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日本むかしばなし集82

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:キツネとタヌキ むかし、むかしです。キツネとタヌキが出会いました。「どうだい、タヌくん。おたがい化《ば》けることにかけち
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キツネとタヌキ

 むかし、むかしです。キツネとタヌキが出会いました。
「どうだい、タヌくん。おたがい化《ば》けることにかけちゃ、当世《とうせい》一、二といわれるほどのものだが、しかし、おまえさんと、このおれさまと、どちらがいったい化けじょうずかね。」
キツネが聞きました。すると、タヌキはだまって、じぶんの胸《むね》のへんをさしました。
「なんだい、それは、きみが一等の化けじょうずというのかい。」
キツネがいうと、
「そうだい。」
タヌキがいいました。そこで、化けくらべということになったのです。そうなると、キツネはぐずぐずしてはいられません。さきへとっととかけて行きました。そして、
「なんでも、タヌキのやつを化け負かして、あのこうまんちきに恥《はじ》をかかせてやらなけりゃ、むかしから有名なこのおキツネさまの顔にかかわる。」
そう考えました。そのとき、ふと気がつくと、道ばたに小さな石碑《せきひ》のようなものが立っていました。そこで、キツネはそのそばに、お地蔵《じぞう》さまになって、ならびました。まもなく、そこへタヌキがやってきました。前から、このタヌキはふしぎなくせがありました。お地蔵さまを見ると、おなかがすいて、おべんとうが食べたくなるのです。で、きょうもそれなんです。
「や、おなかがすいた。おべんとうにするかな。」
タヌキは、背中《せなか》に負《お》うているべんとうをおろし、中からニギリメシをとりだしました。そして、その一つを、まずお地蔵さまにおそなえして、頭をさげました。
「キツネを化け負かすことができますように。」
と、お祈《いの》りしたのかもしれません。ところが、頭をあげてみると、おやと思いました。今、おそなえしたオムスビが、もうありません。ふしぎだな。してみると、おそなえしなかったのかな。そう思って、またオムスビ一つ、たしかにお地蔵さまの前へおいて、
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ。」
と、頭をさげて、それからすぐ、その頭をあげたのですが、あれ、もうムスビはありません。
「ふしぎなことだなあ。」
そこで、タヌキは、また一つムスビをお地蔵さまの前におき、
「ナムマイダア。」
いいそうにして、頭をさげるか、さげないかに、もう、ヒョイと頭をおこしました。見ると、お地蔵さまが、半分かじりかけのムスビを片手《かたて》に持っておられます。
「こらっ。」
タヌキは、こうよんで、お地蔵さまの手をひっぱりました。すると、今までお地蔵さまだったものが、いつのまにか、キツネに変わっていました。
「なあんだ、キツネさん。」
タヌキがそういうと、
「こんどは、おまえの番だよ。」
キツネがそういいました。そこで、タヌキは、しばらく考えていましたが、ムスビのかたきをとってやろうと、
「あすの昼ころ、ここを殿《との》さまになって通るから、よく見てくれ。」
と、いいました。ところで、そのあくる日です。キツネがそこへ来て待っていますと、向こうから殿さまの行列《ぎようれつ》がやって来ました。
「下にい、下にい。」
先ばらいというのが、そうよんでいます。後ろにたくさんのさむらいがつづき、殿さまはかごに乗って来るのです。キツネはすっかり感心して、人間に化けるのもわすれて飛びだし、殿さまのかごのところへ行っていいました。
「タヌ公《こう》、タヌ公、おれの負けだ。」
しかし、この殿さまの行列はタヌキが化けたのでなくて、ほんものだったのです。だから、このキツネを見ると、さむらいのひとりが、棒《ぼう》ではげしく殴《なぐ》りつけました。
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