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日本むかしばなし集67

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:キツネとクマのはなし山奥《やまおく》で、キツネとクマが出あいました。「クマさん、ふたりで畑をつくろうじゃないか。」こうキ
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キツネとクマのはなし

山奥《やまおく》で、キツネとクマが出あいました。
「クマさん、ふたりで畑をつくろうじゃないか。」
こうキツネがいうと、
「ウン、そりゃよかろう。」
クマがいいました。そこでキツネは、
「では、ボクは種を心配するから、あんたは土を掘っといてください。」
そういって、いそがしそうにドンドンかけだしていきました。正直もののクマは、いいところを見つけて、土を掘って、畑をつくりました。そこへキツネが種をもって帰ってきました。そして種をまく段になって、キツネがいいました。
「クマさん、先にいっときますが、この種から芽がでて、葉がでて、すぐもう食べられるようになるのですが、そのときの分けまえです。ボクは土から下のほうをもらいます。上はあんたのものとしましょう。どうですか。」
お人よしのクマは、
「よかろう。よかろう。」
といいました。そこで種をまきました。すると芽がでて、葉がでて、りっぱな野菜ができました。ところが、それは大根だったのです。約束《やくそく》だから、仕方なくクマは葉のほうをとりました。キツネは根のほうをとって、冬じゅう食糧《しよくりよう》に困りませんでした。
春になると、またキツネがやってきました。そして、
「クマさん、去年はお気の毒でした。どうですか。も一度、畑をつくって、こんどはあんたに土から下をとってもらい、ボクは上のほうでしんぼうしようと思うんですが。」
こういいました。
「よかろう。よかろう。」
またクマはいいました。こんども、畑はクマがたがやし、種はキツネがとってきてまきました。やがて、その種から芽がでて、葉がでて、りっぱな野菜となりました。ところが、こんどのものは、大根でなくて、イチゴだったのです。だから花がさいて、実がなりました。実が赤くうれたとき、キツネは行って、その実を残らずとって、自分の穴の中へもってきて、
「ああ、おいしい。ああ、おいしい。」
と、ノドをならして食べました。クマは、その根っこをとってみましたが、一、二寸の細いヒモのようなものがあるきりで、食べることもできません。クマはすっかりはらをたてて、もうキツネとつきあわないことにしました。しかし、キツネはまたやってきました。
「クマさん、ヤブの中にミツバチの巣があるんです。とりに行きましょう。」
ミツバチと聞いては大好物なもので、クマは上きげんになりました。そしてキツネについていきました。ところが、巣をとりにきたというので、何千というミツバチが、ワァーンとクマ一ぴきに集まりました。クマがそれをはらいのけようと、首をふったり、手をふったりしておりますと、キツネは蜜《みつ》のいっぱいつまったミツバチの巣をかかえて逃げていってしまいました。クマはすごくおこってしまって、
「もうカンベンならん。」
といいました。それから、いく月もいく月もあとのことです。キツネは食べものがなくて、おなかをすかして通りかかりました。クマを見ると、話しかけてきました。
「クマさん、なにかいいことないですか。」
クマはいいました。
「河原《かわら》へ行くと、馬がいる。馬は後足の弱いけもので、そこをくいつくと、すぐまいる。そうしたら、馬肉がいくらでも食べられるよ。」
キツネはいいことを聞いたと思って、河原へ行って、馬の後足にかみつきました。ところが、馬の後足は弱いどころでなく、これほど強いものは、けもののなかでないくらいの足でしたから、キツネはポーンと、えらい勢いでけとばされました。ちょっと立ち上がれないほど、はげしくけとばされました。そして大けがをしました。
人をだまして、ずるいことをしてはならないというお話です。
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