日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集65

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:モズとキツネこれは、九州は熊本県、玉名郡南関《たまなぐんみなみのせき》町というところのお話であります。さて、むかしむかし
(单词翻译:双击或拖选)
モズとキツネ

これは、九州は熊本県、玉名郡南関《たまなぐんみなみのせき》町というところのお話であります。
さて、むかしむかしの大むかし、そのまたむかしのまたむかし、というようなたいへんなむかしのことでありました。関町の城《しろ》ん原《ばら》という丘《おか》の上で、モズとキツネがあいました。まず、モズのいいますことに、
「キツネどん、キツネどん、このごろ、ごちそうにありついたかい。」
すると、キツネのいいますことに、
「なにを、ごちそうどころか。食べるものもろくろくないよ。」
これを聞いて、モズがいいました。
「うんそうか。それならひとつ、ごちそう食べようじゃないか。おれがいいことを考えとる。聞くがいい。ええと、もうすぐな、ここを、さかな屋さんが通るからな、おまえは、ここのやぶの中にかくれていろ。そうするとじゃ。おれが、さかな屋を、うまくだましてみせるからね。いいかい。」
そこで、キツネはそのやぶの中にかくれました。まもなく、さかな屋さんがやってきました。
たくさんのさかなを二つのかごにいっぱい入れて、それをかつぎ棒《ぼう》でかついで、ギシギシいわせながらやってきました。と、とつぜん、モズが、
「キ、キ、キ——。キ——イ、キ——イ。」
と鳴きました。
さかな屋さんは、
「おやっ。」
と、おどろきました。
だって、モズがすぐそばで鳴いているのですもの。ちょっと手をのばせば、すぐ、とれそうなところでキイキイやっているのです。おどろきましたが、さかな屋さんは、すぐとってやろうと考えました。さかな屋さんでなくても、だれでも、目の前一メートルもないようなところで、鳥が鳴いているのを見れば、手をのばして、これをとらえる気にならずにはおられません。あなただって、きっとそんな気になりますよ。わたしだって、そのとおりです。で、さかな屋さんはその気になって、かついでいたさかなのかごをおろしました。そして、ソーッと、モズのとまっている木の枝《えだ》に近よりました。片手《かたて》をモズの後のほうから指をひろげて、そろそろと近づけました。もう三十センチ、もう二十センチ、今にも、モズはその手にとらえられそうにみえました。しかし、そのとき、モズはヒョッととんで、むこうの枝へうつりました。むこうの枝といっても、一メートルばかりしかありません。それで、さかな屋さんは、そのほうへ二、三歩歩きました。そして、また片手をのばして、指をひろげました。もう三十センチ、もう二十センチ——というところで、またモズはむこうの枝へ飛びました。
「チェッ。」
さかな屋さんは、おしいことをしたように思って、こんなに、舌うちをしてから、また、二《ふた》足三《み》足そちらのほうへ歩きました。そして、また片手をあげました。しかし、こんども同じように、モズはピョンとむこうの枝へうつるのでした。こんなにして、しだいしだいに、さかなのかごから遠くへさそいだされ、そのうえ、何十分とさかなのことを忘《わす》れて、モズを追いまわすことになりました。そのうち、モズがパーッと遠く飛んでってしまいましたので、さかな屋さんは、はじめて、
「ハッ。」
と、気がつきました。それで、道においておいたさかなのかごのところへとんで帰《かえ》って行きました。すると、もう、そのかごの中には、さかなは一ぴきもありませんでした。キツネが、みんなとってしまったのです。
「ええ。こりゃ残念《ざんねん》なことをした。キツネにすっかりだまされた。」
さかな屋さんは、そういってくやしがりましたが、どうすることもできませんでした。からになったかごをかついで、
「キツネのやつ、おぼえとれ。」
そういって、帰って行きました。
ところで、そのあとのことです。モズがキツネのところに帰ってきました。そして、いいました。
「キツネどん、キツネどん、さかなは、うまくとれたかい。」
すると、キツネのいいますことに、
「ウンウン、おまえがよく働いてくれたので、すっかりこっちのものになってな。もうたくさんごちそうになったわい。」
それで、モズがいいました。
「フーン、それで、おれのわけまえも、とってあるだろうな。」
キツネがいいました。
「ウン——。おれは身のほうをごちそうになったからな、おまえには、骨《ほね》のほうを残らずとっておいてやったよ。」
これを聞いて、モズはたいへん腹《はら》をたてました。でも、腹をたてたような顔もしないで、
「そうか、そうか、しかし、残念ながら、骨はおれには食べられないよ。」
そういったのであります。しかし、心の中では、キツネをひとつこらしめてやろう、と考えておりました。するとどうでしょう。さっきのさかな屋さんが、またそこへやってきました。きっと、さかなをかごの中に入れなおしてやってきたのです。これを見ると、モズがいいました。
「キツネどん、キツネどん、あれごらん。さっきのさかな屋がまたやってきたよ。どうだい。もう一度だまくらかしてやろうじゃないか。」
キツネは、また、さかなが食べられるかと大喜びで、
「ウンウン、それはいい、そうしよう。」
などというのでした。
そこで、モズは、
「ではな、こんどはキツネどん、棒ぐいになって、ここに立っておいで、おれが、その上にとまってるから。」
そういって、キツネを棒ぐいにならせて、道のそばに立たせました。自分は、その上にとまって、また、
「キイ、キイ、キイ——」
と鳴いていました。さかな屋さんはそこへやってくると、
「おや——、さっきのモズのやつ、また、ここにいやがる。」
そう思いました。そして、
「よおし、こんどこそだまされないぞう。今に見ておれ。」
そう、口のうちでいって、さかなのかごを下におろすと、そのかつぎ棒を手に取りました。それから、二メートルからあるその棒を頭の上にたかだかとふりあげ、モズのところに近よりました。モズに、一メートルというところにくると、そこでよくねらいをさだめ、
「やッ。」
と、かけ声をかけて、力いっぱいふりおろしました。モズは、じつは、こうなるのを待っていたのですから、棒がおりてくるのを見ると、ヒョイととびあがって、そのまま空の上に飛んでってしまいました。モズは飛んでも、さかな屋さんの棒は、そのまま、くいに化けたキツネの上に落ちてきて、その腰《こし》のあたりを、コーンとはげしくうちつけました。キツネは、おどろきました、いや、おどろいたばかりか、その痛《いた》いこと痛いこと、とても、しんぼうができなくて、
「キャーン、キャーン。」
と、鳴きながら山をさして逃《に》げて行きました。
ところで、それからまもなく、モズがキツネをたずねてやってきました。そして、
「キツネどん、キツネどん、さっきはどうしたんだい。」
そういってききました。キツネは、
「どうしたもこうしたもない。おればっかりひどいめにあって、まったく腰の骨が折れたかと思ったよ。」
こんなことをいって、モズをうらみました。すると、モズがいいました。
「それはキツネさん、あたりまえなんだよ。むかしから、うまいもの食べたら、ゆだんするな、ということがあるんだよ。おまえ、知らなかったのか。」
 ずるいキツネは、このようにしてこらしめられました。しかし、モズだって、いいモズではありません。でも、さかな屋さんのさかなを食べなかったから、まあ、かんべんしておいてやりましょうね。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%