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日本むかしばなし集72

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:ハチとアリの拾いもの やっぱり、むかしのことです。ハチとアリがつれだって旅行に出かけました。ちょうど、海ばたの道を歩いて
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ハチとアリの拾いもの

 やっぱり、むかしのことです。ハチとアリがつれだって旅行に出かけました。ちょうど、海ばたの道を歩いているときのことでした。一ぴきの魚がころがって、はねていました。波うちぎわでしたから、海から波にはね上げられたのかも知れません。
「あっ、サカナ。」
ハチがいいました。しかしそれと同時に、アリも、
「サカナだっ。」
といって、もうかけだしておりました。だから、ハチもアリもいっしょに、そのサカナのところにかけつけ、
「サカナを拾ったあ。ボクが見つけたんだあ。」
そういいました。そこで、
「ボクが見つけた。」
「いや、ボクのほうが先に見つけた。」
と、ハチとアリとでいい合いになりました。チュウサイする人がいなかったものですから、
「ボクが先。」
「いや、ボクが。」
と、いつまでもいい合いしておりました。きりがつかないのです。ところが、このサカナがニシンというサカナだことを知ると、ハチがいいました。
「待て、待て、アリくん、二三が六という九九があるだろう。知ってるかい。」
二と三をかけると六になるのです。アリはかしこいから、もとより知っていました。
「知ってるさ。次が二四ンが八だ。」
と、ジマンそうにいいました。すると、
「そうだ。ね、ニシンはハチだ。このニシンはハチのものだ。わかったろう。」
ハチがそういいました。これにはアリも、なんといっていいかわからず、
「チェッ。」
と、舌うちをしてくやしがりました。
ハチとアリは、それからまた旅行をつづけましたが、しばらくしますと、やはり波うちぎわにサカナが一ぴき打ち上げられて、ピンピンピンピンはねております。
「見つけたあ。サカナ見つけたあ。ボクが先に見つけたあ。」
アリがいいました。しかしこのとき、ハチも、
「サカナだっ。ボクが一等っ。」
そういいました。やっぱりふたりいっしょに見つけたのです。だから、そのサカナのそばへ行ったのも、アリ、ハチいっしょで、どちらが先ということもありません。そこでまたいい合いとなりました。
「ボクが先だ。」
「いや、ボクのほうだ。」
そして、いつまでもいつまでもいい合い、きりがありません。ところが、そのサカナがタイであることを知ると、アリがいいました。
「ハチさん、ありがたいということを知ってるかい。」
「知ってるさ。うれしい時なんかにいうコトバさ。ありがたい。」
ハチがいいました。すると、アリがニコニコしていいました。
「アリがタイ。アリがタイ。わかったろう。ハチがタイじゃないんだよ。アリがタイなんだよ。」
これにはハチも困《こま》り、
「しかたがないや。」
そういって、そのタイをアリにやりました。めでたし、めでたし。
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