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日本むかしばなし集70

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:カメに負けたウサギ むかし、むかし、大むかしです。ウサギとカメが競走《きようそう》しました。ピョンピョン、ピョンピョン。
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カメに負けたウサギ

 むかし、むかし、大むかしです。ウサギとカメが競走《きようそう》しました。ピョンピョン、ピョンピョン。ウサギはカメの何十倍も速く走ったのですが、グウグウ、とちゅうでひるねをしてしまいました。それでとうとう負けました。ウサギ村では、これが大問題になりました。それで村会《そんかい》を開き、
「競走のとちゅうで、ひるねをするようなふまじめな選手は、ウサギ村の恥《はじ》である。」
と、決議しました。それから、
「そのような選手を、わたしたちのこのウサギ村においておくわけにはいかん。タヌキ村へでも、イタチ村へでもいい、すぐ出ていってもらおう。」
そう相談《そうだん》をきめました。ひるねをしたウサギは、まったく困《こま》ってしまいました。どうしたら、みんなに許してもらえるだろうかと、首をひねって考えていました。
ところが、そのとき、山のオオカミから、村へ使いがやって来ました。
「オオカミさまの仰《おお》せじゃ。かしこまって、うけたまわれ。子ウサギを三びき持ってこい。いいか。」
使いのものは、そういうのでした。これは困ったことになったと、みんな思いましたが、なんとしても、オオカミさまのおっしゃることです。きかないわけにはいきません。
「は、はあ。」
みんな頭を下げて、そういいました。しかし、その三びきの子ウサギをきめるだんになると、
「この子はかわいそう。あの子もかわいそう。」
となって、一ぴきだって、オオカミにやれる子ウサギはありません。毎日、毎日、朝から晩《ばん》まで、村じゅうの親たちが集まって相談しましたが、どうしてもきまりません。オオカミからは、矢のようなさいそくです。
「子ウサギはどうした。なにをぐずぐずしておるか。早く三びき、うまそうなのを、耳をそろえてつれてこい。オオカミさまは、もう腹《はら》がペコペコでいらっしゃる。」
たびたび使いのものがやって来て、こんなことをいいました。いよいよウサギ村の親たちは大弱りです。
ところが、そこへ、カメに負けたウサギが出て来ました。そして、いいました。
「なにを心配してるんですか。」
「これがきみ、心配せずにおれますか。」
ひとりの親はそういって、オオカミの話をしました。
すると、負けたウサギはいうのでした。
「そんなことは、わけはない。オオカミを退治《たいじ》すればいいんでしょう。」
「そんな、そんな、おそろしいこと。」
親ウサギはいいましたが、負けたウサギは、
「その代わり、オオカミを退治したら、わたしを追い出すという、あの決議はとり消してください。」
そういうのでした。そして、オオカミのところをさしてやって行きました。オオカミは山の上に待っていて、
「やーい、子ウサギ三びきつれてきたか。」
と、どなっていました。
「はいはい、それがでございます。」
近よって、ウサギはいいました。
「オオカミさまがこわいといって、そこまで来て、子ウサギがだだをこねます。どうか、そこのがけっぷちで、むこう向きになって立っていてくださいませ。すぐ引っぱってまいります。」
「こうか。」
オオカミが高いがけっぷちに、むこうを向いて立ちました。
「はい、はい、そうです。もっと、がけに近くよってください。そうです、そうです。」
そういって、ウサギは、オオカミをがけのすぐそばに立たせ、こんどは自分がオオカミに尻《しり》を向けて立ちました。ねらいを定めたのです。そして両方の後足を上げると、力をこめて、ピョーンとオオカミのお尻をけりました。
オオカミは、ものもいわずに、がけを下へ落ちて行きました。それで、子ウサギは助かり、負けウサギも村へ入れてもらいました。
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