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日本むかしばなし集88

时间: 2020-01-19    进入日语论坛
核心提示:コウノトリの恩《おん》がえしあるところに、おかあさんと、むすこと、ふたりおりました。むすこは孝行《こうこう》な子で、猟《
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コウノトリの恩《おん》がえし

あるところに、おかあさんと、むすこと、ふたりおりました。むすこは孝行《こうこう》な子で、猟《りよう》をして暮らしをたてておりました。
おおみそかのことです。あすのお正月の用意にと、むすこは大雪の中を、猟に出かけました。
山や森を、あっちへ行き、こっちへ行きしていますと、岩かげにきれいな鳥が一羽《わ》、わなにかかって、バタバタやっておりました。むすこは、それを見ますと、なんとなくかわいそうになって、わなをはずして逃《に》がしてやりました。おかげで、その日は、なに一つえものがなく、手ぶらで家に帰りました。おかあさんに、その話をしますと、
「いいことをしたのだから、気にすることはないよ。食べるものがないなら、お茶でも飲んで寝《ね》たらいい。」
おかあさんが、そういっているところへ、表の戸をドンドンとたたく音がしました。むすこが立ちあがって、戸を開けますと、わかい美しい女が、ただひとり立っていました。
「雪にふりこめられて、困っております。どうぞ今晩《こんばん》お泊《と》めください。」
これを聞いて、おかあさんは、
「泊めてあげたいのは、やまやまですが、なにぶんうちは貧乏で、ごらんのとおりのあばらや。それに、今夜は食べるものがなくて、お茶でも飲んで寝ようとしていたところです。」
と、いって、ことわりました。しかし、娘《むすめ》は、
「食べるものなんぞ、なくてよろしいから、おうちのすみのどこかに、寝かせるだけ寝かせてください。」
と、かさねてたのみました。おかあさんは、気のどくに思って、
「では、どうぞ。」
と、家に入れました。そして、いろり火のそば近くすわらせ、お茶を飲ませ泊めてやりました。
娘は、あくる朝、早くからおきてきて、いろいろ、おかあさんのてつだいをいたしました。そして、いうことには、
「わたしはとうふが作れるのです。だから、豆《まめ》を買ってきてくださいませんか。」
そこで、むすこが町へ行って、豆を買ってきました。娘は、すぐに、その豆を煮《に》て、とうふを作りましたが、それが、とてもおいしいのです。三人は相談《そうだん》して、とうふを町へ売りだすことにしました。
町では、おいしいとうふ、おいしいとうふと、大へんなひょうばんになりました。それで、三年もたたぬうちに、倉がたつほどになりました。
おかあさんは、その娘に、むすこのよめになってもらいたいと思って、ある日、そのことを話しました。すると、娘は、
「じつは、わたしは、三年前のおおみそかに、わなにかかって苦しんでいたところを、むすこさんに助けていただいた、あのコウノトリなのです。ご恩をかえしたいと思って、こんにちまで、一生けんめいに働いてきました。これだけお金ができたならば、もうこれからは、おふたりで安楽に暮らせましょう。それでは……」
そういうと、もとの鳥の姿《すがた》になって、どこともなく山の方へ飛んでいってしまいました。
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