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日本むかしばなし集75

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:タカとエビとエイ むかし、むかし、高い山の上の大きな岩のいただきに、一羽《わ》のタカが住んでおりました。ある日のことです
(单词翻译:双击或拖选)
タカとエビとエイ

 むかし、むかし、高い山の上の大きな岩のいただきに、一羽《わ》のタカが住んでおりました。ある日のことです。岩の上で、自分の羽《はね》をひろげて見て、つくづく感心しました。
「りっぱな羽だなあ。両方、こうひろげたところは、なんのように見えるだろう。鳥のなかにも、けもののなかにも、まず、このおれくらいのものはいないだろう。」
そう思うと、りっぱくらべ、大きさくらべに、そこらじゅうを飛んで歩きたくなりました。でかけていくと、海へ出ました。大きな、大きな海です。一日じゅう飛びましたが、果《は》てがありません。夕方になって見ると、その海のなかに一本、柱のようなものが立っておりました。
「やれ、うれしや。今夜《こんや》はここでやすめる。」
と、その柱にとまって、その晩《ばん》はねむりました。あくる朝、そこをとび立って、また一日じゅう飛びました。飛んでも、飛んでも、海ばかりです。夕方になって見ると、きのうとおなじような柱が、また海のなかに立っていました。
「やれ、うれしや。今夜はここで——」
そう、ひとりごとをいって、タカはその柱にとまりました。ぐっすりねむっていると、夜なかのことです。その柱が動きだしました。右へかたむいたり、左へかたむいたりするのです。と思うと、水から上へズンズン上がっていったりするのです。タカはびっくりして、バタバタ、羽をうちながら、
「へんな柱だ。ふしぎなクイだ。まるで生きてるように思われる。きのうとまった柱も考えてみるとそうだったわい。」
そんなことをいいました。これを聞いたのでしょうか。このとき、水から、それはそれは大きなエビが、頭をズーッと、持ちあげてきました。そのエビがいいました。
「おまえがタカだな。おれのツノにとまって、ふしぎな柱とは、なんのことだ。」
タカは、これを聞いて、おどろきました。この柱がそうなら、昨夜《さくや》の柱は、このエビのもう一本のツノだったのです。自分こそ、世界一と思ってとんでいたのに、大きなものもあればあるものです。そこで、タカは、
「エビさん、あなたにはかないません。」
そういって、もとの山の上の岩をさして帰っていきました。ところで、タカのはなしを聞いたエビは、
「そうすると、このおれさまが世界一か。それなら一つ、大きさくらべにでかけよう。」
と、海を泳いでいきました。すると、その晩のこと、どこか、とまるところはないかと、あたりを見まわしますと、ちょうどころあいのほら穴《あな》がありました。そこで、
「やれ、ありがたや。」
と、そこにとまり、あくる朝は早くそこを出立《しゆつたつ》して、一日泳いでいきました。晩になって、とまるところをさがしますと、また、昨夜のような穴がありました。
「やれ、ありがたや。」
と、そこに入り、
「しかし、海じゅうを泳いでみたが、まず、このおれほど大きい魚はただの一ぴきもいなかった。すると、やっぱりこのおれさまが世界一か。」
そういっていますと、
「ハッハハハ。」
と、笑うものがありました。
「昨夜と今夜と、おれの鼻の穴に入りながら、世界一もないものだ。くすぐったくて、こっちはたまらん。」
そういったかと思うと、その鼻の穴が、
「クシャーンッ。」
と、大きなクシャミをしました。それでエビは、海の上を遠くの方へはねとばされました。その魚はエイという魚でした。大きな上には、またいっそう大きなものがあるものです。エビは、そのときはねられたので、腰《こし》が曲がり、それが今でもなおらないということですよ。
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