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日本むかしばなし集74

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:豆《まめ》と炭とわらむかしのことです。豆がながしで、ザクザクザクザク洗われていました。すると、そのなかの一つが、コロコロ
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豆《まめ》と炭とわら

むかしのことです。豆がながしで、ザクザクザクザク洗われていました。すると、そのなかの一つが、コロコロコロッところげて、炉《ろ》ばたへ落ちて行きました。そこには、ちょうど炭とわらがいたのです。三人はすぐなかよしになり、すぐおはなしを始めました。
「おお、豆さん、きょうは天気もいいし、どこかお宮まいりでもしようじゃないか。」
炭がいったのです。
「お宮まいりなら、お伊勢《いせ》さんがいいな。」
わらがいいました。それで三人は伊勢神宮《じんぐう》へおまいりすることにきまりました。三人はつれだって——といっても、身がるなわらが先に立って、大またに歩いて行きました。炭がつづいて、ズシリズシリと歩いて行きました。豆はいちばんあとから、コロコロころがってついて行きました。何日も、そうして行ったところで、三人は川のところへやって来ました。
「さあ、こまった。炭さん、豆さん、川のところへやって来たぜ。これから、どうする。わたろうにも、ふねはなし。」
わらがいいました。それで三人は川ぎしにあつまり、くびをかたむけて考えました。
「どうして、この川をわたろうか。」
すると、わらがハッとして、
「わかった。いい考えがうかんだ。」
といいました。それは、わらがはしになるというのです。しかし、どうも少し心配なもので、豆が、
「わらさん、はしになんかなれるかい。だいじょうぶかい。」
と、こうききました。わらは、
「だいじょうぶだったら、だいじょうぶ。」
そんなことをいって、もう川ぎしで、頭を下にして、さか立ちをしていました。それから、その足のほうを、むこうぎしへ向けて、ドタンとたおしました。それでもう、わらのはしができました。
「どんなもんだい。りっぱなはしだろう。さ、わたってください。」
はしになったわらがいいました。そこで、いよいよ炭がわたることになりました。
「わたるよ。いいかい。じっとしてておくれ。落としちゃいやだよ。」
炭はそんなこといって、わたって行きました。ところが、ちょうど、わらのまんなかへんに行ったときです。
「あっちちち。あっちちち。」
わらがいいました。見ると、煙《けむり》が出ていて、わらがもえていました。炭にホンの少し火がのこっていたのです。けれども、川の上ですから、どうすることもできません。見るまに、わらが灰になり、炭といっしょに、水に落ちてしまいました。そして、ながされて行きました。これを見ていた豆さん、どうしたことか、にわかに、おかしくなって、
「ハッハ、ハッハ、ワッハ、ワッハ。」
とわらいました。友だちをたすけなければならないときなのに、おかしくて、おかしくて、わらいがとまりません。とまらないばかりか、あんまりわらうもので、口がさけてしまいました。それでやっと、わらいはとまりましたが、こんどは口がいたくて、エンエンエンエン泣《な》いておりました。
ところが、そこをそのとき、さいほうへ行く娘《むすめ》さんが通りかかりました。娘さんはこの豆のありさまを見て、
「まあ、かわいそう。まあ、かわいそう。」
そういって、すぐ、針《はり》をだして、さけた口をぬいつけてくれました。しかし、娘さん、あんまりいそいだもので、つい黒糸でぬってしまいました。今でも、豆の口のところに、一本黒いスジがあるのは、そのときの黒糸のあとです。それではめでたし、めでたし。
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