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日本むかしばなし集76

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:カメとイノシシむかし、むかし、大むかしのことです。そのころ、カメはすごくセイが高かったそうです。一メートルも二メートルも
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カメとイノシシ

むかし、むかし、大むかしのことです。
そのころ、カメはすごくセイが高かったそうです。一メートルも二メートルもあったというのですが、ほんとうでしょうか。そんなに高くては、足ばっかりで、まるで足が歩いているように見えたかもしれません。もしかすると、浦島太郎《うらしまたろう》を竜宮《りゆうぐう》へ案内《あんない》したカメなんかも、そんなに足の長い、セイの高いカメだったのでしょう。
ある日、けものたちが集まって、力くらべをしておりました。カメはこんなでしたから、やはり力も強かったそうです。ところが、そのころ力が強いので有名だったのはイノシシです。イノシシは大いばりで、力くらべの場所にきても、「エヘン、エヘン」と、せきばらいなんかしておりました。
これを見て、カメさん、少しシャクにさわってきました。
「イノシシなんかが、なんだい。」
心のうちで、そう思いました。そこで、自分も負けないようにエヘン、エヘンとやりました。
これを聞くと、イノシシは、ますます大きな声を出して、
「エヘン、エッヘン!」
とやりました。これを見ると、カメさん、いよいよシャクにさわって、
「エッヘーン、エヘン。」
とやるのでした。
みんなが一度にふたりの方を見ました。こうなってはカメさんも、だまっていられません。
「イノシシくん、ちょっと。」
といいました。
「なんだい。」
イノシシが口先をしゃくりあげて、カメの方を向きました。
そのころのイノシシは、いまとちがって、首も細く、そして長かったそうです。だから、きっとアゴなんてものもあって、さぞナマイキに見えたものと思われます。
「きみ、力じまんだそうだね。」
カメがいいました。これを聞くと、
「なにをッ。」
いうが早いか、もうイノシシはカメを上からおさえつけました。
ウーン、ウーン
これは、そのときにだしたイノシシの力声《ちからごえ》です。
フーン、フーン
これは、そのイノシシの力をこらえて、四つの足をふんばっているカメのふんばり声です。そうして、ふたりとも、二十分も三十分も四十分も、根《こん》かぎりの力を出しました。
ところが、そのとき、イノシシはよっぽど力が強かったとみえます。いや、カメのこらえるのが、少し度《ど》がすぎていたものと思えます。
だって、カメの足がだんだん、だんだん、短くなっていったのです。そしてとうとう甲羅《こうら》の中へめりこんでしまいました。
やっとイノシシは押すのをやめて、ウーンというのもよしました。カメもフーンをやめたのです。しかし、カメは力くらべに負けました。そして、それ以来《いらい》、あのふんばったような短い足になってしまいました。
イノシシは、これでたいへんとくいになり、どんなものだとばかりに走りだしました。うれしさのあまり、むこう見ずに、むやみやたらに走りました。曲《ま》がり角《かど》もまがらずに走ったのです。そして、そこにあった大岩に、はげしくオデコをぶつけました。すると、長かった首がゴツンといって、一ぺんに短くなってしまいました。それ以来、イノシシは首なんかないような形になってしまいました。
おかしな話です。それではさようなら。
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