてねてやったりして、だいじにしました。
ところが、ある晩のこと、お百姓さんは、ついたいくつまぎれに、ネコを見ていいました。
「三毛や、三毛や、おれが畑《はたけ》にいって、るすのあいだにな、おまえが麦粉《むぎこ》でもひいていてくれたら、どんなにうちのくらしが、らくになることかね。」
そのあくる日のことです。お百姓さんは朝早く起きて、まだ星のあるうちに畑に行きました。そして夕方、もう暗くなってから家に帰《かえ》ってきました。すると、ふしぎなことに、なかでゴロゴロ、ゴロゴロ、音がしております。戸をあけて入ってみると、これはこれはと、お百姓さんはおどろきました。ネコが、臼《うす》をひいておるのです。
「おやまあ、おまえさんかい。」
お百姓さんはいいました。
「ゆうべ、あんなことをいったもので、きょうはもう、その麦粉をひいてくれたのかい。ありがとう、ありがとう。」
そしてお百姓さんは、すぐ麦粉のだんごをつくって、ネコといっしょに食べました。
「おいしいね。おまえ、なかなかじょうずに麦粉をひいてるぞ。」
そんなことをいったりしました。
それからは、お百姓さんのるすのあいだに、ネコが粉ひきを引きうけて、ゴロゴロ、ゴロゴロやりましたので、お百姓さんは、ほんとにどれだけ助かったかわかりません。
ところが、また、ある晩のことです。三毛ネコがものをいいました。人間のことばでいったのです。
「親方《おやかた》、親方、わたしも、いつまでもネコでいては、じゅうぶんご恩がえしもできません。それで、これからお伊勢《いせ》まいりをして、人間になってきたいと思います。しばらく、おひまをください。」
そこで、お百姓さんが、
「よし、よし、いっておいで。人間になっておいで。」
そういって、首に財布《さいふ》を結んでやりました。するとネコは、それからほんとうにお伊勢まいりをして、人間になって帰りました。そしてお百姓さんのおかみさんになって、それはそれは、よく働きました。その働きで、のちにはおとなりの長者より、もっともっと、お金持になったということです。めでたし、めでたし。
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