返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集64

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:片目《かため》のおじいさんむかし、むかし、奥州《おうしゆう》のいなかに、おじいさんとおばあさんとが住んでおりました。おば
(单词翻译:双击或拖选)
片目《かため》のおじいさん

むかし、むかし、奥州《おうしゆう》のいなかに、おじいさんとおばあさんとが住んでおりました。おばあさんは、ちゃんと目が二つありましたが、おじいさんのほうは片目でした。左の片目がつぶれていました。
さて、ある晩のこと、おそくなって、おじいさんが外から帰《かえ》ってきました。
「おばあさん、おばあさん、今、帰ったよ。」
そういって、帰ってきました。
「お帰んなさい。こんなにおそくなって、さぞ、おつかれでございましょう。」
おばあさんが、そんなことをいって、出むかえましたが、そのとき、ふとおじいさんの顔を見ると、おばあさんはびっくりしました。右の目だけのおじいさんが、左目だけになっているのです。
(ははあ、これはキツネだ。キツネの化けたおじいさんだな。)
おばあさんは、すぐさまそう考えました。それで、そのキツネのおじいさんにいいました。
「おじいさん、あなたはまた、お酒によってきましたね。よってくると、いつものくせで、俵へはいろうというのでしたね。」
すると、キツネのおじいさんは、
「何をまたいうんだい。」
といって、そばにあった俵の中へ、ひとりではいりこんでしまいました。
それで、おばあさんがいいました。
「俵へはいると、上からなわをかけろというのでしたね。」
俵の中のキツネのおじいさんは、
「何をまた——」
といって、おとなしく、おばあさんになわをかけられました。
「なわをかけると、いつものくせで、火だなへあげて、いぶせいぶせというのでしたね。」
と、おばあさんがききました。キツネのおじいさんは、
「何をまた——」
と、あいかわらずいっていました。そして、いろりのたなの上の火だなへ、やはり、おとなしくほうりあげられ、下でおばあさんにどんどん火をたかれました。けれども、俵に入れられ、上からなわをかけられているものですから、どうすることもできません。おばあさんは、そこで、わざわざさかななどを焼いていいにおいをさせ、ひとりで、ごはんをおいしそうに食べました。そうしているうちに、右の目のほんもののおじいさんが帰ってきました。それで、火だなの上の左の目のキツネのおじいさんは、とうとうキツネ汁《じる》にされてしまいました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%